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2050年 オランダはサーキュラーエコノミーになる

2050年、オランダは100%サーキュラーエコノミーになる。

今年9月、オランダ政府から大きな目標が発表されました。

欧州レベルでは2015年の12月にサーキュラーエコノミーに関する
政策パッケージが発表されていましたが、
その一歩先を行く形になります。

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A Circular Economy in the Netherlands by 2050
https://www.government.nl/binaries/government/documents/policy-notes/2016/09/14/a-circular-economy-in-the-netherlands-by-2050/Circulaire+Economie+EN_v4.pdf

70ページほどの方針を見てみると、
世界をリードしていくという本気度が伝わってきます。

最終的に目指す姿は、
2050年までに完全なサーキュラーエコノミーを実現すること。

2050年の社会では、すべての原材料は環境に悪影響を及ぼすことなく利用・再利用され、
新しい原材料が必要になった場合には、持続可能、
かつ環境や健康に悪影響を与えない方法で取得されます。

中間目標は2030年。1次原料の使用量の半減を目指します。

背景にあるのは、危機感。

面積が小さく、人口密度が高い小国で、資源を他国に依存しています。
54の主要な原材料のうち、オランダでは68%が輸入です。
海外に依存するということは、地政学的な緊張関係の原因となり、
安定供給が脅かされると社会が不安定化することにつながります。
 
リスクの視点だけではなく、経済・雇用機会としての期待も高く、
15〜84億ユーロのGDP成長、54000の雇用創出が見込まれるとの試算もあります。

サーキュラーエコノミーにおけるビジネスの形としては、
・サプライチェーンでは原材料がより高効率に利用され
・新しく原材料を使う場合には、化石燃料由来のものは避け、
持続可能な形で生産されたもの、再生可能なもの、広く入手可能なのものを使用し
・新しい生産方法、製品設計、消費の形をつくっていく
ことを目指します。

Screen Shot 2016-11-02 at 19.14.25
A Circular Economy in

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進む規制の動き 侵略的外来種の対策に向けて

Invasive Species: Stripy Croc
photo by Lizette Greco

アライグマ。マングース。セアカゴケグモ。

「侵略的外来種」とよばれる、
地域固有の生態系に悪影響を及ぼす外来種の規制・対策が、
各地で問題になっています。

日本でも今年6月、法律が改正され、
新たに在来種との交雑種が規制対象になる、
特定外来生物が付着している輸入品への措置が追加されるなど、
対策の強化が進められています。

詳しくはEICネット
「外来生物法の改正 ~外来種対策の強化に向けて~」
http://www.eic.or.jp/library/pickup/pu130807.html

欧州でも、9月に新たな規制案が
欧州委員会より提案されています。

New EU Action to protect biodiversity against problematic invasive species
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-13-818_en.htm?locale=en%E3%80%80

欧州で生息する外来種は1万2千種以上。
そのうち、約15%が侵略的外来種と見積もられています。

生態系への影響の他、経済面でも
健康、インフラ、農業への被害など少なくとも
年120億ユーロの経済損失をもたらしているといいます。

陸続きの欧州では、ある国で対策を進めても、
隣国から新たに持ち込まれれば効果がないため、
加盟国間の協力が大きな課題となっています。

法案では、EU共通の侵略的外来種リストを作ることを提案。
該当種は将来域内で輸入、購入、利用、放出、購入が禁止となります。

他に、防止策として外来種の侵入防止や経路の洗い出しと対策、
早期警戒・対応策として繁殖が確認された場合の駆除など、…

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欧州CSRベストプラクティス集Golden Bookを読む

golden_book

企業とステークホルダーのパートナーシップ優秀事例を
まとめたGolden Bookを読む会を実施しました。

[Shared Interest プロジェクト vol.4] 欧州CSRベストプラクティス集Golden Bookを読む

カフェに併設された会議室で、
ニュージーランドから代表の小林もスカイプで参加し(画面奥)
Golden Bookに掲載されている
約60の事例をざっと読み合わせていきました。

