言葉遊び~英語での効果と翻訳

create
Photo by derrickcollins

先日新聞で、アンジェラ・ダックワースの世界的ベストセラー
『GRIT: The Power of Passion and Perseverance』の
一面広告を見かけました。
邦訳の題名『やり抜く力』も見事な訳ですが、
オリジナルの副題がいわゆる語呂合せになっています。

Power(力)、Passion(情熱、熱意)、Perseverance(忍耐)と
Pで始まる3つの単語(3Ps)で構成され、
Grit =「へこたれない根性、勇気、度胸、肝っ玉*」を
きちんと説明できています。

環境分野の翻訳でも、そのような機会があります。
例えば「発電、電力消費、給電」。通常は、

generate, use, and supply power

などのように訳出するのですが、

create, consume, and connect power

と、Cで始まる3つの単語(3Cs)を使って表現することができます。

一方で日本語で語呂合せが多く使われるのが、商品名やキャンペーンの名称。
残念ながら、翻訳してしまうと原語(日本語)の面白みが
なくなってしまう場合がほとんどです。

そのような場合は、商品などの本質的な特徴を表す言葉を使って訳出し、
お客さまのご要望があり、レイアウトのスペースが許せば、
日本語の発音とその説明を添えるようにしています。

使う言葉が変われば、遊びを取り入れるところも変えていく。
英語の言葉遊び3Ps、3Csは、見出しやリード文などで取り入れると、
ネイティブの読者に効果的です。

お客様とご相談しながらになりますが、
2017年も「伝わる」「響く」表現を目指します。

*: リーダーズ英和辞典第2版より引用

Share
カテゴリー: エネルギー, 社会, 英文表現 | コメントは受け付けていません。

低炭素社会から脱炭素社会へ

decarbonize
Photo by schruff

2016年11月に発効したパリ協定のもと、
世界では温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みが進んでいます。

今回は、地球温暖化や気候変動に関する文章で頻繁に見かける
carbon を使った様々な表現をご紹介し、
そこから見えてくる世界の動向を探ってみます。

まずは「温室効果ガス排出量」。

パリ協定本文では greenhouse gas emissions とされていますが、
同じような意味で carbon emissions と表現されることもあります。

地中にとどまっていた化石燃料を掘り起こし、
それをエネルギー源として使うことで、大気中に放出させるという、
人間の活動にともなう炭素の動きに焦点を当てています。

また、そのような活動による環境への影響を表す表現として、
carbon pollution や carbon footprint があります。

carbon pollution と聞けば、
石炭や石油が燃やされて、煙突からモクモクと煙が上がり、
大気が汚染されていく様子が目に浮かぶようです。

carbon footprint は、
日本語でもカタカナ表記で「カーボンフットプリント」と表現され、
個人や組織の活動による環境負荷全般を指します。
企業の環境報告などでは、
このcarbon footprint がCO2換算され数値として記載されることもあります。

一方で、上記のような影響を少しでも抑えようとする取り組みにも
carbon を使って表されるものがあります。

たとえば、carbon pricing。
炭素の排出量に価格をつけ、
その削減に経済的なインセンティブをつける動きで、
日本語では「カーボンプライシング」「炭素価格制度」と表現されます。

企業でも排出削減の様々な取り組みが行われています。

ユニリーバは2030年までに carbon positive を実現するという目標を掲げていますが、
その内容は、
「自社の使用量よりも多くの自然エネルギーの発電を支援」するというもので、
化石燃料に依存しない企業活動を目指すという方向性を明快に表しています。

ここに挙げたものを含め、
環境関連の文章で見られるcarbonを使った表現には、
比較的新しいものが多いように感じます。

気候変動や地球温暖化という結果ではなく、
まずはその原因である化石燃料に依存した私たちの暮らしに目を向けようという
社会の動きを反映して生まれた言葉だと考えられます。

気候変動による影響が世界の至るところで分かりやすい形で表れている今、
これまでのように low-carbon society (低炭素社会)を目指すのでは生ぬるく、
decarbonized/carbon-free society (脱炭素社会)に向けて
本気で取り組むべきときにきているのかもしれません。

(翻訳コーディネーター/翻訳者 山本 香)

