英語版レポート制作:文字溢れを防ぐ!<その1>

2016 / 2 / 8 | 執筆者:Masako Maeda

ABC
前回のブログで、「英文は長くなる」とお伝えしました。

原文の情報をいかに簡潔に表現するかは翻訳者の腕の見せ所ですが、
文字溢れを防ぐために、まず最初に考えたいポイントが
「固有名詞の表記」です。

●固有名詞を短くする

組織名などの固有名詞はレポートに頻出し、
英文を長くする大きな理由のひとつです。
その分、少しの工夫でかなりの文字数を削減できます。

初出:The Apple Banana Candy Group (the ABC Group, or the “Group”)
以降:The ABC Group
代案:We

例えば、上のように長い企業グループ名を毎回フルスペルにせず、
レポートでの初出時に但し書きを入れたうえで
2回目以降は略称を用いる、というのはよくあります。

さらにお勧めしたいのは、主語を We とする方法です。
「グループ全体」の取組みや方針などを述べた文では主語を We とし、
「グループ会社(個社)」の活動は具体的な社名を挙げて述べます。

社名の表記も同様に、できるだけ簡略化します。
企業形態を表すLtd.やInc.などは初出時のみ記載し、以降は省略します。
長い社名の場合、the Company と表現すればさらに短くなります。

初出:Apple Banana Candy Co., Inc. (Apple Banana Candy Co.)
以降:Apple Banana Candy Co.
代案:the Company

全編をとおして主語に We を使用し、
グループ会社の社名も極力シンプルな表記とした例は、
海外企業のレポートによく見られます。

『GE 2014 Annual Report』
→グループ会社は Aviation や Oil & Gas のように簡略化

『Gap 2014 Annual Report』
→The Gap, Inc. (Gap Inc., the “Company,” “we,” and “our”)

固有名詞も略称を用いれば簡潔になりますが、
一般に浸透していない略語では多用すると分かりにくくなることがあります。
その場合は、ページやセクション単位で「初出はフルスペル、以降は略称」
とするなど柔軟に対応します。

初出:The Apple Banana Candy Foundation for Environmental Education (ABCFEE)
以降:The ABCFEE

組織名の表記はレポート全体の印象につながる重要な要素ですが、
これだけで英文を大幅に短縮できます。
余白を多めに取った読みやすいレイアウトも可能になるかもしれません。

翻訳作業を始める前に、ぜひご検討ください。

Photo by Dennis Skley

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