sip4_1

限られた時間のため、
1つ1つの事例を深堀りする時間は取れなかったのですが、
主な事例をグルーピングしたものがこちらです。

sip4_2

その後、それぞれが気になる事例やトレンドに注目して、
議論を行いました。

たとえば、

●不動産企業による、若者ボランティアを派遣して
低所得者層の省エネ教育に取り組むプログラム。

省エネ行動を通じて、家庭の電気や水道代を抑えることで、
長期的に家賃収入の安定的な回収につながることが
期待されます。

●人材派遣会社の強みを活かした
障がい者の就職支援プログラム

企業とのマッチングを支援し、障がい者が
政府が補助し生活を支える対象ではなく、
働き、自立し、納税することで
社会を支える側になることを目指しています。

●若者の雇用支援プログラム

世界的に若者の雇用不安定化が進む中、
エンプロイアビリティ(employability、雇われるための能力)を高め、
安定的な就職を支援する活動が各地で展開されています。

など。
参加者からは、

「短い時間で50以上の事例を見られたのはとても勉強になった」

「今後のテーマとして、直接的・間接的に本業に貢献する
(自社の経済価値向上に寄与する)事例について、…

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Golden Bookにみる欧州企業とステークホルダーとの優秀恊働事例集

企業とステークホルダーの
パートナーシップ優秀事例を表彰する
CSRスキーム賞(European CSR Award Scheme)が
CSR Europeから発表されました。

CSR Europe celebrates partnership at European CSR awards for innovation and social and business impact
www.csreurope.org/node/1446

欧州30カ国のCSR推進団体が、
それぞれ自国での取組みを審査・表彰し、
合計63事例が事例集「Golden Book」にまとめられています。

欧州委員会の助成により今年初めて開催された同賞には、
中小企業部門259件、大企業部門490件の
合計749件の応募がありました。

応募条件は、
・最低1団体以上の、企業以外のステークホルダーと恊働していること
・「パートナーシップ、イノベーション、インパクト」の主旨に合致していること

社会とビジネスにもたらす価値、
ならびにそのモデルの複製のしやすさが
評価の基準です。

Golden …

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携帯電磁波、化学物質、農薬ー早期の警告どう向き合うか、EU報告書

warning sign
photo by Robert Couse-Baker

EUの独立機関である欧州環境庁が、
健康や環境に関する潜在的な課題に関して
予防原則の観点から最新の知見をまとめた報告書
“Late lessons from early warnings: science, precaution, innovation”
(早期警告からの遅すぎる教訓:科学、予防、革新)
を発表しました。
http://www.eea.europa.eu/publications/late-lessons-2

これは2001年に発表された初版の改訂版で、
20ほどの具体的な事例を取り上げ最新の研究成果について報告しています。

前回に引き続き取り上げられている問題では、
・タバコ
・農薬のDDT
・塩化ビニル
・気候変動による影響
・農薬によるミツバチの減少
・化学物質による生物のメス化

などの事例が、一方、
近年新たに急速に問題になりつつある問題としては、

・携帯電話の電磁波
・GM(遺伝子組み換え)作物
・ナノテクノロジー
・外来種

などが取り上げられています。

たとえば電磁波の問題についてみてみると、
近年の大きな動きとして、2011年にWHO(世界保健機関)が発がんリスクを
発がん性があると疑われるグループ2Bに分類したことが紹介されています。

報告書では携帯電話業界の影響調査の努力不足について指摘しており、
EUでは研究資金の比重が製品開発に大きく偏っていて、
過去10年で潜在的な被害の調査に使われたのは1%に過ぎないとしています。…

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株主の長期関与を奨励 コーポレート・ガバナンス改善に向けたEUの動き

企業の持続可能性を考える上で、
株主とどう向き合っていくかは、
重要なポイントになってきます。

先月、欧州委員会は、
会社法とコーポレート・ガバナンスの改善を
目指す計画を発表しました。

Commission plans to modernise European company law and corporate governance
http://ec.europa.eu/enterprise/newsroom/cf/itemdetail.cfm?item_id=6353&lang=en&title=Commission-plans-to-modernise-European-company-law-and-corporate-gover%C2%ADnance

株主の権利と責任を明確化し、
欧州企業の透明性を高め、
競争力や持続可能性の向上につなげることが目的です。

2011年に欧州企業のコーポレート・ガバナンスに関する報告書
Green Paper: The EU corporate governance framework”を発表。
その後オンラインで意見を募集し、検討を重ね、
今回3つの要素から成る行動計画を打ち出しました。

