数値の英語表現 基準を明確に

2017 / 7 / 3 | 執筆者:EcoNetworks


企業が発行するさまざまな報告書の中で、数値データの進捗報告は投資家からも特に注目される重要な部分です。翻訳の際も、間違いのないよう細心の注意を払うのはもちろん、いかにして効果的に伝えられるかを常に意識しています。

CSR報告書の英訳をご支援していたときのこと、以下の原文に対して、次の英文をご提案しました。

(原文)今年の包装使用量は3万トン、対前年比97%でした。
(提案訳)We used 30,000 tons of packaging in this year, a 3% year-over-year reduction.

包装使用量を削減する取り組みを進めているこの企業にとって、特に注目して欲しい数値は「97%」ではなく、削減分にあたる「3%」。昨年を基準にして、どれだけの変化があったかに焦点を当てた英文としました。

もうひとつご紹介したいのが、ネスレの報告書Nestle in society の2015年版2016年版の次の表現の違いです。

2015年
8% achieved towards a 10% overall sodium reduction objective
(試訳)ナトリウム10%低減目標に対して8%低減を達成
2016年
10.5% achieved over our 10% sodium reduction objective
(試訳)ナトリウム10%低減目標を上回る10.5%低減を達成

2015年版ではtowardsを使って、「ナトリウム10%低減」という目標(=基準)に向かいつつ8%のところまできていることを表し、2016年版ではoverを使って、目標をついに上回って10.5%低減を達成したことが分かりやすく表現されています。

数値の報告では、まず基準を明確にし、そして、その基準に対する現在地を伝えることが大切です。
この視点を忘れずに、翻訳チームで今後もより良い表現を追求していきたいと思います。

(翻訳コーディネーター/翻訳者 山本 香)

Photo by woodleywonderworks

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