栄養不良の二重負荷 Double Burden of Malnutrition

2015 / 10 / 23 | 執筆者:Yukiko Mizuno

bentoDouble Burden of Malnutritionは最近、資料を読んでいて目に留まった言葉です。

国連食糧農業機関(FAO)が2006年に発表した文書では、
栄養不良の二重負荷を以下のように定義しています。

The double burden of malnutrition refers to the dual burden of
under- and overnutrition occurring simultaneously within a population

栄養不良の二重負荷とは、ある集団内で、低栄養と過剰栄養が
同時に起こることである。

Malnutritionは「栄養不足」と訳されることもありますが、
ここでは栄養が良好でない(多すぎる、少なすぎる)状態を表しています。

世界銀行の報告書によれば「栄養不良の二重負荷」の概念が
初めて国際的な場で議論されたのは、1992年にFAOと世界保健機関(WHO)が
共催した国際栄養会議(International Conference on Nutrition)です。
時を経て、この問題はますます深刻化しているようです。

開発途上国では、昔は都市部の富裕層の過剰栄養、農村部の貧困層の低栄養という
構図だったのですが、最近では加工食品が農村部でも手に入りやすくなったため、
農村部でも過剰栄養の問題が見られるようになってきています。
WHOによれば肥満は世界で過去30年に倍増しましたが、
低所得国・中所得国では20年で3倍になっているそうです。

日本の政府や民間団体は、様々な開発途上国の栄養改善の支援を行っています。
最近は、官民共同の「栄養改善事業支援プラットフォーム」設立の準備が
進んでいます。これは2013年に英国政府が主導して作成した
Global Nutrition for Growth Compactに関連する活動です。

栄養不良の二重負荷は、生活スタイルの変化、経済状況や食環境の変化、
社会・文化的な環境の変化など、さまざまな要因によって起こる複雑な問題です。
簡単な解決策はないかもしれませんが、各国やNGOなどの取り組みによって
少しずつでも改善していけるといいと思います。

Photo by blair_25

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