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米水道会社 償還期間100年の超長期グリーンボンドを発行

photo by Brian J. Matis

これまでに何度か投資家のショートターミズムを巡る議論について取り上げましたが、
その真逆とも言える超長期のグリーンボンドが
米国の水道会社より発行されました。

DC Water Announces Successful Sale of $350 Million Green Century Bonds
https://www.dcwater.com/news/listings/press_release663.cfm

発行主体は、ワシントンDCを拠点に
上下水道サービスを提供するDC Water。

総額3.5億米ドル。
100年で満期に達するグリーン・センチュリー・ボンドです。

集められた資金は、総事業費26億ドルにのぼる
DC Clean River Projectにあてられます。

これは、洪水時の大量の水や下水を
下水処理施設まで運ぶ地層トンネルを設置するプロジェクトです。

ハリケーンによる大雨で、
雨水吐き口や雨水ポンプ場から未処理の下水が越流する
合流式下水道越流(CSO)を防ぐ対策として実施され、
洪水影響の緩和や気候変動へのレジリエンスを高めます。

同社が100年債を選択した理由は、以下の観点から。
・長期間維持されるインフラ設備の資産負債管理に適している…

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ゴールドマン・サックス 就学前教育支援にソーシャル・インパクト・ボンド

painting a forest
photo by a.pasquier

ゴールドマン・サックスが幼少期の子ども向け教育に
融資をするソーシャル・インパクト・ボンドを立ち上げました。

Social Impact Bond For Early Childhood Education
http://www.goldmansachs.com/what-we-do/investing-and-lending/urban-investments/case-studies/salt-lake-social-impact-bond.html

ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、
政府が民間と契約して社会性のある事業を行い、
成果の達成状況に応じて削減される費用からリターンを支払う
新しい債権の契約形態を指します。

たとえば、

●刑務所の服役者の支援事業を実施し、
再犯率が低下した場合に本来かかると想定される
費用の削減幅に応じて支払いを行う

●若者の就労支援を行い、就職率が高まったことで
削減されたコスト+納税者になることにより生み出された価値
に応じて還元する

といった仕組みで、英国や米国で導入が始まっており、
得られた成果に対して支払いをすることで、
公的セクターにとっては高い費用対効果が
実現できる投資の仕組みです。

今回のケースでは、ゴールドマン・サックスが
米国ソルトレークシティでコミュニティ団体などと連携し、
幼少期の子ども向け教育に融資を行います。

対象となるのは、落ちこぼれる恐れのある
子どもたちを対象とした就学前教育プログラム。

既存事業の規模拡大のために、最大700万ドル、
第1フェーズでまずは100万ドルを投資し、
今秋には新たに450人の子どもが参加できるようになります。

5歳以下の幼少教育に投資をすると、
その後の学校生活を子どもたちは順調に過ごすことができ、
高校卒業率の増加や犯罪率の減少につながることが
研究で示されています。…

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アフリカ大手銀行エコバンク 赤道原則を採択

Signature
photo by Benko Zsolt Photography

アフリカの大手銀行エコバンクが
赤道原則を採択しました。

Ecobank Applies Equator Principles to its Pan-African Project Finance Activities
http://www.equator-principles.com/index.php/all-adoption/adoption-news-by-year/87-adoption-2012-adoption-2012/257-ecobank-adopts

赤道原則とは、
開発などに伴う環境負荷を回避・軽減するために
プロジェクトファイナンスにおける
環境と社会のリスクを特定、評価、管理することを目的に
金融業界が独自に設定した行動原則です。

これにより、同社は事業を展開しているアフリカ30カ国の
全関連部門でこの原則を適用することになります。

具体的には、
総コストが1,000万米ドルを上回る
プロジェクトファイナンスに適用され、
借り手がこの原則に示された環境と社会に関する基準を遵守できない、
あるいはする意思のないプロジェクトには
融資を提供しないことを約束します。

南アフリカのNedbankが2005年にアフリカの銀行として初めて採択し、
2012年1月時点で採択企業73社のうち
8社がアフリカの銀行です。
http://www.equator-principles.com/index.php/members-reporting/members-and-reporting

注目されることが少ないアフリカの企業ですが、
たとえば統合レポートの分野では南アフリカの企業は先端を行ったりするなど、
まだあまり知られていない側面をこれからお伝えしていければと思っています。…

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JPモルガンの株主総会に提出されたジェノサイドにつながる投資への反対決議

