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社会課題を身近に ーバーチャル・リアリティの力

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Photo by Knight Center for Journalism in the America

ニュースで見るさまざまな社会・環境問題ー
深刻そうなのはわかるが、いま自分に影響がないし、
実際に何が起きているか想像しにくく
中々行動を起こすことにはつながらないという人が多いのではないかと思います。

他人のことや、遠い国・未来のことを「自分ごと化」するのは難しいことですが
問題についてより具体的にイメージできれば
何かしたいと考える人は増えるのではないでしょうか?

2016年、海外では五感に訴えかける「バーチャルリアリティ(VR)」の技術が
サステナビリティやコーズマーケティングの分野で
活用される事例が多く見られました。
VRは、データや統計を使った情報とは違うレベルのインパクトを人々に与え
人々の感情により強く働きかけることが期待されています。

いくつか事例をご紹介します。

靴が1足売れる度に途上国の子どもに靴を届けるTOMS shoesは、
これまでに6,000万足以上の靴を寄付してきました。
もっと多くの人に支援の必要性を理解してもらうため、
2016年にVRを活用した告知キャンペーンを開始。


左上の矢印で動画をコントロールすることができます。

この映像では、TOMs shoesで靴を購入した消費者が
コロンビアに靴を届けにいく様子と
靴を受け取った子どもの生活が変化する様子を
視聴者が360度自由にコントロールすることが可能な動画を通して伝えています。
360度動画は消費者と子どものナレーションとともに展開していくので
登場人物の動きや感情をリアルに追体験することができます。

また、国際的な人権団体Terre des Hommesが作成したのが
ケニアの児童奴隷が暴力や性的虐待を受ける様子を子どもの視点から伝えるアプリ。

iphoneを動かすことで映像を360度動かすことができるので
まるで自分がこの現場にいて、この映像を撮影しているような気分になります。
撮影には5つのマイクをつけたカメラを14台も使用しているので
音にも臨場感があります。

このショッキングでリアルな映像を見たら、
「なぜこのような事が起きているのか知りたい」
「何かできることはないのか」
と考える人も少なくないのではないでしょうか?

アプリの内容は以下の360度動画としても発信されています。

英国の自閉症協会では
音や光などに対する感覚が過敏な自閉症の子どもにとって、
外を歩くのがどんなに恐ろしいかを
体験できるシュミレーター(ヘッドセット)をつくりました。
自閉症協会では、人間は他人の体験を実際に経験することで共感しやすくなることから
シュミレーターを通して自閉症に対する理解を少しでも高め、
差別をなくしていくことをめざしています。

シュミレーターで体験できる内容は以下の動画で確認できます。

※大きな音や激しい光が含まれるので気をつけてください。

VRは、環境破壊の現状を人々に実感してもらう上でも
効果が期待されています。

スタンフォード大学の研究所では、
CO2が海を酸性化させている現状とこのまま気候変動が進むと海がどうなるかを
VRを通じて人々に体験してもらうことで
人々が環境保護のために行動を起こすよう働きかけることをめざしています。

2017年も、VRがサステナビリティ分野でどのように進化していくかウォッチしたいと思います。

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4人に1人が自殺を考えたことがあるという事実。私たちに何ができる?

Waiting For Heaven
photo by Izzy Prior

4人に1人  過去に本気で自殺したいと思ったことがある

5人に1人  身近な人を自殺で亡くしている

15歳~39歳の死因第1位は自殺

これは約4万を超える人々を対象に日本財団が行った調査の結果です。

日本財団自殺意識調査2016
http://www.nippon-foundation.or.jp/news/pr/2016/102.html

衝撃的な数字が並んでいると思う反面、
そこまで実感と遠くないかもと感じる自分もいます。
(それがまた怖いです)

10年以上にわたって3万人を超えていた自殺者数が
2010年以降は減り続けているとはいえ、
依然日本の自殺率は世界的にも高いレベルにあります。

自殺を減らすために、何ができるのか。
あまりこの分野については詳しくないので、
企業の取り組みを少し調べてみました。

Facebookは今年6月、自殺防止のツールを全世界でリリースしました。
http://ja.newsroom.fb.com/news/2016/06/suicide_prevention_jp/