具体的には、

1.コーポレート・ガバナンス改善のための
企業と株主間の透明性強化。

役員の多様性やリスク管理方針について
企業の透明性を高めることや、
機関投資家の議決権やエンゲージメント方針に
関する透明性の強化。

2.株主の長期的な関与の奨励…

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欧州委員会、非常勤役員の女性比率40%に向け法案提出

40th me
photo by shannonkringen

欧州委員会は、先月14日、
EU内で上場している大企業に対し、
非常勤役員に占める女性の比率を
40%以上に引き上げるよう義務付ける
法案を提出しました。

Women on Boards: Commission proposes 40% objective
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-12-1205_en.htm

現在のEUにおける上場企業の
非常勤役員・常勤役員における女性比率は、
それぞれ15%と8.9%。

これまでも色んな議論がなされ、
国や欧州レベルで自主的な取り組みがされていたのですが、
2003年以降の取締役における
女性比率の増加は年平均でわずか0.6%と、
あまり進展がみられないため、
法制化が検討されてきました。

欧州議会も2011年7月と今年3月の二度、
圧倒的多数で法制化を求めており、
今回の法案提出はそれに応える形となります。

具体的には、以下のことが求められています

・非常勤役員に占める女性比率40%を達成する
・明確な基準に従って役員候補者を評価し、
同等の資格であれば女性を優先する
・達成期限は2020年
・公共事業会社の場合は2018年

対象企業は約5000社。
従業員が250人未満で年間売上が5000万ユーロ以下の
中小企業や非上場企業には適用されません。

今回、経営の自由度を制限することを避けるために、
非常勤役員に絞っての設定となりました。

遅々として進まない日本でも、…

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EU 女性役員比率改善に向け法制化も視野に検討

企業の経営層におけるジェンダー・バランス是正の声は以前からあがっています。
しかし現実には、企業の自主的な取り組みだけではギャップの解消が
なかなか進まない現状があります。

以前、英国でクォータ制導入に向けた動きが検討されたところ、
企業側が敏感に反応し、女性役員の比率に改善の傾向が
見られたという動きをご紹介しました。

今回、EUでも遅々として進まない状況に対し、
ビビアン・レディング副委員長/司法・基本的権利・市民権担当委員が
法制化も視野に入れ、ジェンダー・バランス是正に向けた
イニシアチブを立ち上げるためのパブリック・コンサルテーションを
始めると述べました。

EU considers laws to put women into top jobs
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-17257676

EUは最低でも男女比それぞれ40%を適正ラインとしていますが、
現状の欧州のトップ企業における女性役員比率は13.7%。

また国ごとに状況が大きく異なり、
フィンランドやラトビアは25%を越えているのに対し、
マルタやキプロスは数%という状況です。

すでにベルギー、フランス、イタリア、オランダ、スペインでは
クォータ制が導入されています。

今回のEUの動きに対して、企業側がどのように反応するか注視すると共に、
同様に改善がなかなか進まない日本においても
参考になる要素がないか、見ていきたいと思います。…

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EU2020年目標に向けた企業イニシアチブ発足

EUは2020年に向けた成長戦略”Europe 2020″において、
Smart・Sustainable・Inclusiveの3つの成長と、
雇用・イノベーション・気候変動・教育・貧困に
関する5つの目標を設定しています。

Europe 2020
http://ec.europa.eu/europe2020/index_en.htm

この目標を達成すべく、先月末、企業によるイニシアチブ
“Enterprise 2020 initiative”が発足しました。

Global companies launch Enterprise 2020 initiative to build the responsible enterprise of the future
http://www.csreurope.org/press_releases.php?action=show_press_release&press_id=33

