はじめからBarrierのないものを=Universal Design

2017 / 4 / 4 | 執筆者:EcoNetworks

Photo by Tobias Abel
日本語としてもすっかり定着している「バリアフリー」という言葉。

その名のとおり、バリアをなくすことを意味します。つまり、障害があることを前提に、それを排除していこうというもの。例えば、段差をなくしてスロープにすれば、足が不自由な人でも移動しやすくなります。

この「バリアフリー」と似た考え方として「ユニバーサルデザイン」があります。障害者基本計画では、この二つの違いを次のように説明しています。

—引用ここから—
バリアフリーは、障害によりもたらされるバリア(障壁)に対処するとの考え方であるのに対し、ユニバーサルデザインはあらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方。
—引用ここまで—

前者は障害のある人だけを対象としている、今ある障害に対処しようとしているのに対し、後者はすべての人を対象とし、「あらかじめ」対処するという点で異なっています。

体の不自由な人や高齢者だけではなく、例えばベビーカーを押している人やスーツケースを引いている人など、幅広い利用者を想定して最初からスロープを作るのがユニバーサルデザインです。

高齢化やグローバル化、人種や性別の多様化が進むなか、今後はユニバーサルデザインをさらに広めていく必要があるでしょう。

先日、ある企業のホームページの英語版制作をご支援するプロジェクトで、ユニバーサルデザイン商品を説明する文章の中に「目や耳の不自由な人も一緒に楽しめる・・・」という一節がありました。

翻訳者と一緒に考え出した訳はfor people of all abilities。できないことではなく、できることに焦点を当ててallと表現とすることで、あらゆる人を対象とするユニバーサルデザインの概念を表しました。

ユニバーサルデザインやバリアフリーというと、階段や手すりなどハード面に注目が集まりがちですが、情報へのアクセスや私たちの意識など、ソフト面も考えていく必要があります。

そのために、ひとつひとつの表現を工夫することも私たちの大切な使命だと考えます。

すべての人がいきいきと生活できる環境づくりをサポートするべく、これからも小さな一歩を積み重ねていきたいと思います。

(翻訳コーディネーター/翻訳者 山本 香)

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