Corporate Internal Carbon Pricing(社内炭素価格制度)

CDPSource: CDP

炭素排出量に対して価格を付ける炭素価格制度(carbon pricing)。
国や自治体による排出量取引制度や炭素税などのほかに、
企業が社内炭素価格制度を導入する例も増えてきています。
これは、温室効果ガスの影響(外部費用)を内部化するために、
企業が自発的に社内炭素価格(internal carbon price)を設定するものです。

CDP(企業や都市の環境情報の測定・開示などを行う国際的非営利団体)が
2016年9月に発表した報告書によれば、情報を開示した5,759社のうち1,249社が
社内炭素価格制度を実施または検討しています(2015年比で23%増)。

例えば、フランスの大手金融機関ソシエテ・ジェネラルは、2011年に
社内炭素税(internal carbon tax)を導入しました。現在、その額は
排出量1トン当たり10ユーロ。「税金」として収集した資金は社内の省エネ活動の
支援に活用され、建物、情報技術、紙、輸送、廃棄物などの分野での活動を通して
年平均で一般諸経費を1,300万ユーロ、CO2を4,700トン削減し、
平均30 GWhの節電を実現しています。

マイクロソフト社では2012年から社内炭素課金制度(internal carbon fee)を
実施しており、2016年11月の報告書によれば、これまでに以下の成果をあげています。

  • 900万mtCO2eを超える排出削減
  • 1,400万MWh(1万4,000 GWh)を超えるグリーン電力の購入
  • 各国で地域に根ざしたカーボン・オフセット事業の支援(700万人以上に影響)

社内炭素価格制度には、こうした目に見える短期的な利点に加えて、

  • 国や自治体が将来導入する可能性のある排出量取引制度や炭素税に備える
  • 社内の環境意識を高める
  • 低炭素技術の革新を促す(市場機会の開拓につながる)

という、長期的な側面もあります。

業界や地域によって導入数や規模には差があるものの、
企業が自らこうした取り組みを進める例が増えつつあるのは、
気候変動という課題の重大さ・深刻さの認識が高まっていることに加えて、
それが機会でもあると捉える企業が増えている証のように思われます。
今後の動きに注目していきたいと思います。

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