知足―Knowing Contentment

2016 / 4 / 20 | 執筆者:Masako Maeda

mujica「知足」とは、老子の言葉で「足るを知ること」、
「分をわきまえてそれ以上のものを求めないこと」を意味し、
英語では ”Knowing contentment” と訳されています。

contentment (n):
A state of happiness and satisfaction (Oxford Dictionaries)

辞書ではこのように定義されていますが、
本当の幸福とは何かを知り、常に満たされた状態で生きることは、
欲深い人間にとって簡単なことではありません。

つい先日、前ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカ氏が来日しました。
2012年6月に行われた国連持続可能な開発会議(リオ+20)での演説で
消費社会の本質を鋭く説き、一躍世界の注目を集めた同氏ですが、
そのムヒカ前大統領こそ、「知足の人」。
大統領時代は公邸に住むことを拒み、給与の9割を寄付していたといいます。

リオ+20で、ムヒカ前大統領は各国の代表者にこう語りかけました。

「世界70億、80億の人々が、豊かな西洋社会と同じレベルの
消費・浪費を享受できるほどの資源がこの地球にあるのだろうか」

「もっともっとと消費欲に駆られて働きつづけているうちに、
人生は過ぎ去ってしまう」

「貧しい人とは、物を持たない人のことではなく、
際限なく欲しがる人、いくらあっても満足しない人のこと」

「発展」が「幸福」と対立してはならない。
もっとも大切なのは人間の幸福であり、あとは必要最低限のものをもつこと
と訴えるムヒカ氏の言葉はまさしく、
”A state of happiness and satisfaction” が
持続可能な発展に不可欠なのだと示唆するものです。

物ではなく、幸福で満たされた生活と、
その先に進むべき未来に一人ひとりが思いを馳せ、
少しでも意識を変えていくこと。

ムヒカ氏の言葉は、私たちに生の本質を問いかけます。

ムヒカ大統領のリオ会議演説(スペイン語での演説動画と英訳)
世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』くさばよしみ・編、中川学・絵(汐文社)

Photo by Embajada de los Estados Unidos en Uruguay

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