/ フォトグラファー、リサーチャー、翻訳者

佐原理枝さん Rie Sawara-Cermann

ドイツ・ベルリンに2009年から住み、フォトグラファー、リサーチャー、翻訳家として幅広く活躍中の佐原さん。オフタイムはミミズのコンポストを作ったり、公園でお子さんと木登りをしたり、身近な自然を満喫しています。

「トライ&エラー」を大切に、ベルリン生活を満喫!

-TSAパートナーになったきっかけは?エコネットワークスでは、どんなお仕事をしているのですか?

持続可能性に特化した翻訳エージェンシーを探しているときに、偶然サイトを見つけたのがエコネットワークスとの最初の出会いです。オープンで実験的で、個を大事にする気風に魅せられ、ぜひ参加したいと思いました。今は、不定期でリサーチの仕事をしています。ドイツの難民支援についてコラム記事を書いたこともあります。

―普段はどんなお仕事をしているのですか?

写真撮影と、英日/独日翻訳です。撮影は、ベルリンのお店の取材やインタビュー記事、PR用の撮影を、翻訳は企業ウェブサイトの日本語訳のほか、サステナビリティに関する論文やプレゼン資料、プレスリリースまで幅広く翻訳しています。月により撮影、翻訳の仕事の割合は変わります。

また、就学前の子どもがいるので夏休み中などはメインの仕事は「お母さん」です。「仕事ができない」と悩むこともありますが、子どもが大きくなるのはあっという間で、あと数年したら「ママ!」と来てくれない気がするので、今はお母さん業も思い切り楽しんでいます。

 

夏は湖に泳ぎに行きます。

夏は湖に泳ぎに行きます。

―どんなきっかけで、フォトグラファーになったのですか?

大学では国際関係学を専攻して環境NGOでインターンをしていました。調査物の出版とセミナー事業が中心でしたが、写真撮影を担当するうちに逆にそっちにのめりこんでしまいました。海外の撮影ワークショップやアートコースを受け、帰って来てから日本の撮影スタジオに入社しました。

仕事は順調だったのですが、一時期は事務所から5分の場所にマンションを借り、1日13時間働いていたことも。毎日アウトプットばかりでインプットがない日々に疑問を抱き、ひと段落ついた2009年に、いろんな写真を見てみたくて、ベルリンに来ました。そして気づいたら、7年たっていました(笑)。

―リサーチや翻訳の仕事を始めたきっかけは?

子どもが産まれて働き方を変えようと思い、在宅でできる翻訳の仕事を翻訳家の夫のもとで始めました。また、2011年は日本で東日本大震災が起き「もっと社会・環境問題に役立つ仕事をやりたい」と思うようになりました。これがNGOの仕事を離れて以来ずっと気になっていた、環境に関する仕事を再開するきっかけになりました。そうして出会ったのがエコネットワークスです。

リサーチはダイナミックな世界の変化にいつも触れることができます。自分でもアンテナを張って常に新しい情報をインプットするよう、心がけています。ドイツの自然エネルギー市場の最新情報のリサーチも、やりたいことの1つです。

―今住んでいる、ベルリンの魅力について教えてください。

ベルリンは子供をすごく大事にしてくれる町です。今5歳の娘がいるのですが小さい子供を連れてこの町を歩いていると、行き交う人が気にかけてくれます。

また、人々が地域づくりに高い関心を持っている点も、大きな魅力です。自分が良いと思ったらまずやってみる、だめなことは問題を提起して住民同士や市役所と話し合ってみる。良いことも悪いことも、みんなで話し合う姿勢があります。

ベルリンで面白いのが「思いついたらやってみよう!」という空気があること。例えば、町の所有している空き地を市民がベルリン市に交渉して、その場所で畑やカフェ、アーティストによるプロジェクトをやっていたりします。「やってみないとわからない」「言ってみないとわからない」という姿勢は、ベルリンで学んだ大切なことの1つです。

 

近所の午後 みんなのんびり。

近所の午後 みんなのんびり。

夏至頃 夜9時半まで明るい。

夏至頃 夜9時半まで明るい。

ーオフはどのようにして過ごしているのですか?

娘とゆっくり散歩をします。近所の公園でお気に入りの木を決めていて、そこでよく木登りをします。また、日光浴しながらコーヒーとおしゃべりを楽しむのも楽しみの1つです。ベルリンは海から離れているので、夏になると電車で湖に泳ぎに行きます。

自宅では、菌やミミズなど小さな生き物が好きで、よく観察しています。今はベランダで、みみずコンポストを作っていて、そのお手入れをし、ミミズの数を確認しています。ミミズコンポストは台所ゴミが2分の1に減ったほか、この土を使った植物の育ちが目に見えて違います!きのこ・麹の培養も好きで、小さな世界の観察を楽しんでいます。菌もミミズも見えないところでしっかり作用しているところにホレボレしてしまうんです。

コンポスト、80Lバケツ ミミズは森で捕獲

コンポスト、80Lバケツ ミミズは森で捕獲

コンポストでシソを育てています。連作障害なし!

コンポストでシソを育てています。連作障害なし!

きのこが好きで育ててみたのですが、培養が難しく挫折。

きのこが好きで育ててみたのですが、培養が難しく挫折。

近所の公園で発見。秋口はきのこの最盛期です。

近所の公園で発見。秋口はきのこの最盛期です。

―「サステナブルな働き方」をするために大切にしていることは?

自分の合格点を高くしすぎないことと、トライ&エラーを大事にしています。子どもが生まれてから、完璧を追及しすぎると立ち行かなくなってしまうこと、ある程度でやらないと進まないことが分かったので、良い意味でほどほどを心がけています。

また、深く考えても仕方ないので、とにかくやってみる「トライ&エラー」を心がけています。東京にいた頃はこの2つの考え方ができなくて、13時間働いていたので、今後も大切にしていきたいと思っています。

―今後の夢は?

今やっている仕事の専門性をさらに極めていきたいです。

リサーチャー、翻訳家としては、ドイツの進んだ自然エネルギーの現状を目の当たりにし、その動向を発信していきたいと強く感じたので、ドイツ在住という強みを活かして日独の自然エネルギープロジェクトに何らかの形で関わりたいです。将来的には、ドイツの職業訓練校で、自然エネルギーのプロジェクト・マネージメントも学んでみたいと思っています。

フォトグラファーとしては、サステナビリティ関係の動向を伝える仕事もしたいと思っています。写真はアイディアやメッセージを見た人に瞬時に理解させる役割を持っています。現地のソーシャルスタートアップの様子や、エネルギー転換中のドイツレポートを写真・動画撮影し日本へ紹介したいです。(取材日 2016/7/25)

経歴:
2009年よりドイツ在住。環境問題に関心を持つ子供時代を過ごす。大学卒業後、政策提言の環境NGOでリサーチアシスタントを勤める。写真撮影を担当するうちにのめりこみ、撮影スタジオへ入社。2009年まで雑誌や広告のカメラマンとして働く。出産を契機に翻訳の勉強をはじめ、持続的発展とマーケティング分野の翻訳をおこなっている。エネルギー転換にポジティブなドイツを目の当たりにし、再生エネルギー事業に興味をもっている。

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