CSR報告書 サプライヤーの開示事例―CSR報告書勉強会より(4)

2017 / 2 / 2 | カテゴリー: | 執筆者:EcoNetworks Editor

CSRレポーティングの内部勉強会より事例をご紹介します。
((1)マテリアリティ、(2)労働環境/働きやすさ
(3) 脱炭素/再生可能エネルギー

最後にご紹介するのは、サプライヤーの情報開示です。

■patagonia(米・衣料)

http://www.patagonia.com/footprint.html

米国のアウトドアブランドpatagonia。環境への取り組みが積極的なことで知られる同社がサプライチェーンをたどる仕組み「footprint chronicles」を開始したのは今から10年前の2007年のことです。

ウェブサイトの世界地図に農場、繊維工場、縫製工場を示し、
農場・工場ごとに
・社名
・住所
・取引開始時期
・会社紹介
・従業員数と男女比
・言語
・製品の種類(例:フリース)
を掲載しています。

サプライヤー情報は製品と結び付けられています。すべての製品ではありませんがオンラインショップの製品ページには、機能性・素材・価格といった一般的な製品説明に加えてサプライヤーの紹介があり、消費者に伝える工夫が見られます。

■Marks and Spencer(英、流通)


http://interactivemap.marksandspencer.com

プライベートブランドを展開する英国のMarks and Spencerは、衣料・食品のサプライヤーマップを公開しています。工場および労働者の数が開示され、サプライヤーの広がりやインパクトを把握しやすい作りです。

これによると53ヶ国・1,129工場・787,331名が衣料・食品のサプライヤーです(2016年9月のデータ)。地図上で国を選ぶとその国のデータが表示され、たとえばカンボジアであれば33工場(靴7工場、衣料26工場)・54,707名が生産に携わっていることがわかります。

各工場について開示しているデータは
・社名
・住所
・製品の種類(例:衣料、靴、食品、飲料、日用品)
・従業員数と男女比
です。

なお、サステナビリティレポートではサプライチェーンの取り組みを包括的に紹介。40ページあまりの報告書の中で5ページを割いて
・持続可能な木材の使用
・森林破壊ゼロ
・公正賃金の実現、生活賃金の保証
・教育を受けたサプライチェーンの労働者数
・マイクロビーズゼロ
などの目標と進捗状況を掲載しています。

<勉強会で分析した企業 サプライヤー>
食品(味の素)
流通(Marks and Spencer)
衣料(patagonia、H&M)
建設(Outotec)
自動車(BMW)
金融(J.P.Morgan、みずほフィナンシャルグループ他)
メーカー・重工業(東芝、Samsung)

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