「型」に、はまらない

2015 / 3 / 23 | 執筆者:Yukiko Mizuno

glass mold日英翻訳をしていると、原文の特定の表現が気になることがあります。「~型」という表現もその一つ。環境やサステナビリティ関連の文書にもよく出てきます。例えば、こんな表現です。

環境配慮設備
体験学習プログラム
実践研修
技術指向企業 …

こういう「型」に遭遇すると、-style、-typeという言葉を使いたくなりますが…ここで一考。

明確な「形式」や特徴のある「形態」を、「型」という言葉で表している場合には、-styleや
-typeがしっくりきます。

(例)
クラウド型の○○システム cloud-type XX system
ハンモック型のイス hammock-style seat

一方で、「型」という表現は、もう少しあいまいに「こういう特質のあるもの」という意味で使われることも多いように思います。例えば環境配慮型設備、環境配慮型社会、環境配慮型工場という場合の、環境配慮「型」。これは明確な形式や形態があるわけではなく、「環境に配慮したもの」という意味でよく用いられる表現です。こういうときは「型」という言葉にこだわらずにその特質を表現すると、自然な感じになります。

(例)
環境配慮型設備 environmentally friendly equipment
体験型学習プログラム experience based study program
実践型研修 practical training
技術指向型企業 technology-oriented enterprises

原文の一つ一つの言葉を置き換えようとすると、全体として不自然な訳語や訳文になってしまうこともあります。逆に、原文と同じ「型」でなくても、原文の意図をきちんと伝えることもできます。

翻訳者は、訳出や見直しの際に「原文から離れていないか? 誤訳になっていないか?」という点に細心の注意を払います。こうした大事な意識に、もう一つ、「原文の『型』にとらわれていないか?」という視点を加えると、自然な表現の幅が広がっていくと思います。

Photo by Elena Paschinger

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