森林整備にまつわる英語:「間伐」と「萌芽更新」

2015 / 8 / 25 | 執筆者:Masako Maeda

coppicing

前々回のブログで取り上げた「里山」とのつながりで、
今回は森林の整備手法に関する用語をご紹介します。

古くから日本の里山は、「間伐」と「萌芽更新」を繰り返すことで
維持されてきました。

「間伐」は、樹木の生育を促すために密生した森林を伐採して間引く作業です。
間伐によって森の中まで光と風が通るようになり、
他の樹木が成長するスペースが生まれます。
林業では木材の経済価値を高めることを目的として行われますが、
住宅地と隣接する「市民の森」などの雑木林を
明るく開放的な空間に保つためにも必要な作業です。

「萌芽更新」とは、伐採した木の切り株からの芽生えを促し、
新しい木を育てることを言います。
植林の手間が省けるだけでなく、切り株から伸びた芽は
苗から育てるより成長が早いといいます。
ひとつの根株から数本の幹が出ている木をときどき見かけますが、
あれは切り株から萌芽更新したものです。

さて、この「間伐」と「萌芽更新」。
英語ではそれぞれ、thinning と coppicing と言います。

thin (v.) は「薄くする」、「間引く」を意味するシンプルな動詞で、
「間伐」= thin the forest です。
また、「選び取る」、「不要なものを取り除く」を意味する動詞を用いて、
cull trees、prune trees のように表現することもできます。

coppice は、名詞では「雑木林」の意。
動詞では、樹木の成長を促すため定期的に木を根本で刈り込むことを意味します。
thin に比べるとあまり一般的な言葉ではないので、
下の例のように必要に応じて言葉を補うと伝わりやすくなります。

「萌芽更新」=
– Growing new trees from stumps―a method called coppicing
– Harnessing the regenerative capacity of trees through a trimming method called coppicing

枯れているかのような切り株に小さな「ひこばえ(shoots)」を見つけると、
ほっこりと幸せな気持ちになるとともに、その生命力の強さに感動します。

目をかけ、手を入れ、整えることで促される成長。
thinning と coppicing には労力と長い時間を要しますが、
継続することで森林は健全さを保ち、人間はその恵みを享受してきました。

最近では、わずかに残された身近な雑木林も、
残念ながら宅地などに姿を変えてしまうことが多くなりました。
日本各地に残るひとつでも多くの里山が、
これからも thinning と coppicing によって守られ、
育まれていくことを願ってやみません。

Photo by coniferconifer

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