自殺を考えている人がつらい気持ちをSNS上に投稿することがあることから、
友だちの心配な投稿を見つけたら、
本人へのメッセージや友だちへの相談、
専門家へのアドバイスを求めることができるようになっています。

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少し前ですが、韓国のサムスン生命は
自殺の名所となっている橋にセンサーとライトを設置しました。
人が通ると反応して、自殺を思いとどまらせる
メッセージが浮かび上がる仕組みです。

物理的な対策としては、駅ではホームドア設置が有効です。
しかし費用の問題もありなかなか設置が進んでいません。

費用という点では、自殺による社会経済的な損失に関する数値が
もっとあってよいのではないかと思います。
命に関することを金銭換算することにもちろん抵抗はありますが、
数値にすることで見えてくることもあるはずです。

鉄道会社のCSRレポートのなかにも「自殺」という言葉はほとんど出てきません。
正面から取りに上げにくいテーマかもしれませんが、
社会の関心も高く、もっと正面から向き合っていってよい課題です。

持続可能な開発目標SDGsとも実は自殺は関係しています。
目標3.4「非感染性疾患による若年死亡率の減少と精神保健・福祉促進」
のKPIの1つが、自殺率になっているのです。
WHOは2020年までに自殺率を10%下げる目標を掲げて取り組んでいます。

フィンランドでは国家レベルで自殺対策に取り組み、成功を治めたそうです。
なにか取り組みのヒントがないか、今度現地にいるパートナーにも聞いてみようと思います。

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サステナビリティイノベーション 2016年4つのトレンド

スウェーデンのシンクタンクSustainia
国際機関や国際NGOなどの専門家らとともに
2012年から世界のサステナビリティイノベーション事例を集めた報告書
「SUSTAINIA100」を発表しています。
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2016年からはグローバルコンパクトとも協働し
イノベーションの拡大によるSDGsの達成を目指しています。

2016年にイノベーションが活発だったのは以下の4分野。
事例とともにトレンドをご紹介します。

トレンド①Well-being(健康で安心・安全生活)を促進するコミュニティ
「米国のスーパーマーケットの事例」
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Photo by Sustainia 2016: P143 「DAILY TABLE」

地域の人々の健康改善が地域経済の活発化につながることから
地域の健康促進に取り組む事例が増えています。
米国のスーパー「Daily Table」は
貧困・肥満問題解決のために食品ロスを使用し
健康的ですぐ食べられる食事を安価で提供。
生産者から流通、製造業など地域のさまざまな主体が食品の寄付を行っています。

Sustainia-2016年のトレンド②意外な原料から利益を生み出す
「アディダスの商品事例」
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Photo by Sustainia 2016: P51 「ADIDAS | PARLEY FOR THE OCEANS」

SDGs(持続可能な開発目標)が循環型社会の形成を掲げるなか
循環型ビジネス構築を目指す企業が欧州で増えています。
ドイツのアディダスは、海洋保護に取り組むNGOと共同で海にプラスチックごみや、
違法に設置された刺網を原料にして作られたシューズを発表しました。
2016年中に商品化の予定です。

Sustainia-2016年のトレンド③電力網をなくす
「ナトリウムイオン電池の開発事例」
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Photo by Sustainia 2016: P109 「M-KOPA SOLAR」

大規模発電所からの送電電力に依存せず
複数の電源と蓄電設備を組み合わせた小規模の電力供給網
「マイクログリッド」の導入が世界で進んでいます。
マイクログリッドの維持に不可欠なのが蓄電池。
レアメタルを使うリチウムイオン蓄電池に代わる電池の開発が求められるなか
英国で、海水から無尽蔵に取り出せるナトリウムを利用した蓄電池が開発されました。

Sustainia-2016年のトレンド④ICTを活用してインフラを改善する
「尿を水に変えるトイレの開発事例」
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Photo by Sustainia 2016: P120 「SEVA SUSTAINABLE SANITATION」

