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「未来に向けた羅針盤になるような仕事をしたい」―無印良品とIKTTの取り組み

この写真の布は、青山にあるFound MUJIで見つけたものです。草木で染めたシルクで、どれも深みがあり、美しく、どれか1つを選ぶことはとてもできませんでした。

作っているのは、カンボジアにあるクメール伝統織物研究所(IKTT)。内戦でバラバラになった「手の記憶」を、ジグソーパズルのピースを集めるようにして繋ぎあわせ、カンボジアの伝統染織を復活させた伝統の村です。私の家の近くに、アジアの途上国で自立支援活動をされている女性がいて、IKTTのすばらしさは彼女から聞いていました。IKTTの布はカンボジアでしか目にすることができないと思っていたので、Found MUJIで見つけたときは驚きました。

なぜIKTTの布がFound MUJIにあったのかというと、無印良品とIKTTでは、「未来に向けた羅針盤になるような仕事をしたい」という共通の志のもと、天然染めのプロジェクトをいっしょに進めているからです。このプロジェクトについて、2012年9月に開催された講演を私も拝聴し、素晴らしい取り組みだと思いました。自分だけではなくいろいろな方にも知っていただきたいと思い、こちらのパワーポイント資料にまとめました。

無印良品では、環境への悪影響だけでなく、生産者の健康被害を抑えるため、オーガニックコットンの製品を積極的に増やしています。無印良品グループの調達会社ムジ・グローバル・ソーシングの達富社長は、世界の綿栽培農家を訪問して皮膚の炎症といった健康被害の写真を撮りためるなど、農薬による問題を会社に訴えてきました。

せっかくオーガニックコットンを使うのなら、染料にも環境と健康になるべく負荷のないものを使いたい。究極的にはそれは草木染めということになりますが、従来の常識では、草木染めは色落ちするもの、値段が高いもの、と考えられ、供給量の安定も合わせて考えると、大手企業での実現は難しいと思われてきました。しかし、化学染料を使わずに済むのなら、染色工程に関わる人たちの健康リスクもなくすことができ、川を汚すこともありません。化学染料のなかには重金属など、身体にも環境にも悪影響を及ぼす物質が含まれているものもあります。達富社長は、どうにか実現できないだろうか、と思っていたときに、IKTTを興した森本喜久男さんの活動を知ります。

森本さんは、かつて京都友禅の職人でした。バンコクの博物館でカンボジアの絣布に出会い、魅了されたのをきっかけに、カンボジアの伝統染織を復活させる活動を始めます。100年前、カンボジアには素晴らしい伝統の織物がありましたが、内戦のなかで消えようとしていました。森本さんは、染色植物の収穫や藍の発酵、糸紡ぎ、染め、織りなど、伝統染織に関わるさまざまな技術を「手の記憶」として持っている人たちを捜し、一緒に昔のやり方を蘇らせるコラボレーションの仕事を始め、IKTTを設立しました。

昔のやり方で染めているIKTTの布は、ゴシゴシ洗っても色落ちしません。100年以上も前の草木染めの布は今も色あせておらず、化学染料よりもはるかに高い堅牢度を持っているのに、今では草木染めは色落ちするものというのが常識化してしまっています。昔は草木染めは色落ちしないのが常識でした。伝統を再生することで、新しい常識を生み出している森本さんとIKTTのみなさんといっしょに、無印良品は新しい物づくりへの挑戦を始めました。

価格を抑えるため、バラの茎や家具の切れ端、ココナッツの殻など、大量に出る天然素材の廃材を染め材に利用。草木染めとは区別して、天然染めと呼ばれています。生産量を安定させるため、上海の染色工場にドイツ製の最新鋭の機械も導入しました。機械に心を込め、手の先にあるもの、すなわち道具に変えるところから始めたそうです。

新しい伝統を作ろう、それが未来のスタンダートとなる―その羅針盤を作るような仕事をしたい。無印良品とIKTTの共通の志で生まれたコラボレーションは、とても新しいと思いました。発展途上国と先進国との間でのコラボレーションと言うと、先進国の“進んだ”技術を上から押し付けるようなものがまず思い浮かびます。無印良品とIKTTのコラボレーションはこれとは異なり、途上国にある素晴らしい技術を教えてもらい、先進国の技術も活かしながら、環境と人にも良い物を循環した形で生み出していくというスタイルです。

第一弾で発売した無印良品の天然染めオーガニックコットンタオルには、世界中のタオル業界から注目が集まっているそうです。私の知り合いで日本中の職人とコラボレーションして草木染め製品を作っている女性からも、彼女がバラで染めたストールを某高級ブランドのデザイナーが気に入って、視察に来たと聞きました。草木染めの製品がここ半年ほどの間に、個人の作家だけでなく、新興の中小アパレルブランドでも見られるようになり、天然染めの波が生まれつつあるように感じています。

