複雑なことを簡単に! プレイン・イングリッシュ

2017 / 10 / 3 | 執筆者:Masako Maeda

最近、あらためて「プレイン・イングリッシュ」を学んでいます。

プレイン・イングリッシュとは
・明確さと簡潔さを強調し、専門用語を回避するコミュニケーション様式の総称
・目的は、対象とする読者に容易に理解できる方法で記述すること
(Wikipediaより)

さまざまな文書の英語版制作に携わる中で、英語を母国語としない読者も含め、
誰もがストレスなく読める英文を提供したいという思いが強まっていきました。

プレイン・イングリッシュでは分かりやすさを最重視し、
平易な単語や表現、構造を意識的に使うことが推奨されます。
複雑な情報を明快に表現するのが目標です。

参考にしているのは、米国証券取引委員会(SEC)の『A Plain English Handbook』。
開示文書作成の指針として出されたものですが、ビジネス文書全般に応用できる内容です。

その中で、悪文にありがちな問題として次のような点が挙げられ、
・長い文章  ・受動態  ・弱い動詞  ・余分な言葉  ・専門用語  ・定義語の多用  
・あいまいな言葉  ・不要な詳細  ・読みずらいデザイン・レイアウト

こうした問題を解決するために、
・日常語  ・短い文章  ・能動態  ・通常の活字体  ・人称代名詞
などの使用を勧めています。たとえば、こんな感じです↓

<元の文章>
NO PERSON HAS BEEN AUTHORIZED TO GIVE ANY INFORMATION OR MAKE ANY REPRESENTATION OTHER THAN THOSE CONTAINED OR INCORPORATED BY REFERENCE IN THIS JOINT PROXY STATEMENT/PROSPECTUS, AND, IF GIVEN OR MADE, SUCH INFORMATION OR REPRESENTATION MUST NOT BE RELIED UPON AS HAVING BEEN AUTHORIZED.

<プレイン・イングリッシュ>
You should rely only on the information contained in this document or that we have referred you to. We have not authorized anyone to provide you with information that is different.

元の文章は長い上にすべて大文字で、文意がすんなり頭に入りません。
それをプレイン・イングリッシュで次のように改善しています:

●文の構造をシンプルに

<元の文章> 3段構造、冗長で分かりにくい
1.NO PERSON HAS BEEN AUTHORIZED TO GIVE ANY INFORMATION OR MAKE ANY REPRESENTATION(情報提供は誰にも認めていない)
2.OTHER THAN THOSE CONTAINED OR INCORPORATED BY REFERENCE IN THIS JOINT PROXY STATEMENT/PROSPECTUS(但し、この文書に含まれる情報はOK)
3.AND, IF GIVEN OR MADE, SUCH INFORMATION OR REPRESENTATION MUST NOT BE RELIED UPON AS HAVING BEEN AUTHORIZED.(情報提供があった場合も鵜呑みにしないこと)

<プレイン・イングリッシュ> 言いたいことを整理して簡潔に表現
1.You should rely only on the information contained in this document or that we have referred you to. (この文書に含まれる情報を正とすること)
2.We have not authorized anyone to provide you with information that is different.(異なる情報の提供は認めていない)

このほか、
●受動態 → 能動態に(主語が明確に)
●否定形 MUST NOT → 肯定形 should に(より分かりやすく)
●不要な繰り返しを避けて簡単に
  INFORMATION/REPRESENTATION → information
  CONTAINED/INCORPORATED → contained
  THIS JOINT PROXY STATEMENT/PROSPECTUS → this document

といった修正が加えられ、「要するに言いたいことはこういうこと!」という感じの
明瞭簡潔な文章になっています。

このハンドブック、効果的なグローバル発信を考えるヒントが詰まっています。
英訳や英語文書作成の実務に携わられている方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。

Photo by Heather Katsoulis

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