途上国では、水や電気が利用できる人よりも携帯電話を所有する人の方が多いことから
ICTを活用したインフラ改善事例が増えています。
24億人がトイレがない生活を送っているという社会課題に取り組むため
米国で、太陽光を利用して尿を無害な水にするトイレが開発されました。
スマホを使って利用者が簡単にメンテナンスできる仕組みで
インドなど4カ国で導入されています。

企業にとって社会の持続可能性の追求は単なるビジネスチャンスではありません。
持続可能性への取り組みは
企業のイノベーション能力を促進し、
結果として企業の「持続可能な経営」にもつながります。

Deloitteの2013年の調査では、
サステナビリティとイノベーションの関係性について
・サステナビリティという思考のレンズを通すと、従来とは違う視点で戦略を検討することができる
・サステナビリティは、企業経営に制約を課すことから(例:環境への配慮など)
事業形態や製造工程の変更などのイノベーションを促進するドライバーになる
・サステナビリティとイノベーションのランキング掲載企業を比較した結果
サステナビリティ・リーダーはイノベーション・リーダーになりやすい
(サステナビリティでランクインしていない企業に比べて同年で4倍、翌年で6倍の差)
とまとめています。

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グラフ:前年(右)と同年(中央)のサステナビリティリーダーは
平均値(左)に対してイノベーションリーダーになる確率が高い
Deloitte “Sustainability Driven Innovation Harnessing sustainability’s ability to spark innovation” (2013) P2

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ポケモンGOでの歩きスマホ事故は誰の責任? CSRの新領域を考える

Augmented Reality
photo by Tom

一大ブームとなっているポケモンGO。
この前もスタバで仕事をしていたら、
隣の高校生グループがスタバを拠点に
対戦→負けたら外に出てハンティング→対戦
を繰り返していました。

ところで、ポケモンGOをプレイ中に事故が発生したら
その責任はだれにあるのでしょうか?

現状では、ダウンロード時の利用規約には
ユーザーの自己責任でプレイすることが書かれています。
しかし提供側にも、危険性の高い場所ではプレイできないよう設定しておくなど、
一定の配慮をすることも責任として求められるはずです。

こうした位置情報連動型やARを利用したゲームは今後も増えていくことは確実です。

現状、歩きスマホの危険性周知・啓発は各キャリアが中心となって行っており、
ドコモからはポケモンGOの日本発売にあわせ、
位置情報連携型スマホゲーム利用時の歩きスマホ等に関する注意喚起
のリリースが出されていました。

しかし本来であれば、アプリやゲームを提供する企業も
もっと役割を担っていてもおかしくありません。

責任の所在に関する考察は、今後裁判所での判断か、
行列のできる法律相談所に任せたいと思いますが、
ここではこうした新しい領域での「企業の責任」を考える上で、
いくつかの事例を紹介します。

●車の自動運転技術による影響

事故を起こした場合、誰の責任?ということはよく話題にのぼりますが、
再保険会社のスイス・リーはCSRレポートのなかで、
事業への影響を含めた保険会社にとってのリスクについて
コラムで取り上げていて興味深いです。

参考:「スイス・リーにみる「リスク」の情報開示

●口コミサイトと登録側のフェアな関係とは?

世界最大の旅行口コミサイトのTripAdvisor。
旅行先でもよくフクロウのマークを見るようになりました。

昨年、顧客に直接予約を働きかけた英国のカンブリア地方の宿泊施設に対し
トリップアドバイザーから圧力があったことが批判されました。

こうしたサイトはオンライントラベルエージェント(OTAs: Online Travel Agents)と呼ばれ、
ユーザーが利用すると事業者側に手数料が発生します。

地域の観光局は圧力に反発し、独自の宿泊施設予約サイトを立ち上げ、
OTAsを介さず直接予約をすることを旅行客に勧めています。

ビジネスパートナーとの公正・健全な関係性が問題になった事例です。

参考:Online hotel booking agents accused of ‘bullying’ practices

●Airbnbの利用者が差別されたら?

