/ デザイナー

硲勇さん Isamu Hazama

フリーランスのデザイナーとして東京、和歌山を中心に活躍中の硲勇さん。デザインの仕事を始めたきっかけから、エコネットワークスのウェブサイトのリニューアルを担当した中で感じたことまで、いろいろお話しいただきました。

実験精神を大切にして、1つ1つの仕事に丁寧に取り組みたい

 -TSAパートナーになったきっかけは?

フリーランスとして働き始めたとき、すでにエコネットワークス(ENW)と仕事をしていた兄の硲允に紹介してもらったのがきっかけです。独立した当初は、地元の和歌山を拠点に仕事をしていたのですが、もともと場所にとらわれず仕事をしたいという気持ちがありました。ENWは国内外に広いネットワークがあり、視野を広く持てるのがメリットだと思い、TSAパートナーになりました。

-ENWではどんなお仕事をしているのですか?

ENWのウェブサイトの改修をしています。もともと既存のサイトをベースに更新をしていたのですが、古くからあるサイトに増築を繰り返していたため、メンテナンス性が悪くなっていました。そこでゼロベースで設計し直すことを提案させていただき、昨年から今年にかけて全面リニューアルのプロジェクトとしてご一緒させていただきました。

-普段はどんなお仕事をされているのですか?

ウェブサイトのデザイン、構築と、印刷物のデザインが主な仕事です。クライアントから依頼をうけて仕事をする、というクライアントワークが主ですが、自主的に取り組むプロジェクトも大切にしています。

自主的に取組んでいることのひとつは、革製品を制作、販売する H&Craftmanship の運営です。ここでは、プロダクトを始め、パッケージやウェブサイトなど、ひととおりのデザインを手がけており、革製品を制作する父親と一緒に運営しています。

H&Craftmanship

こうしたプロジェクトはまだほとんど収益にはなっていないのですが、クライアントワークでは実践しづらい表現や使ったことのない技術などを積極的に使うことで、デザインの引き出しを増やすことを意識しています。ただ、長く続けるためにも、今後ビジネスとしても成り立つようにしていきたいと思っています。

ーどんなきっかけで、今のお仕事をするようになったのですか?

ウェブサイトのデザインを始めたのは、大学時代に独学で革製品を作りだしたのがきっかけです。大学は経営学部だったのですが「自分が作った革製品をどうやって売ろうか」と考え、ウェブサイトの制作、デザインを独学で勉強し始めました。私は器用貧乏なところがあって、何かにある程度なれてくると飽きてしまうことも多いのですが、デザインは毎回リサーチや試行錯誤を重ねる必要があり、常にアウトプットも異なるので、飽きるどころか毎回学ぶことがたくさんあります。またウェブも変化が激しい分野なので「これなら一生の仕事にできるかも」と思い仕事として続けようと思いました。

大学卒業後は、一般企業でウェブマーケティングやデザインなどを担当し社会人経験を積み、2年後に独立。一度は地元の和歌山県に戻りました。独立したという意識はあまりなく、もともとフリーで仕事をしながらインプットの時間をとれれば、くらいのきっかけだったのですが、ありがたいことにお仕事をたくさんいただけるようになり、今までフリーランスという形を続けています。

今は東京を拠点に仕事をしているのですが、地方の仕事と東京の仕事、それぞれ違った良さがあり、両方の繋がりを大事にしたいと思っています。

ー今回のウェブリニューアルで特にこだわった点は、どんなところですか?

エコネットワークスは言葉を丁寧に届けている印象があったので「文字、言葉が伝わりやすい」ということを第一に考えました。その上で、グリッドやタイポグラフィーなどのルールを定め、各ページに展開しています。各ページでは元になるルールをベースにしながらも、それぞれのページでバリエーションを出して、整然としつつも似通った印象にならないように気をつけました。

サイト内で使用した書式や色

また、各ページタイトルの背景は、ENWのロゴの形を派生させて様々なパターンを作成しました。ここは直接的に何かを伝えるというより遊び心の意味合いも大きいのですが、「Translators in Sustainability」は吹き出しや翻訳を連想させる図柄、「ENWラボ」は実験っぽい図柄、といった具合で、ページの内容と少しずつ関連性を持たせています

ー今回のウェブリニューアルで楽しかったことは?

ルールを定めて情報がすっきり整理されていく過程が、家の大掃除のような感覚で楽しかったです。また、今回のウェブリニューアルはTSAメンバーの近藤圭子さんにディレクションをしていただいたのですが、一人一人の考えを尊重し、一緒に考え、一緒に作っていく感覚が大きく、チームで一緒に動く楽しさを感じました。

―「特にここは見てほしい!」というのはどのコンテンツですか?

ブログの各コンテンツは今回、近藤さんや二口芳彗子さんにご協力いただき、分類をすっきりさせ、興味のある記事を探しやすくなりました。ぜひ興味のあるコンテンツを見つけて欲しいです。

メンバーのページは、インタビューを通して一人一人の価値観や生き方を知ることができ、個人的に好きなページです。働き方やアイデアのヒントになることが見つかるかもしれないので、ぜひチェックしてみてください。

ー今はどこに住んでいるのですか?今住んでいる土地の魅力を教えてください。

現在、東京都の国分寺市に事務所と自宅があります。近所は造園業が盛んで緑が多く、季節によって様々な景色が楽しめるのが魅力です。個人商店や昔ながらの銭湯など地元の和歌山では廃れつつあるようなお店が残っている点も、個人的にはすごく好きです。今住んでいる場所も好きですが、いずれは家族の出身地である和歌山に拠点を移したいと思っています。

ーOFFの過ごし方を教えてください。

土日は基本的に休みにしています。オフは、今1歳半の子どもと近所の公園に遊びに行ったり、本を読んだりして、ゆっくり過ごすことが多いです。

近所を息子と散歩

ーサステナブルな働き方のために大切にしていることは?

スケジュールに余裕を持つ、などの基本的なことを気にかけ、できるだけ肉体的にも精神的にも疲弊しない環境を作ることを心がけています。ゆとりがあれば新しい表現や技術、プロセスを試すなどの余裕も生まれて、仕事の質を向上できます。そうした実験精神を大切にして、1つ1つの仕事に対して丁寧に取り組めるようにしたいと思っています。

そうした意識ともつながるのですが、今年は9時~5時に働くことを意識し、一旦5時には仕事を切り上げ、1歳半の子どもとお風呂、ご飯を済ませてから、その日にすべき仕事が残っている時のみ、その後に働いています。そうした働き方が、仕事のプロセスなどを見直すきっかけにもなり、夜型生活だった去年に比べ、短い時間で効率よく働けるようになりました。

ー今後の夢は?

近い将来の目標としては、自主的に取り組んでいるプロジェクトを成功させることです。先ほどお話した H&Craftmanship のほかには、1年ほど前から地元和歌山の編集者、写真家と一緒に書籍の制作を行っていて、国内外のブックフェアなどにも出展したいなと話しています。 (取材日2017/3/8)

経歴:

和歌山県和歌山市出身。横浜国立大学経営学部卒業。大学在学中に独学でウェブ制作を学ぶ。大阪の会社に2年間勤務した後、地元和歌山でフリーランスとして働きはじめる。現在は東京を拠点に、主にウェブサイトや印刷物のデザインを提供している。サイドプロジェクトとして、クラフト製品を制作・販売する H&Craftmanship を運営。

 

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