70のグローバル企業、27の欧州のビジネス協会、
CSR Europeの全てのメンバーが参加。

-変化する市場
-排除・孤立しない社会(インクルージブ・ソサイエティ)
-健康・福祉
-信頼のための透明性

の4つのテーマごとに、企業や政府、研究機関、
市民社会などのステークホルダーが協働で
リーダーシップや実用的なツールの開発に取り組みます。

IBM・ヨーロッパ会長Harry van Dorenmalen氏の言葉が印象的です。…

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従業員のエンプロイアビリティを高めるボランティア参加

Haven for Hope Volunteers

エンプロイアビリティ(Employability)」という言葉があります。
直訳すると、「雇用される能力」。

変化する環境に柔軟に対応し、
必要に応じて新たな能力を獲得、適応し、
知識やスキルを適切に発揮する。

個人にとっても、
雇用する企業側にとっても、重要な能力です。

欧州では今、「エンプロイアビリティ」を向上する手段として、
従業員のボランティア参加が注目されています。

UK Commission for Employment and Skillsが
2009年に発表した報告書によると、
これからの経済発展には従業員のエンプロイアビリティ向上が不可欠であるが、
既存の業務の範囲内ではそれを高めることが困難であるとの指摘がされています。

そこで注目されているのが、従業員が会社の外で活躍する
「ボランティア」の仕組み。

2011年はEUボランティア年ということもあり、
企業の社会参加を促進する英国の Business in the Communityと欧州委員会が、
従業員のボランティア参加の優れた仕組みを表彰する
European Employee Volunteering Awardsを創設しました。

European Employee Volunteering Awards
http://www.bitc.org.uk/global/european_volunteering_awards/index.html

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フェアトレードの現状-33カ国の比較分析

2007年に発表された、世界33カ国の
フェアトレードに関する状況を調査した報告書があります。

Fair Trade Advocacy “Fair Trade 2007”
http://www.fairtrade-advocacy.org/documents/FairTrade2007_newfactsandfigures.pdf

Fairtrade Labelling Organisations Internationalなど、
国際的なフェアトレード機関が委託し、
オランダの調査会社が作成しました。

2007年度時点でのフェアトレード市場は、
総額で26億5000万ユーロ。
米国と英国がそれぞれ30%ずつを占めます。

EUや米国の状況と比較すると、
「フェアトレード」という言葉の認知度の低さなどにより、
日本の取組みは遅れていると指摘されています。

主要なフェアトレード団体として紹介されているのは、
オルター・トレード・ジャパン、ピープル・ツリー、
ネパリ・バザーロの3団体。

ピープル・ツリーのサフィア・ミニ-さんは先日、
イギリス政府より大英帝国勲章第5位を授与されました。
Queen’s Birthday Honours List 2009
http://www.direct.gov.uk/en/Nl1/Newsroom/DG_178690

フェアトレードへの取組みが評価されての授与。
勇気をもらいます。

fairtrade.jpg

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EU-環境目標20-20-20

これまでは企業の動きが中心でしたが、
少し話題を変えて、EUについてみてみたいと思います。

環境目標20-20-20

これは何かというと、エネルギーと気候変動戦略の一環として、
EUが掲げている2020年までの中期目標です。

・90年比で温室効果ガス20%削減
・最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を20%に
・エネルギー需要の20%削減

これに加えて、運輸部門でガソリンとディーゼルにおける
バイオ燃料の割合を10%に引き上げることを目指しています。
europe.jpg
europeの2009年冬号によると、目標実現のためにも、水素と燃料電池の
新たなエネルギー源の開発が不可欠。

現在、欧州はエネルギーの54%を輸入に頼っています。
昨今のロシア-ウクライナのガス問題からもわかるように、
エネルギー安全保障の観点からも、
早急にエネルギー政策の実現が求められます。

EU 新たなエネルギー政策パッケージ公表
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=19512&oversea=1

気候変動とエネルギー戦略は、EUの
持続可能な発展戦略(EU Sustainable Development Strategy
で7つの重点課題の1つとして挙げられています。

・気候変動とクリーン・エネルギー
・持続可能な交通
・持続可能な消費と生産
・自然資源の保存と管理
・公共衛生
・ソーシャル・インクリュージョン、人口、移民
・国際的な貧困と持続可能な発展

日本のエネルギー自給率はわずか4%(原子力を国産エネルギーとしても18%)で、
エネルギー消費量は伸びる一方です。

日本でも早急なエネルギーの転換政策が求められます。

energy.png
出展:IEA,Energy Balances of …

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