対象を明確に マテルのめざす Integrity

2017 / 10 / 31 | 執筆者:EcoNetworks


Image by Cristian Bortes

サプライチェーンが国際的に拡大していく中で、企業は自社の製品・サービスだけでなく、サプライチェーン全体で従来の品質やコストなどに加え、環境、人権、労働慣行などにも十分配慮した活動を行うことを求められています。

バービーで有名な米国のおもちゃメーカー・マテル(Mattel)も世界各地で製造や販売を行っており、同社の Citizenship サイトでサプライチェーンに関する活動について報告しています。

読み込んでみて気づいた特徴は「対象が明確になっていること」。例えば、こちら。

Mattel conducts unannounced audits of its suppliers and of its suppliers’ subcontractors.
(試訳)マテルは、サプライヤーとその下請業者を対象に抜き打ち監査を実施しています。

We are on track to roll-out the worker programs at our owned and operated plants beginning in 2017.
(試訳)2017年より、当社が所有・経営する工場において、従業員プログラムを展開していく予定です。

どちらの文章も対象を具体的に明記することで、読み手が実態を把握しやすく(つまり、調査しやすく)なっています。

また、安全性を重視した素材の選定に関する報告でも対象が明確に記載されています。

We set a standard that polycarbonate cannot be used in any product that is intended to be mouthed or touch food or made for a child under 3 except for power adapters and DVDs.

(試訳)口にしたり、食べ物に触れる製品や、3歳未満の子ども向けの製品には、電源アダプタとDVDを除き、ポリカーボネートを使用してはならないという基準を設定しています。

もし、the use of polycarbonate is limited(ポリカーボネートの使用を制限しています)だったら、どうでしょうか? 適用対象と除外対象が明記されていないため、説得力に欠ける印象に。

大切なのは、読み手によって解釈が変わるようなあいまいな情報ではなく、対象を明確にして実態を正直に報告する姿勢。

Citizenshipサイトでも随所に使われているintegrityというキーワードに行き着きます。
Integrityとは「何も損なわれていないこと、誠実」。

Citizenshipサイトのトップページにある

Our mission is to act with integrity in all that we do
(試訳)私たちの使命は、すべての行動において誠実に振る舞うこと

という文に、同社があらゆる企業活動の基盤とする考え方が表されています。

(翻訳コーディネーター/翻訳者 山本 香)

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