Share
カテゴリー: エネルギー, サステナビリティ, 気候変動, 社会, 経済 | コメントは受け付けていません。

難題を機会に~embrace

sunrise
Photo by sam.romilly

昨年11月にスイスで開催された第5回「国連ビジネスと人権フォーラム」の
基調講演で、「ビジネスと人権に関する指導原則」(2011年に国連で承認)を
作成したジョン・ラギー教授が、この指導原則と持続可能な開発目標(SDGs)の
関係について述べています。

企業は「人権」に配慮する取り組みを進める努力をしなければならない。
単に「人権を害する慣行を改める」にとどまらず、積極的に貢献することが
必要だと、ラギー教授は強調しています。そして、世界的なバリューチェーンに
関わる労働者の人権に配慮する取り組みを企業が協力して進めていけば、
二つの「変化をもたらす(transformative)」効果が得られるだろうと指摘します。

一つは、労働者やその家族の状況が大幅に改善されること。
人々の暮らしがよくなり、国が発展するだけでなく、企業にとっては
消費者層が拡大するという利点につながります。

もう一つは、先進諸国で、大衆に迎合する勢力がグローバリゼーションを
脅かすものとして台頭しつつある中、その脅威への対処に役立つこと。
こうした勢力は、グローバリゼーションによって企業が他国に生産拠点を
移したために取り残された人々から支持を得ていますが、人権に配慮し、
人件費や労働規制などの面で世界的にもっと公平な競争の場を築くことができれば、
(こうした勢力の主張よりも)よい解決策になることは間違いない、というのです。

企業の積極的な取り組みを呼びかけるラギー教授の講演を読んで、
SDGsに関する別の資料で印象に残った embrace という表現が
頭に浮かびました。embrace には機会などを捉える、喜んで応ずる、
という意味があり、難題を「機会と捉えて受け入れる」という前向きな姿勢を
表す場合にも用いられます。

課題や危機をむしろ飛躍のチャンスだと考えて積極的に取り組む姿勢。
これからの時代にサステナビリティを追求していく上で、
重要なスタンスだと思います。

国際社会が大きく動き出しているのが感じられる中で、新しい年が始まりました。
個人や企業がそれぞれに、こうした姿勢で難題に立ち向かい、前進していく
1年であってほしいと願います。

Share
カテゴリー: SDG, サステナビリティ, 人権, 社会, 経済 | コメントは受け付けていません。

「ハードからソフトまで」 ~カタカナ語は気をつけて

sendai framework

カタカナ語として定着している言葉には、そのまま英語に戻しても
意味が伝わりにくいものがあります。
「ハード」と「ソフト」もそんな言葉の仲間です。

例えば、コンピュータのハードウェアとソフトウェアを、日本語では
ハード、ソフトと言いますが、英語では略せずにhardware、softwareと言います。

防災などの国際協力の分野でも、ハード面での支援、ソフト面での支援という形で
この二つの言葉はよく使われます。一般的に、ハードは機材や施設の支援を指し、
ソフトは教育訓練や技術指導、法律や制度の整備などの協力を指します。
こうした場合のハード、ソフトの英語表現には、以下のような例があります。

structural and non-structural measures
構造物対策(ハード施策)及び非構造物対策(ソフト施策)

(出所:仙台防災枠組 2015-2030(英文仮訳))

ほかに、ハード、ソフトという表現にこだわらず、具体的な支援内容を記載する
(例えばソフトという代わりに、technical assistance servicesと表す)場合も
あるようです。

——*——-*——-*——-*——-*——-*——-*——-

さて、環境・エネルギー分野の翻訳では、どちらかというと堅めの文章を扱うことが
多いのですが、一般の読者を想定した、柔らかい文書と向き合うこともあります。
これもハード系とソフト系、と言えるかもしれません。
原文に合った語彙や文体を駆使できるよう、言葉の引き出しを
増やしていくことが大切だと感じています。

先日、海外の友人が旧友との再会に際して、こんな表現を使っていました。
“We both can talk the legs off an iron chair!”
その後の文脈で想像はついたのですが、念のため調べてみると
オーストラリアのスラングで、長話をするという意味のようです。
何時間でも話せる、話は尽きない、という感じでしょうか。
いつどこで役に立つか分かりませんが、こんな会話の中の一言にも
表現のヒントは隠れています。

