Work-life balanceからWork-life integrationへ

2017 / 5 / 22 | 執筆者:Masako Maeda

Gapのサステナビリティ・レポート2013-2014を読んでいて、Work-life Integrationという言葉に目が留まりました。1つ前のレポート(2011-2012)ではWork-life balanceが使われており、この言葉は登場しません。

「バランス」ではなく「統合」—それぞれ辞書では、次のように定義されています:
integrate =to form, coordinate, or blend into a functioning or unified whole
balance =stability produced by even distribution of weight on each side of the vertical axis
(Merriam-Webster.com)

調べたところ、日本では2008年に経済同友会が『21 世紀の新しい働き方 「ワーク&ライフ インテグレーション」を目指して』という提言書を発表しています。その中で、Work-life balanceは「仕事」と「生活」を対立的に捉え二律背反のような印象を与える点で十分ではないとして、Work-life integrationという考え方を提案し、以下のように定義しています:
「ワーク&ライフ インテグレーションとは、会社における働き方と個人の生活を、柔軟に、かつ高い次元で統合し、相互を流動的に運営することによって相乗効果を発揮し、生産性や成長拡大を実現するとともに、生活の質を上げ、充実感と幸福感を得ることを目指すもの」

New York Timesでは、2012年10月にシリコンバレーでの新しい働き方について述べた記事の中で、Work-life integrationという言葉が初めて登場しています:
.. scrap the idea that people should strive for “work-life balance” and instead think in terms of “work-life integration.” That shifting mind-set — the idea that life and work must be blended rather than separated — is increasingly common,…
(「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けて努力するのではなく、「ワーク・ライフ・インテグレーション」の視点で考えるべきだ。仕事と生活を切り離すのではなく、一緒に考える発想が一般的になりつつある)

2016年12月のForbesの記事「Work-Life Balance Vs. Work-Life Integration, Is There Really A Difference?(WLBとWLI、何が違うの?)」に、次のような示唆に富む主張がありました:

昨今はテクノロジーの進化とともに24時間365日つながっているのが当たり前になり、即座に要求を満たすことが求められるようになった。そのような中、「公私混同しない」というのは現実的な考え方ではなくなりつつある。人々が望んでいるのは、人生を形作るさまざまな役割、関係、責任の中で、それぞれに意義のあるかかわりと喜びを得ること。そのバランスは「時間配分」ではなく、それぞれの要素から得られる「価値」の大きさによって決まるのだ。
(弊社要約)

「子どものスポーツ大会の応援に行きながら、試合のあいまにメールをチェックする」
「打合せがあるからと長期休暇をあきらめず、旅先から電話会議に入る」
2つの世界に同時に目を向けながら、仕事も生活も充実させる。

そんな働き方を許容し、奨励する仕組みが、これから主流となっていくのかもしれません。

Photo by Phil Gradwell

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