広がるエシカル ジュエリーからケータイ、コーヒーまで

2018 / 4 / 8 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi

みなさんは「エシカル(ethical)」という言葉に初めて出会ったのはいつ頃ですか?

このカタカナ表記を私が初めて知ったのは、ジュエリーブランドHASUNA
HASUNAは2009年設立なので、おそらくその頃のことです。
フェアトレードは知っているけど「倫理的」なの?と新鮮で、
生産者を含めたすべての人や環境を幸せにするジュエリーを志す姿勢に共感しました。

ジュエリーや貴金属には、児童労働、劣悪な労働環境や低賃金という根深い問題を
抱えるものもあり、さらに、紛争のための資金作りを目的に不法に取引される
紛争ダイヤモンドの問題も1990年代から指摘されていました。
だからこそ「エシカル」なダイヤモンドやゴールドを使うと決められたのだろうな、と。

2003年の国連決議に基づき発足したキンバリープロセス認証制度により、
アンゴラ、コンゴ、ギニアやシエラレオネなどのダイヤモンド産出国が原石輸出時に
紛争に関与していないことを証明するよう義務づけられるようになり、
「ブラッド・ダイヤモンド」に対する規制や監視の目も、ある程度厳しくなりました。
2017年にシエラレオネで発掘された706カラットの原石もこの制度に基づいて
透明性あるオークションにかける、と政府が発表しました(英国ガーディアン紙)。

「エシカル」との出会いから10年近く経ち、エシカルファッション、エシカル消費など、
私たちの日常生活についてもこの言葉が使われるようになっています。

NGOが実行委員となって運営するエシカルケータイキャンペーンでは、

・野生の生物を傷つけず、貴重な生態系を壊さない
・先住民族・居住者の生活や土地を尊重する
・児童労働や、劣悪な環境での労働を行わない
・武装勢力の資金源となり、紛争を助長しない

そのように配慮して採掘された鉱物を使った製品を求めています。

翻訳チームメンバーと「エシカル」を中学生にどう説明できるか考えたときに、
生産、製造、流通・販売、消費まで全てのプロセスにかかわる全員にとって
「良心がとがめない」ことでは、と話したことと重なります。

そして、つい先日のこと。お土産にもらった有機栽培コーヒー、
パッケージの後ろの表示を見ると「ethically sourced 」の文字が。

Ywar Nganという小さな町で、住民の90%が家族で小規模に農業を営んでいること、
土壌流出を防ぎ、生態系を保護する伝統的な日陰栽培で育ったコーヒーで、
豆をローストした町の情報やオーガニック認証を取得した経緯などが詳しく書かれていました。

私の手に届くまでに、たくさんの人の手から手へ旅をしてきたんだなあ、と
会ったこともない人を想って、味も香りも格別でした。

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