社会や組織の多様性の価値を引き出すインクルージョン

2018 / 1 / 16 | 執筆者:Futakuchi Kazuko

“Flamenco Dancers” by Prayitno / Thank you for (9 millions +) views is licensed under CC BY 2.0

SDGsで「inclusive society(誰をも排除しない社会)」が明確に提唱され、
その重要性に注目が集まっているインクルージョン。
英英辞書には誰かを招くこと、あるいは招かれること、とあります。
しかし、コミュニティーや組織のダイバーシティの文脈では、物足りなさを感じます。

D&I のように、インクルージョンはダイバーシティとひとくくりにされがちです。
その違いについて翻訳チームメンバーがハーバードビジネスレビューの記事を教えてくれ、
話しが弾みました。

記事にダイバーシティは、representation と同じとあり、
これってどういうこと?と尋ねると、
つまりは多様な人材が「存在する」ことなんだ、と。

なるほど、そう言えば、と思い出したのが海外のレポートです。
例えば、企業のレポートで、従業員のうちアフリカ系XX %、アジア系XX %と記載されていたり、研究報告書で、白人XX%、黒人XX%とアンケートの結果が記録されていたりします。

しかし、そのような人材がいることだけでは、社会の変化やビジネスの成長は
生まれません。多様な人材をひきつけ、そして
チームワークへの参加を促し、イノベーションを促進するために、
必要なのがインクルージョン。

すべての人が自分の考えを自然に全員に伝え、みんなも耳を傾ける。
リーダー自ら、その姿勢を示し、みんなも一緒にと励ます。
リーダーになるために、ジェンダーを問わず「男らしく」振る舞う必要などない。

Diversity is being invited to the party. Inclusion is being asked to dance.
ダイバーシティはパーティーに招待されること、
インクルージョンは踊ろうよ、と申し込まれること。

米国の多様性提唱者ヴェルナ・マイヤーズ氏の言葉は、
現在に求められるインクルージョンを見事に表現しています。

パーティーにいても、ただ座っているだけではつまらない。
フロアに出て、誰かと、あるいはみんなで踊る。
ちょっと失敗しても、笑ってまた踊りだす。
肩の力が抜けて、本当の意味でパーティーを楽しむ。

これまで、日本では「ダイバーシティ」の一言で
D&I が語られることが多かったかもしれません。
そもそも、海外では多様な人材が社会や組織にいるのは所与のことであり、
日本では、そこまで多様な社会や組織ではなかった、という違いがあるからでしょう。

人数や登用率などの数値では表せないからこそ、インクルージョンの進展を伝えるには
生き生きと働く人のストーリーが重要です。

まさに今、ある企業のダイバーシティレポートの英訳に取り組んでいる翻訳チームも、
日本での変化の兆しを感じながら、インクルージョンにまつわる表現を
どのように取り入れていくかを考えています。

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