「ことば」の力の重要性

2016 / 9 / 27 | 執筆者:EcoNetworks

cosmosPhoto by Vince

今回は、エディンバラ大学認知症の経験研究センター交流研究員の林真由美さんの
寄稿をお届けします。

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●「ことば」の力の重要性

イギリス、世界において、認知症、認知症の人たち、彼らの経験や人生について、私たちがインフォーマル、フォーマルを問わず、語る「ことば」の重要性が指摘されており、認知症のことばの指針やガイドラインが作られてきています。例として、オーストラリアアルツハイマー協会のガイドラインやイギリスのDEEP (Dementia Engagement & Empowerment Project)のガイドラインなどがあります。日本は、ご存じのように、2004年に、「痴呆」から「認知症」に変更されました。

●なぜ、「ことば」に注目するのか? なぜ「ことば」が重要なのか

「ことば」は私たちがどう考え、話し、行動するのかを形成し、また、私たちが(選択し)使用することばは、私たちの(根拠をともなわない)考えや思考、価値観、信念を反映するものでもあり、形つくるものでもあります。

ポストモダニズムによれば、真実というのは、既存しているものでもなければ、固定しているものでもありません。かわりに、真実というのは、私たちが使用することばによって構成されています。いいかえれば、ことばが真実を構成しているのですから、ことばを変えることで、真実はかえられるということになります。

従って、認知症を取り巻くことばの使用に注意を払うということは、私たち一人ひとりが、認知症の人たちや彼らの経験をどう考え、理解し、行動しているのかという、現状を問いただし変えていく為に重要なことであります。

つまり、ことばに注目し注意を払うということは、現状の認知症を取り巻く誤解、偏見、否定的・抑圧的見解、差別などを、これら現状を反映する際に使われていることばを通して批判的に問いただし、好ましくないことばを、別のことばにおきかえたり使用しないようにすることによって、あらたな、よりよい現状(真実)を創る可能性に向かって歩んでいくことであります。

新たな、より正確な現状・真実というのは、認知症の人たちを「市民」として捉えることでもあります。

(エディンバラ大学認知症の経験研究センター交流研究員/林 真由美)

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