今年もあと数週間。年末年始は、頭を柔らかくして、
新しい言葉や知識を吸収する時間も持ちたいと思います。

Share
カテゴリー: 社会, 英文表現 | コメントは受け付けていません。

文章にリズムとウィットを

noteネイティブ翻訳者の英訳を見ていると、時々ハッとする表現に出会います。
韻を踏んでいたり、掛け言葉を使っていたり、
機転の利いた言葉遣いにうなる瞬間が度々あります。

最近ではこんな例がありました。

(1) Wearing our integrity on our sleeve
「誠実さを身にまとう」

見出しに用いた表現で、“wear ~ on one’s sleeve”は
「~をはっきりと前面に出す」ことを意味する慣用句です。
“wear one’s heart on one’s sleeve”なら「感情」を、
“wears one’s ethnicity on one’s sleeve”なら「民族性」を
包み隠さずに出すことを意味します。

コーポレートカラーを制服に使用している企業が、
自社の理念をイメージさせる色の制服を着用することで、
社員一人ひとりの自覚を促していることにふれた本文に掛けています。
制服として「着る」という事実と、理念を「前面に出す」という
両方の意味合いをうまく表現しています。

(2) Tourist numbers dwindled and the population thinned.
「観光客は減り、過疎化も進んでいた」

“dwindle”と”thin”という2つの動詞がリズムを生んでいます。
「減少」は、”decrease”や”decline”としてしまいがちですが、
動詞の選択から、語彙の深さとそれを使いこなす表現力の豊かさを感じます。

(3) employee health and long-term corporate health
「社員の健康と企業の発展」

健康機器メーカーの記事で使用した表現です。
文脈から切り離してお伝えするのは難しいのですが、
企業の「発展」を”growth”ではなく”health”とするセンスは、
直訳の発想からはなかなか生まれません。

リズミカルでウィットに富んだ文章は、
文章の流れをスムーズにし、読者を退屈させません。
ストーリー性のある文章の翻訳ではもちろんのこと、
単調になりがちな報告書などの翻訳でもうまく取り入れたいものです。

Photo by nicole danielson

Share
カテゴリー: ことばのエネルギー, 環境英語 翻訳TIPS, 英文表現 | コメントは受け付けていません。

wellness と well-being ~ネスレの報告書から

Nesle よく似た言葉が同じ資料の中に現れる場合、 翻訳では訳し分ける必要があります。

ネスレの報告書「Creating Shared Value and meeting our commitment 2015 」を読んでいて気になったのが、wellness と well-being。
直訳は、「よいこと」と「よい在り方」といったところでしょうか。
今回は、報告書の日本語版とも照らしあわせながら、
この2つのキーワードと関連する用語について、まとめてみました。

共通価値の創造と2015年の私たちのコミットメント」の農村開発の枠組みのセクションで、
well-beingは
心身ともに健康で幸せな状態(ウェルビーイング)
説明+カタカナのスタイルで訳されています。

また、自社を「栄養・健康・ウェルネス分野のリーディング企業」と位置づけ、
wellness をそのままカタカナでウェルネスと表記しています。
健康とウェルネスをひと続きのフレーズで表現するため、
後者をカタカナ表記にして、日本語のキャッチコピーにふさわしくまとめています。

栄養と健康の領域で事業活動を行い、ウェルネスを実現する、というメッセージが
感じられます。

well-being は、Longman Dictionary of Contemporary Englishで、
a feeling of being comfortable, healthy, and happy とあり、
wellness と重なる部分もありながら、 「心」の側面が強いようです。
上記の日本語版の訳はこの定義に沿っていますね。

wellness は、Oxford Advanced Learner’s Dictionary
the state of being healthyとあり、
good health の類義語に含まれています。
つまり、「身体が健やかであること」です。

日本語の「健康」は、体調そのものだけでなく、健やかであることにも使われるので
翻訳では、health を「体調」 「健康」と訳し分ける必要が出てくる場合もあります。

この2つのキーワードが関わる事業分野として「介護」と「医療」があります。
ネスレの報告書に出てくる関連用語をマインドマップでまとめてみました。
(クリックすると大きく表示されます)
well-being