天然染めが広がりつつあることは喜ばしく思いながらも、今後、草木染め製品が旧来型の大量生産で作られるようになると、途上国から天然素材を搾取し、それらを利用する知恵を盗むバイオパイラシーにつながる可能性もあるという懸念も感じています。企業の方々には目先の利益にとらわれず、持続可能なかたちで作ってもらいたいと願い、私も含め消費者は今後、天然染めだから環境にいい、とだけ判断するのではなく、染料はどこでどうやって育てられて、生産に関わった人たちがみんな笑顔でいられたのだろうか、といったことも考えながら、正しい判断をしていかなければならないと思っています。…

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2つのインプット案を提出 リオ+20に向けた日本の動き

Rio +20 Reunião Sociedade Civil com  Ban-ki-Moon ONU
photo by Cintia Barenho

先日、GEOCで開催された「第1会NGO×政府意見交換会」に
参加してきました。

来年6月にブラジルのリオデジャネイロにおいて、
国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催されます。

主要テーマとして議題に挙がっているのは、以下の2点。
「グリーン・エコノミー(持続可能な開発及び貧困緩和の意味でのグリーン・エコノミー)」
「持続可能な開発の組織的フレームワーク」

11月1日までに、世界各国の政府やNGOなどのステークホルダーが
事前のインプット文書を提出することになっており、
事務局には現在、合計644のインプット文書が集まっています。


事務局ウェブサイトより

日本からは、政府と、リオ+20国内準備委員会による
2つのインプット案が提出されています。

■政府案
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/10/1031_05.html

■リオ+20国内準備委員会案
http://www.mri.co.jp/SERVICE/thinktank/kankyou/2030913_1458.html

リオ+20国内準備委員会には、
NGO、科学技術コミュニティ、企業・産業、
子ども・若者、労働者・労働組合、地方自治体、女性、
農業者、先住民の9つのステークホルダーが参加しています。

数ヶ月にわたるマルチ・ステークホルダーによる議論を経て、
今回のインプット案を取りまとめました。

本番まで残り200日あまり。
今後は国内各地で勉強会や意見交換会が予定されています。

私たちエコネットワークスでも、
これまでに培ったブラジルのネットワークを活かし、
日本からの発信に何かしらの形で貢献していきたいと考えています。…

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高年齢労働者の割合、過去最大に

日本で語られるダイバーシティのテーマの1つに、
高齢者があります。

厚生労働省が先日発表したレポート
「2008年高年齢者雇用実態調査」によると、
全常用労働者に占める60歳以上の割合が10%と過去最大になったそうです。

厚生労働省「平成20年高年齢者雇用実態調査結果の概況」
http://www.mhlw.go.jp/za/0820/d02/d02.pdf

また、60歳以上の高年齢労働者を雇用している事業所の割合も59.4%と、
こちらも過去最大に。

調査は高齢者の雇用状況を把握する目的で、
5人以上を雇用する約9700の事業者を対象に実施されたもの。

60歳以上の高年齢雇用者を雇用するために
仕事内容や仕事量の調整、勤務体制の弾力化など
特別な措置を取っていると回答した割合が、
5年前の調査に比べて16%も増加し、全体の46.1%となっています。

また、高年齢雇用者の雇用拡大のために、
公的支援が必要との回答も56%に達し、
賃金に対する助成や人材の紹介など、
政府の支援の重要性が強調される結果となっています。…

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フェアトレードの現状-33カ国の比較分析

2007年に発表された、世界33カ国の
フェアトレードに関する状況を調査した報告書があります。

Fair Trade Advocacy “Fair Trade 2007”
http://www.fairtrade-advocacy.org/documents/FairTrade2007_newfactsandfigures.pdf

Fairtrade Labelling Organisations Internationalなど、
国際的なフェアトレード機関が委託し、
オランダの調査会社が作成しました。

2007年度時点でのフェアトレード市場は、
総額で26億5000万ユーロ。
米国と英国がそれぞれ30%ずつを占めます。

EUや米国の状況と比較すると、
「フェアトレード」という言葉の認知度の低さなどにより、
日本の取組みは遅れていると指摘されています。

主要なフェアトレード団体として紹介されているのは、
オルター・トレード・ジャパン、ピープル・ツリー、
ネパリ・バザーロの3団体。

ピープル・ツリーのサフィア・ミニ-さんは先日、
イギリス政府より大英帝国勲章第5位を授与されました。
Queen’s Birthday Honours List 2009
http://www.direct.gov.uk/en/Nl1/Newsroom/DG_178690

