ジェンダーとことば~直接話を聞く

2015 / 12 / 21 | 執筆者:Futakuchi Kazuko

amnesty写真提供:アムネスティインターナショナル日本/金沢グループ

10月4日の金沢での講演は、2015年のスピーキングツアー「自分らしい性を生きる~LGBTIの「私」が命をかける理由~」の初回でした。

前回も書いたように、スピーカーのファドツァイ・ミュパルツァさんは、
不条理な暴力が終わらない状況を変えるため、
弱い立場にある人々の人権を守るため、活動を続けています。

今回の日本での講演のために、十数時間と言うフライトの果てに
自らのプライベートも含めて人前で話をするのは、とても勇気のいること。
声が震えたり、言葉に詰まっても当然の状況です。

しかし、南アフリカの現状を語る姿は落ち着いて、毅然としていて、
とりわけ、会場からの質問への回答が印象に残っています。

― 南アフリカに依然として残る差別。
法律ができたからといって現状はそう簡単に変わらない。
郊外に行けば、今でもアパルトヘイト時代と同じ差別が残っている。

― カミングアウトしなくていい。
でもカミングアウトしようと思ったら、きちんと準備をしなさい。

― 私の短期の目標? 早くこの活動からリタイアしたい。
あなたのアイデンティティは?と聞かれたら、私は農家(farmer)です、と答えたい。
牛や豚に囲まれて、野菜を作り、生きていきたいんです。

― どうして暴力をやめろと言わないのか。

会場の私たちに真っ直ぐに向けられた強い眼差し。

後日、通訳の友人から、ファドツァイ・ミュパルツァさんが、講演が始まる前に
このためにいろいろと原稿は用意したけれど、
私はその時に感じたことや頭に浮かんだ考えを話すから、
しっかり私の言うことを聞いてね、と念を押したと聞きました。

この日のことを思い出すたびに、
正義=justice という言葉が持つ意味を考えます。

アムネスティインターナショナルの全国スピーキングツアー
2年に1度開催されています。
次の2017年のツアーも、ぜひ足を運びたいと思います。

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