Disaster Risk Reduction (DRR) = 防災(その2)

2015 / 5 / 15 | 執筆者:Yukiko Mizuno

最近、世界銀行が2012年に出版した
防災関連の報告書(英語版日本語版)を読む機会がありました。
その中に東日本大震災から得られた教訓についてのコラムがあり、
以下のようなことが書かれていました。

・どれだけの備えをしていようとも大規模災害から完全に逃れられる国はない。
・日本が防災に重点的に取り組んでいなければ、
 この災害による影響ははるかにひどいものとなっていたであろう。

この指摘とともに、二つの言葉が頭に残りました。
Preparedness Resliience です。

Preparednessは、いつ起こるかわからない災害に対する「備え」「事前準備」。
Resilienceは「回復力」「しなやかさ」という意味で、
災害が起きた場合にこれに耐え、適応し、災害から回復する「強さ」を表します。
国際連合国際防災戦略事務局(UNISDR)では、この二つの言葉を
以下のように定義しています。

Preparedness
The knowledge and capacities developed by governments, professional response and recovery organizations, communities and individuals to effectively anticipate, respond to, and recover from, the impacts of likely, imminent or current hazard events or conditions.

Resilience
The ability of a system, community or society exposed to hazards to resist, absorb, accommodate to and recover from the effects of a hazard in a timely and efficient manner, including through the preservation and restoration of its essential basic structures and functions.

災害の発生する前と後という違いはあるものの、
さまざまな主体(政府、専門機関、社会、地域、個人など)が
災害を乗り越えるために備える能力(ability, capacity)という点では、
共通するところがあります。
この「能力」というのはとても幅の広い概念で、
世銀報告書ではcapacity(能力)を「決められた目標を達成するために、
ある個人、コミュニティ、社会もしくは組織が利用可能な
すべての長所、特性、資源の総体」と定義しています。

これらの定義を読んで、大事なのは
「利用可能(can be used)」ということではないか、と思いました。
災害に限りませんが、必要となったときに実際に使える、しっかりと機能する、
役に立つものでなければ、本当の意味での「能力」とは言えません。

誰も大規模災害から「完全に逃れる」ことはできないのかもしれないけれども、
備えがあれば、少しでも影響を減らすことはできる。
大切なことは、一人一人が、地域が、社会が、
減災を目標とする「能力」をつけていくことなのではないか。
報告書を読んで、そんな思いを新たにしました。

Photo by Department of Foreign Affairs and Trade

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