フェアトレードへの取組みが評価されての授与。
勇気をもらいます。

fairtrade.jpg

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欧米諸国との働き方の違いを考える

ENWレポート第2段の完成に向けて、作業を進めています。

「働き方」のテーマでは、先日政府が発行した
こちらのレポートに目を通しました。

「ワーク・ライフ・バランス社会の実現と生産性の関係に関する研究」
第2 章 欧米諸国との働き方の違いに関する調査
http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou050/hou42_gairyaku3.pdf
http://www.esri.go.jp/jp/archive/hou/hou050/hou42-1-3.pdf

欧米諸国での働き方について、
現地駐在経験者からのヒアリング結果をまとめた資料です。

感じたのは、生活する・働く上で
「前提」としていることの違い。

一例を挙げると、

日本では
・残業することが前提
・チームで働くことが前提
・本質以外の部分に対するアウトプットも求められて当然

欧米では
・夕食は家族と食べることが前提
・バカンスをしっかり取ることが前提
・人生の中で働いていない時間があっても当然

特に新鮮だったのは、ドイツの
「職場は常に誰かしら休んでいることを前提にしている」
という考え方。

休むことを前提、という考え方は個人の視点からもとても重要です。
自分が休んでも仕事がまわる体制を意識して整えておく必要があるからです。

自分は何を前提に働いているのか。
問い詰めていきたい視点です。…

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日本の中期目標 どう考えるか

16日を〆切に、2020年のCO2削減中期目標に関する
パブリックコメントを募集しています。
現在6つの選択肢が提示され、
議論が進んでいるのはご存じのとおりです。

————————————————————–
■提出先メールアドレス : ondankakondankai@cas.go.jp 
■意見募集期限:平成21年5月16日(土)(必着)
※意見書に氏名(法人・団体の場合は法人・団体名と担当者名)、住所、電話番号、電子メールアドレスを明記の上、意見提出期限までに電子メールにてお送りください。
※詳細はこちら→ http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tikyuu/kaisai/dai07kankyo/tyuuki_iken_syousai.pdf
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先日「日本の中期目標を考えるセミナー」に参加し、
6つの選択肢の分析・策定に携わった内閣府や研究所の方々から直接、
そもそも中期目標はなにか、どこからどう考えればいいのか、
といったお話をお聞きする機会がありました。

中期目標の決定にあたっては、
今回の6つのモデルの分析に含まれている視点と
含まれていない視点のそれぞれを考慮して
日本として世界にどのようなメッセージを発していくかが、
考え方のカギとなります。
session.jpg
<含まれている視点>
・何をすれば、どれだけCO2が削減されるか
・それにより経済がどうなるか

<含まれていない視点>
・将来世代に対しての責任
・国際的なポジショニング
・何も対策を行わないことのコスト

京都議定書の数値が不透明なプロセスで決まってしまったという反省から、
中期目標の設定には分析はプロセスを全て透明にし、
できるだけ国民を巻き込んだ議論をして納得感を
持ってもらおうという想いが感じられます。

逆にいえば、政府が一方的に決めていくだけでは、
取組みに限界があるということを示しています。

今回の考え方やプロセスは、企業における中長期目標の設計にあたって、
多分に参考になりそうです。…

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エコを1つの柱にした自動車教習

埼玉県にある教習所が、
エコドライブ教習を来月からスタートするそうです。

同教習所のホームページによると、

~~~~~~~~~~~~~
「環境に配慮した運転」「燃費効率の良い運転」など、
「安全な運転」技術の教習だけではない、
総合カリキュラムの開発・導入は、
自動車教習所としてはじめての試みです。

免許を取得する頃には、誰もがエコドライブを実践できるようになります。
http://www.fine-motorschool.co.jp/news/index.html
~~~~~~~~~~~~~

少子化で教習所が厳しい状況に置かれている中、
本業に「環境」という視点を取り込むことで、生き残りを図る。

「環境」を本業に取り込まないとやっていけない、
そんな1つの事例といえるかもしれません。

エコドライブについては、社員の環境教育の一環として
行っている事例が多数ありますね。
東京ガス
http://www.tokyo-gas.co.jp/csr/report/environment/environmentline/01.html

以前取り上げましたが、たとえばフランスなどでも
政府が主導でエコドライブを推進しています。
http://www.econetworks.jp/internatenw/2008/07/eco-drive.html

ドイツでも、アウトバーンに制限速度を設けようという議論が一時ありました。
(こちらは結局否決されましたが)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2303928/2289411

「安全」と同じくらいに、「環境」が1つの基準として確立される。
それくらい、環境に対する意識が当たり前のように
浸透している世の中を作っていきたいです。…

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