Invasive alien species = 侵略的な外来種

2015 / 7 / 7 | 執筆者:Yukiko Mizuno

dandilion
公園や道ばたで見るさまざまな野草。
植物図鑑を見ると、原産地が日本ではない植物が多いことに驚かされます。
ヒメオドリコソウはヨーロッパ、
ハルジオンやヒメジョオンは北アメリカが原産です。
タンポポも在来のもののほかに、外来のセイヨウタンポポが広く分布しています。
セイヨウタンポポは「日本の侵略的な外来種ワースト100」に数えられます。

「侵略的な外来種(invasive alien species)」は、
人間によって自然分布域の外に移動させられた動物、植物その他の生物で、
移動先で定着して広まり、その土地の生態系や種などに
負の影響を及ぼすとされるものです。

国際自然保護連合(IUCN)によれば、侵略的な外来種は、
種の絶滅をもたらす要因として、生態系の破壊に次いで重要です。
生物多様性の愛知目標では「侵略的な外来種が制御され、根絶される」ことが、
20の個別目標の1つに挙げられています。

日本の侵略的な外来種としては、例えば魚のブラックバス、
沖縄本島などで見られるマングースなどが有名です。

日本原産で、海外で侵略的な外来種になっているものもあります。
例えばクズは、19世紀に日本から米国に持ち込まれました。
当初は観賞用に使われ、一時は土壌流出を防ぐために
積極的に植えられていたのですが、強い繁殖力のため分布が広がり、
今ではIUCNの選定する「世界の侵略的な外来種ワースト100」に
入っています。

こうした生物のことを考えるときに思うのは、
「人間によって移動させられた」ために悪者になってしまったということ。
自然分布域では生態系の一員に過ぎないのに、
移動先では「侵入者」となって生態系のバランスを崩してしまうのです。
いったん移動先に根付いてしまった外来種を駆除することは容易ではありません。

こうした問題を引き起こさないために、環境省では
「入れない・捨てない・拡げない」という予防三原則を呼びかけています。

世界各地の多様な生態系を次世代に残していくために、
不幸な「侵入者」をこれ以上増やさないよう、またその被害が広がらないよう、
国際的な取り組みが進むことを願います。

Photo by Alex Graves

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