/ 翻訳者、翻訳コーディネーター

山本香さん Kaori Yamamoto

翻訳者、翻訳コーディネーターとして活躍中の山本さんは、仕事、家事、子育てをしながらも、しっかり日本語や翻訳について勉強する時間を確保しています。仕事のやりがい、楽しさ、勉強時間を作るコツなどをお聞きしました。

もっともっと勉強を続け、仕事に活かしていきたい

-TSAパートナーになったきっかけは?

2014年の秋から、二口芳彗子さんが講師を務めていた環境・エネルギー問題に関する翻訳講座を半年間受講し、ENWのことを知りました。その後トライアルを受け合格し、2015年から翻訳の仕事を始めました。

-エコネットワークス(ENW)では、どんなお仕事をしているのですか?

最初は小さめのボリュームの翻訳の仕事をお引き受けしていたのですが、企業のCSRレポートの英語版作成プロジェクトで原稿の準備や英訳の訳文チェックもおこなうようになりました。2016年春ごろからは企業のCSRレポートやウェブサイト、プレスリリースの英語版作成のコーディネート業務を担当するようになりました。今は主にコーディネート業務をしています。

-コーディネート業務では、具体的にどんなことをしているのですか?

最初に英語版完成までのスケジュールを立て、チームメンバーの役割分担をおこないます。その後、メンバーの作業が始まった後は、あがってくる訳文のチェック、修正等をおこない、完成まで持っていきます。

ENWに入るまで、コーディネート業務の経験はありませんでしたが、翻訳が始まる前の段階から完成までしっかり見届けられる点に大きなやりがいを感じています。

また、プロジェクトを進めている間は、常に他のスタッフ(コーディネーターやプロジェクトリーダー)とやりとりをしながら1~2か月間を過ごすのですが「大変ですよね」「頑張ったよね」と励ましあえる仲間がいるのが良いなあ、と思っています。

-ENWの仕事は、住まいが離れたスタッフとのやりとりがほとんどだと思います。それでもお互いの気持ちの距離が近づいていくことは感じられますか?

はい。スカイプやチャット、メールでも、何度もやりとりを重ねていくと、相手がどんな風に毎日を過ごしているかが分かってきて、距離が縮まります。

 

自宅の仕事机。

-普段はどんなお仕事をしているのですか?

主に翻訳の仕事をしています。英訳3割、和訳7割という感じです。前職では自動車関係の英訳をメインでやっていたので、英訳はほぼ100%自動車関連の仕事をしています。

最近はENWの仕事を通じて環境やサステナビリティに興味を持つようになり、エージェントさんに伝えていたところ、少しずつその方面のお仕事もいただけるようになってきました。

-翻訳の仕事の楽しい点は、どんなところですか?

翻訳の楽しみは、知らないことを知ることです。また「どう伝えたら響くか」を考えることも楽しいです。自動車関連の技術的な内容の時は、漏れなく翻訳することを大切にしていました。ENWの翻訳の仕事を始めてからは、内容が技術的なことから柔らかい内容に変わり、書き手が訳文を通して一番伝えたいことが、読者に伝わる文章になっているか、常に考えるようになりました。そこが難しくも楽しい点です。きちんと伝わる文章を書くために、最近は日本語の勉強をしています。

―日本語の勉強とは?

日本語についての本を読み漁っています。特に気になっているのが「は」と「が」の違い。何を読むにも「は」と「が」を気にしていて、新聞の社説で「は」「が」にしるしをつけたりしています。夫には「気持ち悪い」と言われますが(笑)。

-(笑)。他にはどんな勉強をしているのですか?

環境などに関する翻訳の経験、知識をつけるために、環境関係の講座のラインナップが多い「トラたま講座」などで気になった講座を受講しています。

それから、春まではNational Geographicの通信講座を受講していました。実際の雑誌の300ワード程度の英文を訳し、添削を受けるという内容だったのですが、添削は基本的には間違いを指摘されるだけで理由が書かれておらず最初は戸惑いました。でも、そのおかげで間違いの原因を自分で徹底的に調べて納得でき、言葉に対する感覚を磨けました。

日本語に関する本の数々。

-山本さんには保育園に通うお子さんもいらっしゃいますよね。仕事、家事、子育てに追われる中での勉強時間の捻出法は?

講座だと提出日が決まっているので、まずは仕事の予定と比較検討し、少し頑張ればできるものを選び勉強時間をスケジュールに組み込んで、仕事と同じような感じで取り組んでいます。

-なるほど! 参考になります。では家事・子育てと仕事の両立のコツは?

がんばりすぎないことですね。本当に疲れているときは、食事を全部手作りせずにお総菜などを活用しています。両親に助けてもらうこともしょっちゅうなので、日々「ありがとう、長生きしてね」と伝えることも忘れずに(笑)。あとは、切り替えをしっかりすること。家で仕事をしていても、勤務時間は夕方に娘のお迎えにいくまで、と決めているので、それ以降は「どうしても」という案件がない限り、メールもチェックしません。

-切り替えは大事ですよね。オフはどのようにして過ごしているのですか?

私の住んでいる町は岐阜との県境に近いので緑が多く、散歩コースや公園が豊富なので、家族で公園や散歩に行くことが多いです。車で30分弱のところに住む両親の畑仕事の手伝いにもよく行きます。

娘は外が大好きなので、暑くても寒くても、雨さえ降っていなければ外に出ています。私も普段は室内で仕事をしているので、オフは外に出て太陽の光を浴びたい、と思っています。あとは、ヨガや読書など1人の時間も大切にしています。

近所の公園にて。

実家の畑。

町を流れる五条川は美しい桜で有名です。

五条川でのイベントの様子。

-サステナブルな働き方のために大切にしていることは?

仕事をしていないときは、できるだけ身体を動かすようにしています。これからも積極的にヨガや散歩をし、毎日元気に過ごしていきたいです。

それから、自分を振り返る「自分会議」の時間を持つことも大切にしています。私の場合は、娘が金曜の夕方に習い事をしている間の待ち時間が自分会議の時間。お茶を飲みながら1週間を振り返り、他にやりたいことがあるのに流されていないのか、改善したいことはないか、といった点をスケジュールを見ながらメモしています。こうすることで、どの部分を自分がストレスに感じるか早めに見つけ、今後に活かすことができています。

近所のお散歩コース。

-今後の夢は?

ここ最近、仕事を通じてサステナビリティ、環境、社会問題について、今まで知らなかったことを知る機会が増えました。これからもそういった問題を知り、勉強し、翻訳の仕事を通じてたくさんの人に情報を発信していきたいです。

また、世界の知らない日本の良さも、翻訳を通じて伝えてきたいと思います。National Geographicの翻訳もしたいですし、ヨガインストラクターの勉強をして体系的にヨガの勉強もしてみたい。知らないことを知ることが好きなので、もっともっと、いろんな勉強をしていきたいです。(取材日2017/5/9)

経歴:

愛知県生まれ。南山大学文学部英文学科を卒業。数年間英語講師として勤務した後、自動車マニュアルの制作会社の社内翻訳者となり、本格的に翻訳を始める。6年間勤務したのち、フリーランスに転向。現在は、川と桜がきれいな愛知県の小さな町に、夫と5歳の娘の3人で暮らす。2015年からエコネットワークスに参画。

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