Inclusive =インクルーシブを理解するために 

2016 / 4 / 11 | 執筆者:Futakuchi Kazuko

SDGs出典:国際連合広報センター

2015年9月の国連持続可能な開発サミットで
「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」
Transforming for Our World: The 2030 Agenda for Sustainable Development
採択され、企業のサスティナビリティレポートでも、重要項目の決定に
持続可能な開発目標(SDGs)を考慮し、議論が進んでいます。

2030アジェンダの本文に、 40回出てくるキーワードが inclusive です。
17のSDGsのうち、目標4、8、9、11、16の5つの目標本文で使われ、
目標16では2回も出てきます。
外務省の仮訳では、「包摂的な」。一語であらわすならこうなると思いますが、
わかりにくい印象です。

Goal 4. Ensure inclusive and equitable quality education and promote lifelong learning opportunities for all
外務省仮訳:目標 4. すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する

inclusive をもう少しわかりやすく説明すると「すべてを含んだ」となります。しかし、
この言葉をより明快に理解するには、対義語の exclusive とあわせて考えると良いでしょう。

exclusive は「排他的な、閉鎖的な」、権利や所有物について「独占的な」を表します。
英語で vulnerable peopleと表す、貧困層や女性、子どもなど「弱い立場にある人々」は、
教育や雇用の機会、金融へのアクセスなど、社会のさまざまなシステムから排除され、
さらなる貧困など、困難な状況の悪循環に苦しんできました。

inclusive は、non-exclusive、つまり「誰も排除しない」と言い換えると、
SDGsの理解が深まるように思います。

例えば、目標 4は、

誰をも排除せず、すべての人に公正な質の高い教育を確保し、
生涯を通じた学習の機会を促進する

となるでしょうか。

2006年12月に国連で採択された障害者の権利に関する条約第24条にある
inclusive education systemは、署名時の仮訳では「包容する教育制度」ですが、
現在は「インクルーシブ教育システム」と名称を変えて、障害の有無にかかわらず、
あらゆる人が自らが生活する地域で、一緒に学ぶ機会を得られる教育システムを目指しています。

将来へのビジョンや目指す目標には、ネガティブな言葉はほとんど使われません。
しかし、そこに込められた意図を理解しようとするとき、ときにはその背景となっている
「影」の部分を見つめることも重要です。

弊社のサステナ・ブログでは、
電子決済やモバイル金融により、financial inclusion(金融包摂)が実現すれば、
様々なシナジーが実現する可能性が示唆されています。合わせてご覧ください。

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