多様な人たちと、社会課題に関わる仕事をしたい

エコネットワークス代表取締役社長/CEO 野澤 健(Nozawa Takeshi)さん

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2016年からエコネットワークスの代表を務めている野澤さん。エコネットワークスとの出会い、印象に残っている仕事、目指している組織の姿、今後の目標などを、ざっくばらんにお話しいただきました。

ENWへの参加:2008年~

経歴:
愛知県新城市出身。小学校2年生~6年生の4年間、家族でフランスに住む。大学では中国語と国際環境法を中心に学ぶ傍ら、NPO活動に関心を持ち、教育・国際交流、環境、国際協力、スポーツなど複数の団体で活動。ワークショップ、ファシリテーター、チーム運営、組織経営、国境や立場を超えたコミュニケーションへの関心を高める。

大学4年時に1年休学し、それまでにつながったネットワークを訪ねて世界1周の旅に出発。しかし途中ホンジュラスでマラリアを発症し、半周でリタイア。リハビリ中にエコネットワークスに関わるようになり、2008年の卒業と同時に正式に参画。2011年取締役就任、2016年には前代表からバトンを受け継ぎ代表となる。

-ENWに関わるようになったきっかけは?

大学4年生の時にJapan for Sustainability(JFS)のインターンをしていました。ENWはJFSと同時に設立された団体で、当時もオフィスを共有していて、そうした縁で2007年の冬からENWで働くようになりました。そして大学卒業後の2008年4月からフルタイムとなり、現在に至ります。卒業のタイミングでは大学院も受けていて、進学する選択肢もあったのですが、ENWで働きながら学ぶことを選びました。

前代表の小林さん、ENWに誘ってくれた細島さんと。

前代表の小林さん、ENWに誘ってくれた細島さんと。

-なぜ、ENWを選んだのですか?

ENWは「サステナビリティ」というテーマで、幅広い領域を扱い、企業、自治体、政府、市民の視点など複数の立場をつなぐ役割を担っています。さらに地域や言語も日本だけでなく米国や欧州、アジア、アフリカまでローカル&グローバル。「社会課題に関わる仕事をしたい。それもどこか特定の領域(環境、開発など)に深く入るのではなく、それぞれの分野の専門家と力を合わせることで幅広く携わりたい」という、自分がやりたいことにぴったり合っていました。

多岐にわたるテーマに向き合うために、幅広い知識が要求されます。その反面、多くの学びを得られ、様々なバックグラウンドの方とつながることができます。これが、今の仕事の大きなやりがいです。

-確かに、野澤さんは幅広い分野に詳しいですよね。今まで関わってきた中で特に印象的なプロジェクトは?

世界中のエコなアイデアをグローバルに発信するプロジェクトでしょうか。ネットワークを駆使して情報を集め、動画を制作し、FacebookやYouTubeで発信するというものだったのですが、すべて遠隔で作業を行いました。海外のパートナーにこんな映像を制作してほしいと依頼するのですが、ちゃんと伝わっているかはできあがりを見るまで分かりわかりません。届いたものを見て、実際にイメージした通りに仕上がっていたときの嬉しさはひとしおです。バーチャル&ネットワークで仕事をする楽しさ(と難しさ)を実感したプロジェクトです。

他には、多様性推進のプロジェクトで、トップから現場まで、全国をまわって社内の様々な層と対話し、意見集約したうえで、施策の方向性を考え、組織の変化をサポートした仕事も印象に残っています。

それから、調査・分析では、色々な分野や業種を扱うことが面白いです。最近だけでも、コンパクトシティ、貧困格差、各国の環境政策、SDGs、パラダイムシフト(サステナブルの観点から時代の変化を考察する)など多種多様なテーマがありました。

年に1~2回、メンバーで合宿しながら長期的なことを話し合うENWキャンプでの一コマ。このときは金沢でした。

年に1~2回、メンバーで合宿しながら長期的なことを話し合うENWキャンプでの一コマ。このときは金沢でした。

-いまの野澤さんを形作る原点はどこにあるのでしょう?