この2つのキーワードと関連する用語は他にもありそう。
このマインドマップをさらに充実させていきたいと考えています。

Share
カテゴリー: サステナビリティ, 人権, 社会, 英文表現, 貧困・社会格差 | タグ: , | コメントは受け付けていません。

communityの一員であるとは

communityPhoto by Kamaljith K V

文脈を問わず広く使われる community という英語。
「コミュニティ」という表記で日本語としても定着しています。
今回はこの community について改めて考えてみます。

英英辞典での主な定義は、
a group of people who live in the same area (such as a city, town, or neighborhood)
(Merriam-Websterより引用)

この定義から真っ先に頭に浮かんだのが「家族」。
多くの人にとって一番小さい単位の community と言えそうです。

もう少し大きな単位では「地域社会」があります。
「町内会」や「ご近所さん」と言い換えれば、よりなじみ深いかもしれません。

英語ではlocal communityと表現されることが多いですが、
文脈によっては fishing community(漁村)や rural community(農村)として、
より具体的に定義づけすることもできます。

また、あまりなじみはないかもしれませんが、以下の定義もあります。
a group of interdependent plants and animals inhabiting the same region and interacting with each other through food and other relationships
(Collins English Dictionaryより引用)

生態学に関する文章で用いられ、日本語では「群生地」「群落」「群集」と訳されます。

“食う・食われる”の関係を含め、
さまざまな影響を及ぼし合って生活している植物や動物の集まりを意味します。

このようにいろいろな例を具体的に思い浮かべてみると、
単なる区分やグループ分けという以上の意味合いがあることが見えてきます。

人間同士のみならず、動植物の間であっても、
互いの存在を必要としながら一つの場所に生きているというのが community なのです。

最後に、私たち全員が属しているのが international community「国際社会」です。

「家族」や「地域社会」のように身近に感じることは難しいかもしれませんが、
お互いに関与し合って暮らし、同じ地球上に生きているという点で、
紛れもなく community です。

より良い community にするためには、
規模の大小に関係なく、
自分の行動が他のメンバーに与える影響を想像しながら生活することが大切です。

いろいろな community に触れ、
私自身もその一員であることを忘れずにいようと改めて思いました。

(翻訳コーディネーター/翻訳者 山本 香)

Share
カテゴリー: 生態系, 生物多様性, 社会, 英文表現 | コメントは受け付けていません。

Share ~母語の重要性

sharingPhoto by Hoffnungsschimmer

Facebookでほかの人にもぜひ知らせたい記事があるとクリックする「シェアする」。
その他にも、登録会員で特定の自動車を共同使用するサービスやシステムは
「カーシェアリング」、部屋を友人と共同で使うことを「ルームシェア」と呼ぶなど、
私たちの日常で「シェア」が頻繁に使われるようになりました。
しかし、実は意味合いがそれぞれ少しずつ違っています。

例えば、Facebookの「share」は、「~について話す、伝える」。
Let me share this news with you.
(このニュースをあなたにもお知らせしますね。)
のように表現します。

「カーシェアリング」「ルームシェア」は、
「共有する、あるいは共同で使う」 。
「共有する」は「二人以上が一つの物を共同して所有すること」。*1

一方、食べ物の場合は、「分ける、分け合う、分かち合う」 。*2
share sth with sb ものを人と分け合う
・He shared out the pie to everyone. パイをみんなに分けた。

車や部屋を物理的に分割することができないのに対し、
食べ物はできるので、日本語の表現もそれに応じて使い分けます。

翻訳の最終チェックでは、英語の辞書と同じくらい日本語の辞書を引きます。
英日の場合は、英語のニュアンスをしっかりと表現できているか。
日英の場合は、日本語原文のニュアンスをしっかりと把握できているか。

多言語を使いこなすために、母語を正確に理解し、
多彩なボキャブラリーを持つことが重要であり、必要と感じています。

注1 広辞苑第2版より
注2 リーダーズ英和辞典第2版より

Share
カテゴリー: サステナビリティ, 社会, 英文表現 | コメントは受け付けていません。

いろいろな顔を持つ単語たち

hellowinPhoto by Wiggle Butts Pet Photography

単語にはさまざまな顔(意味)があります。
見慣れた単語でも、専門性の高い文章では独特な意味を持つことも少なくありません。
例えば、

(1)sample
ビジネス系の文章では「試供品」、「サンプル」、「例」などの訳語が候補にあがります。
医学系の文章では「検体」、「試料」、「標本」などを意味することが多いです。

