生物文化多様性 = biocultural diversity(その2)伝統工芸

2015 / 8 / 7 | 執筆者:Futakuchi Kazuko

kaga yuzen

生物多様性と文化多様性のキーワードの2つめは、伝統工芸です。

石川県には、江戸時代、つまり加賀藩の時代から伝わる
漆芸や陶芸、象嵌や加賀友禅などの伝統工芸がありますが、
まさか生物多様性に関するシンポジウムで、その話が出てくるとは思いませんでした。

改めて生物多様性と伝統工芸の関連性と相乗効果を見てみると、
1. 自然から得た材料で作られている。
→ その土地の自然がはぐくむ資源を大切にする。
2. 自然から得た材料を生かす技術で成り立っている。
→ 材料があってこそ技術の伝承が可能になる。
3. デザイン(意匠)に自然を描写したものが多い。
→ 自然の豊かさと美しさ=精神性への尊重の心が養われる。
といった点が挙げられます。

冒頭の写真は、加賀友禅の着物です。
写真の右下角の菊の葉をよく見ると、ちょっと枯れたようになっていますね。
これは加賀友禅に特徴的な表現で、
あえて朽ちた病葉(わくらば)を描き込んでいます。

咲き誇る花も、枯れていく葉もあるがままに描写する。
デザインにリズムが生まれる心惹かれる演出でもあります。

生物多様性の保全と言うと、非常に難しいことのように思われがちですが
美しい、心地よいと思うものを大切にするシンプルな心の動きこそ、
生き物を含めた自然を大切にする行動に直接つながり、
さらに複雑な問題の解決につながるのかもしれません。

(つづく)

金沢の伝統工芸
http://www4.city.kanazawa.lg.jp/11001/souzoutoshi/teshigoto/index.html
金沢市・クラフト創造都市ウェブサイトより

Photo by Kazuko Futakuchi

このエントリーをはてなブックマークに追加

翻訳トレーニング講座 受講者募集中!

あと少しでお仕事ができるという方の成長をサポートする翻訳講座「サステナビリティ翻訳トレーニング」。実際にご依頼いただくことの多い報告書や資料に類似する内容を課題とし、「環境・サステナビリティの分野の翻訳で活躍したい」方々のレベルアップにプロ翻訳者でもある講師が伴走します。
(2017年11月開講コースは受付を終了しました。2017/11/01)

言葉にまつわるエトセトラを募集中!

この単語の訳にいつも頭を悩ませる……よりよい英語表現が知りたい……
このブログで取り上げてほしいワードがあればこちらよりご連絡ください。

お名前
メールアドレス
取り上げてほしいワードなど

* 内容についてお問い合わせをする場合があります
* すべてへのお答えをお約束するものではありません
* CSR、サステナビリティ分野の内容を優先します

プライバシーポリシーに同意する