regime shift = レジームシフト

2015 / 1 / 19 | 執筆者:二口 芳彗子 Kazuko Futakuchi


Photo by Jon Cornforth

2014年10月6日に、地球規模生物多様性概況第4版(Global Biodiversity Outlook 4)が公表されました。2010年の第3版以来、4年ぶりの刊行です。2020年の短期目標(ミッション)の達成に向けて、各国から寄せられた国別報告書に基づいてちょうど中間点の年に地球の生態系の現状を再検討する内容です。第3版の日本語版制作で、日本語訳を弊社で担当しましたので、注目していました。

その第三部まとめの135ページで、第3版にはなかった用語「 regime shift = レジームシフト」と言う用語があり、調べたところ、水産海洋学会『水産海洋研究77号』の中で、1983年に当時東北大学の川崎健博士が指摘し、1987年にメキシコで開催された第1回Regime Problem Workshopで多くの水産資源学者の賛同を得て、川崎博士が「レジームシフトの父」と呼ばれたとあります。また、「レジームシフトという言葉が「大気・海洋・海洋生態系から構成される地球表層システムの基本構造(レジーム)が数十年間隔で転換(シフト)すること」として広辞苑に掲載されたのは2008年である」と述べられています。

regime は、もともとはフランス語で、「政体、体制、政権、制度」を表す言葉です。世界史のフランス革命の授業で習ったアンシャンレジーム(the ancien régime)を思い出します。その他の意味として「《気候・自然現象などの》 (一定の)型; 《河川における》水量の状況(リーダーズ英和辞典第2版より引用)とあります。

また、regime shift は、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第2作業部会の第5次評価報告書で、61回も使われていました。環境や気候変動の文脈での頻出用語として、すでに定着しているようです。「レジームシフト」、概念も含めて、覚えておきたい環境用語です。

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