(2)control(名詞)
監督、管理、規制など、意味の幅が広くて悩ましい単語です。
科学系の文章(特に実験など)でこの言葉が出てきたら、まず考えられるのは
「対照」(参考)。「制御」、「調節」などを意味することもあります。

(3)significant
「重大な」「かなり大きい」などの意味を持つ言葉です。科学系の文章では
(statistically) significant という形で「(統計的に)有意な」という使われ方をします。

専門的な言葉が別の分野で使われる場合にも、訳語の選択に注意が必要です。
例えば、海外のNGOなどの文章で catalyst という言葉を目にします。

catalyst の元の意味は「触媒」。化学反応に際し、反応物質以外のもので、
それ自身は化学変化をうけず、しかも反応速度を変化させる物質を指します(広辞苑)。
比喩的には、触媒のような働きをする(変化をもたらしたり、促進したり、
何かを引き起こす)人やものを指すときに用いられます。

(例)
The project served as a catalyst for new local initiatives.
このプロジェクトは、地域の新たな取り組みのきっかけとなった。
We act as a catalyst, connecting different groups and organizations to bring change.
私たちは、さまざまな団体や組織を引き合わせ、変革が起きるのを促進する役割を担います。

(促進剤、起爆剤などの訳語がしっくりくる場合もあります。)

原文に出てくる単語の顔(意味)を見まちがえないようにするにはどうするか。
改めて考えてみると、月並みですが大事な作業に行き着きました。

  • 同じ分野、似た内容の文章を読んで、単語や表現の引き出しを増やす
  • 訳出後に、訳文だけを読者の視線で読んでみる(文脈にそぐわない訳語は、何となく居心地が悪そうな感じで目に付くものです)

いずれも地道な作業ですが、正確で読みやすい訳文にするために
大切なことだと思います。

Share
カテゴリー: 今日の環境用語, 英文表現 | コメントは受け付けていません。

「頻度のヒント」で業界用語を把握

wordfreq
新しい分野や業界のお仕事に取り組むとき、
エコネットワークスでは「用語分析」を行っています。
その分野や業界で使われている用語を把握し、
翻訳作業に活かすのです。

使用するのは、「頻度のヒン ト」というWordのアドインツール。

初めに、クライアントおよび同業他社・組織などの
過去の報告書をいくつかピックアップします。
PDF文書は、テキストのみ抽出してWordに貼り付けます。
このWordファイルを「頻度のヒント」で分析にかけます。

「頻度のヒント」で分析すると、
Wordに含まれる語句の使用頻度が表示されます。
この結果をExcelに貼り付け、頻度順に並べて
複数の文書を比較分析します。

この作業を行うことで、
特定の分野や業界に特有の用語をキャッチできます。
また、ある企業や組織が好んで使用している語句も把握できます。

たとえば、過去に行ったアパレル業界と食品業界の分析では、
次のような結果が得られました。

社名やWe、company、groupなど主語として使われる言葉や
societyやenvironmentといったCSRのキーワードに混じり、
業界の特徴や課題となっている事柄を示唆する用語が
頻度の上位にあがりました。

<使用頻度が上位の用語の例>
〇アパレル業界(4社のCSRレポートを分析)
factories, workers, Bangladesh, monitoring, supply chain, child labor,
wages, suppliers, water, value chain, cotton, ethical, recycled

〇食品業界(4社のCSRレポートを分析)
food, health, people, packaging, safety, nutrition, waste, water,
product, quality, farmers, children, agriculture, sanitation

分析結果はExcelにまとめ、翻訳者とも共有します。
また、クライアントのご要望をふまえながら訳文を確定していく際に、
ご提案材料として参照することもあります。
定期的に実行すれば、用語のトレンドが見えてくるかもしれません。

用語のおおまかな傾向をつかむ有効なツールとして、
今後もうまく活用していきたいと思います。

Photo by Jonathan Assink

Share
カテゴリー: 環境英語 翻訳TIPS, 英文表現 | コメントは受け付けていません。