2015年の終わりに~ありのままを伝える誠意と勇気

2015 / 12 / 25 | 執筆者:Yukiko Mizuno

morning road今回は、今年、印象に残った文章をご紹介します。
いずれもユニリーバが今年6月に発表した人権報告書の言葉です。

“Our efforts to bring sustainable solutions to these issues are work in progress, but we believe sharing information now is the right decision…”
『(仮訳)こうした課題に対する持続可能な解決策をもたらす取り組みは道半ばである。
だが、今、情報を共有することは、正しい選択だと信じている…』

“We expect the level of the detail of this report to yield some questions and
potential criticism. That’s part of the process. To solve these thorny issues,
business needs to step outside its comfort zone.”
『(仮訳)当社は、この報告書が扱っている詳細な情報は、疑問を生み、
批判の的になる可能性があると考えている。それはプロセスの一部だ。
こうした困難な課題を解決するためには、企業は快適な領域から踏み出す必要がある』

この言葉が印象に残った理由は二つあります。

まず、達成できていないことを正面から伝え、批判の可能性も承知の上で
議論してもらい、解決策を探す手立てとするという発想が、とても新鮮に映りました。

もう一つ、頭に浮かんだのは(分野は違いますが)VWの排ガス不正の問題です。
目標の達成が困難であることを報告できないような風土が
もし背景にあったのだとしたら、
「道半ばであることを正面から伝える」という発想と正反対に思えたのです。

目標の達成は大切です。
しかし、すべての計画が予定通りに進むとは限らない。
制約や困難にぶつかることのほうが多いかもしれません。
そうした問題を一つ一つ乗り越えていくプロセス自体も
もう少し認めてもよいのではないか。

そのためには、伝える側には、
現状をありのままに伝える誠意と勇気、それに
やり遂げるのだという強い意志が求められます。

一方で、伝えられる側には、
目標が未達であることをただ批判するのではなく
目標に向けた取り組みをきちんと評価できる賢さが求められます。

いずれの立場に立っても、
しっかりとした対応ができる人間でありたい――そんな思いが浮かびました。

もうすぐ一年が終わり、新しい年が始まります。
自分自身も目標を立て、その達成を目指して
プロセスも大事にしながら取り組んでいきたいと思います。

Photo by Nils Erik Mühlfried

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