Signs for destroyed Darfur villages
photo by futureatlas.com

先日行われたJPモルガンの株主総会において、
ジェノサイドにつながる投資をやめるよう求める
株主からの決議に対し、7.69%の賛成が集まりました。

提案をしたのは、ジェノサイドにつながる投資に反対する
投資家グループInvestors Against Genocide。

ダルフールの虐殺を引き起こしたスーダン政権を
支援しているペトロチャイナへの融資をやめるよう、
JPモルガンに対して求めています。

提案にあたり、同団体はウォール・ストリート・ジャーナルに
意見広告を出し、当日は1000人以上が抗議に詰めかけました。

アーンスト・アンド・ヤングの調査によると、
投資家の間で、過去10年の間に
社会・環境に関連した企業の評判や財務のリスクへの
認識が高まり、企業にそれらに対する取り組みを
強化するよう求める傾向が強くなっているそうです。

“Shareholders press boards on social, environmental risks”
http://www.ey.com/Publication/vwLUAssets/CCaSS_social_environmental_risks/$FILE/CCaSS_social_environmental_risks.pdf

社会・環境に関連し、決議に至った株主提案の数は、
2000年の150件から2010年には191件に増加。
2011年には株主提案の半数を占めると予測しています。

また提案への賛成率も10年前と比べて10%上昇して18.4%となり、
30%以上の賛成を得た決議は、
2005年の2.6%から2010年には26.8%と増加しています。

求められる企業の対策として、
(1)株主との対話をならびに社会・環境課題の重点分野における情報開示の強化
(2)取締役の能力が株主の主な関心領域に対処できることの確認
(3)新しい指標の検討
(4)株主の社会・環境課題への関心、企業への圧力が今後さらに強まることを理解する

の4項目が挙げられています。…

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2013年がサステナビリティ・ビジネスのティッピング・ポイントに?

2013年には企業のサステナビリティへの投資額は今の1.5~2倍になり、
ティッピング・ポイントを迎え急速に市場が広がる。

省エネやクリーン技術、サステナビリティ保険などへの投資が
国際的な成長と密接に関係してくるようになる。

そんな予測をサステナビリティ・ビジネスに関する
リサーチ会社Verdantixが発表しました。

052011verdantix.jpg
source: verdix

2500社以上の投資傾向と過去4年間の市場トレンド、
同社の予測モデルに基づき分析を実施。

主な変化の傾向としては、

●CSO(Chief Sustainability Officer)の増加により、
企業のサステナビリティ・プログラムが拡大していく。

最近ではコカ・コーラが新たにCMO(Chief Marketing Officer)を
CSOに任命したとのニュースがありました。

●nice-to-haveからneed-to-haveへ
金融危機により、単なる倫理的な問題ではなく、
自然資源のコストと環境悪化による負の影響、
有意な競争力の観点から捉えるようになった。

●今見られる傾向の更なる加速
アジアでの需要やエネルギー・気候変動に関する厳しい政策、
サステナビリティがビジネスに与える価値の認識が
更に深まっていく。

レポートの詳細について、6月2日にオンラインセミナーが実施されるようなので、
ご関心ある方は是非。
http://www.verdantix.com/index.cfm/papers/Webinar.Home

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途上国の女性に対する投資の効果は?

Empowerment
photo by Lincolnian (Brian) – BUSY

女性への投資がどのようにビジネスや地域の持続可能性につながるか。

世界的なCSRコンサルティング会社のBusiness for Social Responsibilityが、
「女性と持続可能性」をテーマとした調査結果を発表しました。

BSR Launches Toolkit for Global Business to Invest in Women
http://www.bsr.org/pdfs/press-releases/PR_Women_and_Sustainability_2011_04_27.final1.pdf

対象は途上国で事業を営むグローバル企業。
女性の経済的なエンパワメントや
健康、責任ある雇用に投資をする上での
ツールキットを提供しています。

●女性の経済的なエンパワメント
能力開発や金融リテラシー向上、
銀行サービスへのアクセスなど。
事業や健全な地域社会が持続する市場を
創造・支持する戦略的手段となる。

●健康
医療サービスや健康教育へのよりよいアクセスの提供など。
これにより、女性はより積極的に労働力を担い、
場合によっては3倍もの費用対効果も。

●責任ある雇用
技能開発の促進や手当て拡大など。
女性の離職率低下や入社希望者の増加につながる。

事例として、…

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南ア 統合報告書に関するガイドライン案

2009 Feltron Report
photo by jakeprzespo

各地で財務報告と持続可能性報告の統合が検討されていますが、
先日南アフリカで新たに統合報告書を作成する際の
ガイドライン案が1月末に発表されました。

King unveils world-first integrated reporting guidelines
http://www.sustainabilitysa.org/Portals/0/IRC%20Media%20Release.doc

