ファッションのCircularity

2018 / 9 / 21 | 執筆者:Masako Maeda


「世界では毎年9,200万トンの布地が廃棄されている」
「2030年にはさらに60%増えて、1億4,700万トンに達するだろう」

クリーンテックのブログで、アパレル業界が抱える問題と、その解決策として期待される新技術を紹介していました。Closing the Circle on Textiles

大量生産・大量消費、ファストファッションがもてはやされる社会では、旬を過ぎた商品は売れ残り、消費者が商品を廃棄するまでのサイクルも短くなっています。

「バーバリーは年間2800万ポンドの商品を、H&Mは年間12トンの売れ残り品を焼却」

サーキュラーエコノミーを推進するエレン・マッカーサー財団は、衣類に使われる素材の87%は使用後に埋め立て/焼却処分されており、毎年1000憶ドルにのぼる価値が失われている、その一部をリサイクルするだけでもビジネスチャンスになると報告しています。

ファッションの持続可能性を推進する非営利組織のグローバル・ファッション・アジェンダは、2020年をひとつのマイルストーンとしてアパレル各社に行動を促す2020 Circular Fashion System Commitmentを掲げています。2018年5月までに94社が参加を表明しており、循環可能なデザインや回収、リサイクル、リユースなどの目標値を個別に設定しています。

廃棄処分の問題を根本的に解決するにはリサイクル技術の開発が不可欠ですが、post-consumer textile(使用後の生地)のリサイクルは容易ではありません。これは、製品に使われる生地が天然繊維と合成繊維の混合素材でできていたり、さまざまな染料や表面処理が施されていたりすることが多いからです。

従来、布地のリサイクルは、色や素材ごとに分別して細かく裁断するなど、労働集約的で非効率なものでした。しかし近年では、品質を落とすことなく、ハギレから繊維の分子を取り出して化学的に再生する技術が開発されています。

●スウェーデンre:newcell社の取り組み―”We have closed the loop
・使用済みの綿などの天然繊維を「re:newcellパルプ」という生分解性の新素材に再生
・標準的なパルプよりセルロースの含有量が高く、より丈夫で耐久性が高い

混合素材の布地をリサイクルする技術も、これから研究が進んでいくでしょう。しかしまずは、廃棄処分となる布地の総量を減らすことを考えなければなりません。

技術革新、消費者意識、企業のコミットメント―
ファッションのCircularity(循環性)実現には、そのすべてが必要です。

Photo by Yuya Tamai

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