母の日レポート2012 ― 指標と数値の力

2012 / 5 / 12 | 執筆者:EcoNetworks
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Photo by Eddie~S

「すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指すセーブ・ザ・チルドレンが5月8日に出した「母の日レポート2012 (State of the World’s Mothers 2012)」で、保健、栄養、教育、政策決定への参加など、世界165か国の母親を取り巻く状況を総合的に考察し、順位付けした「母親指標 (Mother’s Index)」を発表しました。レポートの内容については、末尾のセーブ・ザ・チルドレンのリリースを見ていただくとして、今日は別の側面に注目してみます。

このレポートの考察とランキングは、具体的には、下記の内容の女性指標と子ども指標をベースとしています。
【女性指標】
産婦死亡のリスク/現代的な避妊手法の使用/訓練を受けた医療従事者の立会いのもとでの出産/女性の平均余命/女性の正規教育期間/男女間の給与所得の比率/産休・育休制度/女性の国政レベルでの参加率
【子ども指標】
5歳未満の子どもの死亡率/5歳未満の子どもの栄養不良率/就学前教育就学率/初等教育就学率/初等教育就学の男女比/中等教育就学率/安全な水の利用率

このレポートが優れていると思う点が2つあり、ひとつは、指標が「母親」像をとらえるうえで、重要な分野を的確に網羅していることです。
女性指標が網羅している分野は、保健、教育、社会・制度、経済、政策決定への参加、
子ども指標は、保健、栄養・水、経済、社会・制度、教育です。
ありとあらゆる指標をテーブルに出し、分野が類似しているものをグループ化し、そのグループから最も重要と思われるいくつかを選んでいることが伺えます。

もうひとつは、伝えるうえで、明確かつシンプル、印象にも残りやすい数値をうまく使っている点です。例えばセーブ・ザ・チルドレンが提唱する栄養対応策について、

「初めての1000日(The First 1,000 Days)」
子どもの未来、そして国家の未来の大きな部分は、母親の妊娠期から子どもが 2 歳の誕生日を迎えるまでの「初めの 1000 日」に摂取する栄養の質により決定される。
「生命を助ける 6 つの方策 (Lifesaving Six)」
①鉄・葉酸の摂取、②ビタミン A の摂取、③亜鉛の摂取、④生後 6 か月間の完全母乳、⑤6-23 ヶ月期の補完栄養食の摂取、⑥石鹸による手洗いや安全な水の使用
子ども1人当たり20ドルで、上記の6つの方策実施が可能。
そうすれば、新たに200万人以上の母親と子どもの命を守ることができる。

と書かれています。

全体像をとらえるための有効な手法と、具体的なアクションに結びつけるための手法がとりいれられた、優れたレポートです。

セーブ・ザ・チルドレン リリース:「お母さんにやさしい国ランキング」発表、1位はノルウェー、最下位はニジェール(2012.5.8)
こちらではレポート全文(英語)と要旨(日本語)を見ることができます。翻訳の勉強にもなる資料ですので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

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