「配慮する」ってどういうこと?

2016 / 10 / 6 | 執筆者:EcoNetworks

accomodatePhoto by Liz Henry

多様な人材の視点を企業活動に取り入れようという
ダイバーシティの推進が企業の間で広まっています。

このダイバーシティに関連して、
CSRレポート等では「配慮する」という表現を頻繁に見かけます。

そもそも「配慮」とはどういう意味なのでしょうか?
・よく考えて心をくばること。心づかい。(明鏡国語辞典より引用)
・心をくばること。他人や他の事のために気をつかうこと。(大辞林第三版より引用)

非常に守備範囲の広い言葉で、
比較的文脈を問わずに使える便利な日本語と言えそうです。

それでは英語ではどう表現できるでしょうか?

英語版作成を担当したCSRレポートの
「障害者、高齢者に対する配慮」という文章で考えてみます。
まずここで言う「配慮」とは、具体的に何を指すのでしょうか。

例えば、建物内の段差をなくしたり、
耳の不自由な方に筆談のサービスを提供したりすることが考えられそうです。
年齢の差や障害の有無に関係なく、自由に移動したり、
必要な情報が得られたりするように工夫することが
この「配慮」の意味するところです。

そのことを踏まえ、
Accommodating the elderly and people with disabilities
という英文をご提案しました。

accommodate には、
to allow room for; contain(Collins English Dictionaryより引用)
という定義があります。
この文脈では、年齢の差や障害の有無にかかわらず、
同じ条件のもとに含めること=「配慮」だと考え、
accommodate としました。

その他のバリエーションとして、
文脈によっては advocate を使った表現も可能です。

advocateには支持する、唱道する(研究社新英和大辞典第六版より引用)
という意味があるので、
例えば「LGBTへの配慮」という日本語を
Advocating for LGBT people とすることで、
LGBTの人々を支持する姿勢を力強くアピールできます。

「配慮」のように広い意味を持つ日本語を字面だけで訳そうとすると、
あいまいな訳文になるおそれがあります。
まず大事なのは、その文脈で具体的に何を意味するのかを把握すること。
そのうえで、最適な訳語を選び、
本来の意図を正確に伝える英文を目指しています。

以前に、「環境に配慮した」と言う表現についてもまとめていますので、
あわせてご覧ください。

(翻訳コーディネーター/翻訳者 山本 香)

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