原点はフランスにいた小学生の頃です。フランスの学校では、多様な人種の子どもたちがいて、自身もマイノリティ。勉強の内容はもちろんのこと、水曜日は午前中のみだったり、学校行事がほとんどなかったりと、色々なことが日本と違いました。

また、バカンスが長く陸続きなのであちこち旅行に行っていたのですが、場所によって文化や人が違うことを幼いながらに知りました。働き方に対する考え方も日本とは異なっていて、その頃から「ネクタイを締めて、満員電車に乗って、という生活は嫌だな」と漠然と思っていました。

高校1年生の時に国際交流キャンプに参加して、日本各地、世界各国の参加者と、平和や環境について話し合い、様々な価値観に触れたことも今の自分に影響を与えています。視野が広がりましたし、文化が異なる人との共同作業をする難しさと楽しさを学びました。

大学時代は様々な団体に関わり、世界中を旅して、さらにいろんな価値観にふれ「多様な人たちと一緒に仕事をしたい」という想いが強くなりました。いろんな体験、いろんな人との関わりがあったからこそ、今の自分があるのだと思います。


旅先のソロモン諸島での一コマ。ダンスで対話しています。

-「多様性」がキーワードなのですね。そんな野澤さんは、代表としてENWをどんな組織にしていきたいですか?

ENWのミッションは「個のエンパワメント」です。1人1人が自分の強みを発揮し、やりたいことを実現し、イキイキと関われる場所にしたいです。ここでいう強みは、専門分野や経験にとどまりません。関心があること、性格や特性、住んでいる地域、育ってきた文化や環境など、その人の生き方、あり方を含めて「強み」と捉えています。そうしたパートナーの強みと、組織のテーマ、社会の問題、クライアントのニーズが重なる部分を見つけて、それぞれが活きる仕事を一緒に作っていきたいと考えています。

個々の強みを活かしたプロジェクトがたくさん生まれ、それぞれが自立していくための基盤の一部となっていく。ただしそれは雇う−雇われるという関係や、仕事をあげる−もらうという関係ではなく、あくまで強みを活かして一緒に作っていく、というスタンスです。

-一緒に働くパートナーとはどんな方たちなのですか?

キーワードは「グローバルに働き、ローカルに暮らす」。グローバルな視野で最先端のテーマをプロフェッショナルな意識を持って働きながら、個人としては地に足をつけた生活をしよう、というメッセージを込めています。

スキルやキャリア、サステナビリティへの関心に加え、どんな暮らし方、生き方をしたいと思っているか。それはすなわち自分の強みの軸となる部分を持っているかということでもあります。その想いを大切にしているか、想いを実現するために自分自身を変えていきたいと思っているかどうか。そうしたパートナーと一緒に働きたいと考えています。

普段は全員リモートですが、たまに会って打ち合わせをしたり一緒に作業をしたりします。

普段は全員リモートですが、たまに会って打ち合わせをしたり一緒に作業をしたりします。

-「チーム・サステナビリティ」というコンセプトを掲げていますね。

方向性を同じくする個とのつながりを表すコンセプトがチーム・サステナビリティです。ここには一緒に働くパートナーだけでなく、クライアントの組織にいる個人も含みます。

パートナーがアクティブにつながる場として、TSA(Team Sustainability in Action)というプラットホームも作っています。今後はTSAを、仕事だけでなく、知識や経験、人のつながり、機会など、いろんなものを互いに共有・交換し合う場に育てていきたいと思っています。1人1人が自分の生活、仕事の中でTSAの場をうまく活用していけるような場になればと思っています。

名古屋キャンプ。TSAとは?についてみんなでディスカッション。

名古屋キャンプ。TSAとは?についてみんなでディスカッションしています。

-今後のENWの、組織としての目標は?

これまでは主に組織が持続可能な方向にシフトしていくための支援が業務の主でしたが、今後は個人に対しても、情報提供などのサポートをしていきたいと考えています。まずはその1つのきっかけとして、これまでENWで実践してきた働き方のノウハウを整理しました。

※働き方のノウハウが載っている「暮らしと仕事の質を高めるためのリモートワーク推進BOOK」の詳細はこちら

それから、もっとクライアントやパートナーとのかかわり方を多様にしていきたいですね。組織と個人、海外と日本、中央と現場。色々なレベルで新しいつながりができることで、これまでにないものが生まれてくるのではないかと思っています。

―ENWの今後が、ますます楽しみになってきました。最後に、サステナブルな組織を運営している野澤さん自身が、サステナブルに働くために大切にしていること、心がけていることを教えてください。

「やっていて楽しいと思えるかどうか」を常に大事な基準にしています。

充実感。やりがい。学びがある。人に感謝される。理屈ではなく感覚として「快」を感じるかどうかを大切にしています。

「働く」「学ぶ」「遊ぶ」「社会のよりよい変化に関わる」がバランスよく融合した生き方を実践していきたいです。

友だちのワインバーにて。 フランスにいたころはわからなかったワインの美味しさが分かるようになりました。

友だちのワインバーにて。
フランスにいたころはわからなかったワインの美味しさが分かるようになりました。

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