grievance mechanism=苦情処理メカニズム

2013 / 10 / 8 | 執筆者:Futakuchi Kazuko

GRIガイドライン第4版(G4)の日本語版の制作が進んでいる中、弊社では、G4で使われている重要用語について、研究を進めています。G4で新たに増えているキーワードの1つに「grievance mechanism」があり、今回はこちらについて考えてみたいと思います。

英英辞典でgrievanceを調べると、a belief that you have been treated unfairly, or an unfair situation or event that affects and upsets you とあり、日本語で言えば「不当な扱いを受けたと言う思い、あるいは自分に影響を与えたり自分を動揺させるような状況や出来事」となります。

また用例として、
file a grievance [American English] (=officially complain)
settle a grievance (=solve one)
grievance procedure (=a system for dealing with employees’ grievances)
が挙げられており、もともとは従業員が(おそらく労働条件について)不平を申し立てる場面で使われていたと推察します。”discipline and grievance(懲戒および苦情)”といった使用例が多く見られ、労使関係において互いの不正を訴える文脈の中で使われています。

しかし、grievanceは分解すると、grieve(嘆き悲しむ)+-ance(名詞を作る接尾語)となり、単に苦情と訳すのは違和感が残り、「苦情・申し立て・訴え」といった訳語も考えられます。しかしながら、簡潔に訳すとなると「苦情」が妥当と考えます。

もう一つの単語mechanismですが、単に手順procedureとせずにメカニズムとしたのは、どのような苦情を受けたかだけではなく、どのように対処し、それ以降の事業や経営にどのように反映していくのか。その点までを網羅しているように思えます。訳語としては「メカニズム」の他に「しくみ/仕組み」も考えられます。

「苦情申し立ての仕組み」「苦情処理メカニズム」と訳されている例もあり、G4の日本語訳がどのような訳を選択するのか、注目します。

企業や団体がこのgrievance mechanismをどのように構築していくか。それについての考察はこちらのブログをご覧ください。

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