財務と持続可能性の両面に関する
包括的な情報をまとめた統合報告書は、
企業が短期~長期にわたって価値を創造できるかを
ステークホルダーが判断するための材料となります。

2010年3月以降、南アフリカのヨハネスブルグ証券取引所に
上場している400社の企業は、
統合報告書の発行が義務付けられています。

これまで作成にあたっての基準は特に設けられていませんでした。

今回Integrated Reporting Committeeより発表された
ガイドライン案では、

情報の指針
・報告の範囲
・報告内容の選択
・情報の質

盛り込むべき情報
・企業やその活動に関する概要
・リスクと機会
・戦略的目標

などの項目が盛り込まれています。

4月25日までの意見の公募期間を得て、
最終的なガイドラインが作成される予定です。…

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Calvert S&P100社のダイバーシティ実践を調査

Diversity Cupcakes

SRI投資ファンドの運用・販売で著名な
Calvert Investments(カルバート投資会社)が、
S&P100社を対象にダイバーシティに関する調査を実施しました。

Examining the Cracks in the Ceiling:
A Survey of Corporate Diversity Practices of the S&P 100
http://www.calvert.com/newsArticle.html?article=16982

均等雇用に関する方針や
社内・社外向けのイニシアチブ、
家族補助手当など10の指標について調査を実施。

・100社のCEOの内、92人は白人男性
・女性が管理職に占める割合は全体の18%、
高額報酬の幹部に占める割合は8.4%

といった調査結果が発表されており、
C-Suite(経営幹部レベル)に昇給することは
女性やマイノリティにとってまだまだ高い壁となっています。

情報開示の面においては、
37%が従業員の属性情報を開示しておらず、
均等雇用機会に関する指標EEO-1データを
全て開示している企業はわずか8社となっています。

全体としては、100社中65社は7割以上の得点を獲得し、
ダイバーシティへの取り組みは進んでいる様子が伺えます。

ChevronやCitigroup、Coca-Cola、JPMorgan Chaseなどが
先進的な企業として挙げられています。

経営へのダイバーシティの反映が
労働市場と資本市場において長期的な価値を生み出す。
この考え方を実践している企業に引き続き注目していきます。…

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世界が注目する「ヤスニITTイニシアチブ」

エクアドルのコレア大統領の来日にあたり、
大統領が提唱している新しい開発モデル
「ヤスニITTイニシアチブ」への注目が高まっています。

アマゾンの油田開発中止を表明 エクアドル大統領
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010090601000518.html

「ヤスニITTイニシアチブ」とは・・・

エクアドルのヤスニ国立公園内に存在する
8億5千万バレル(約80億ドル)の石油開発を永久に断念。

生態系の保護や先住民の生活保護を優先し、
また開発により見込まれるCO2排出量4億トンも抑制される。

エクアドルが得られる利益を放棄する代わりに、
国際社会の支援により資金を拠出してもらうことによって
利益の半分相当の36億ドルの「ヤスニ基金」を創設。

それを持続可能な社会をつくる国内投資にあてる。

というイニシアチブです。

先月3日、国連開発計画(UNDP)との間に
36億ドル・10年間のヤスニ基金が設立されました。
http://mdtf.undp.org/yasuni

ドイツ政府が約8億ドルの拠出を表明していますが、
まだまだ国際社会からの支援が求められています。

「脱・石油型開発モデル」の構築に向けて、
日本も積極的に支援したい取り組みです。…

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炭素の次は水情報 CDP Water Disclosureスタート

企業や公的機関の炭素情報の開示を促進するNPO
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)が、
今度は水をテーマとしたCDP Water Disclosureプログラムを
新たに開始すると発表しました。

“CDP launches a Global Water Disclosure Project to raise Business Awareness of Water-Related Risk”
https://www.cdproject.net/en-US/WhatWeDo/CDPNewsArticlePages/cdp-launches-global-water-disclosure-project.aspx

国連の予測では、2030年には世界の人口の約半分が
水不足にさらされるとされています。
しかし、水問題に対する認識はまだまだ低いというのが現状。

企業の水資源の利用状況に関する様々な情報を提供することで、
水不足やその他の水問題に関連するリスクとチャンスについて、
機関投資家の意識を高めることを目的としています。

化学や大量消費財、食料、鉱業、製紙、森林、医薬品、
エネルギー、半導体など水資源の使用量が多い産業300社に対して、
2010年に水の情報開示に関するアンケートが実施される予定です。

2008年にCDPに実施したパイロットプロジェクトに関する報告が
まとめられたレポート「The case for water disclosure」も発表されています。

水問題、これからますます注視すべきテーマです。…

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