民泊トラブルも色々ありますが、ここでは人種差別に関する事例です。

米国で、アフリカ系の利用者が、予約を断られた上に、
貸し手からひどい中傷を受けました。

中傷の文面がTwitterに公開されたことから問題が発覚。
ツイートを見つけたAirbnbは被害にあった利用者とやり取りし、
その貸し手を特定し、利用を禁止しました。

こうした人種差別による予約キャンセルは頻繁に発生しており、
明らかにアフリカ系の名前とわかる人は
白人系の名前の人に比べ16%も予約率が下がるという調査
ハーバード大から発表されています。

参考:民泊「Airbnb」を悩ます人種差別問題

新しいサービスを提供する企業では、
まだまだCSRに関する体制も整備されておらず、
担当者もいない場合も多いです。

しかし、急速に拡大する事業のスピードに比例して、
果たすべき責任も高まっていきます。

簡単には結論が出ない問題ばかりですが、何か起きた際にどのようなスタンスをとるか。
まずは起きうるリスクと及ぼす影響をしっかりと認識するところから
いくことが重要です。

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加速する投資撤退の動き 企業と政府の反応は?~エクソン・モービル株主総会とG7~

Untitled
photo by James Ennis

2016年3月、ロックフェラー家基金が石油や石炭、
オイルサンドなどの化石燃料関連業界から
資産を引き上げると発表しました。

RFF’s Decision to Divest
http://www.rffund.org/divestment

気候変動COP21の前後で加速している化石燃料からの
ダイベストメント(投資撤退)の動きの一つです。
(関連記事:「化石燃料からの”ダイベストメント”とは?」)

現在保有している関連資産の額などは公表されていませんが、
化石燃料株を保有する根拠は「財務的に、倫理的にもない」として、
できるだけ速やかに撤退するとしています。

売却する株式の1つに、
石油メジャーのエクソン・モービルがあります。

同社は、ジョン・ロックフェラーが創設した
スタンダードオイル社を源流とする企業です。

ロックフェラー家は石油業により巨額の富を構築しました。

しかし、世論のミスリードや北極海での資源探索など、
ロックフェラー家基金はエクソン・モービルの気候変動の取り組み姿勢を批判しており、
すでに同じ系列のロックフェラー兄弟財団は
2014年に化石燃料からの投資撤退を発表しています。

背景には、倫理的な判断のほかに、
石油価格の下落により同社の株価が2014年より下がり続けているという
財務的な事実もあります。

広がるダイベストメントの動きに、
エクソン・モービルおよびその株主はどのように対応するのか。
5月末に開かれる株主総会の動向に注目が集まっていました。
なぜなら気候変動に関連して11もの株主提案が提出されていたからです。

しかし結果は以下の通り。
ExxonMobil Shareholders Vote to Ignore Climate Change Completely

・気候政策が自社に与える影響を分析する: 反対61.8%にて否決

・気温上昇を2℃未満に抑える政策の導入: 反対81%にて否決

・気候変動の専門家を取締役に迎える: 反対79%にて否決

唯一可決されたのが、特定条件を満たした株主が
取締役候補を株主総会に提案できるプロキシーアクセス制度の採用で、
これにより気候変動に積極的に取り組む取締役を
経営に送り込むことができるようになります。

化石燃料からのダイベストメントでは最近、
石炭火力に関連する報告書の翻訳のご相談を多くいただいています。

石炭火力推進に最も力を入れている日本が主導する
G7での議論の行方が注目されましたが、
残念ながら脱石炭の方針は示されませんでした。

気候変動・エネルギーに関するNGO共同声明
G7伊勢志摩サミット閉幕:気候変動・エネルギーに関するNGO共同声明 G7、人類の生存を脅かす気候変動に対処するリーダーシップを発揮できず

石炭火力の推進が2度目標の達成に寄与しないことは明らかになっており、
早急な公的支援の中止が望まれます。
(以下は制作をご支援したインフォグラフィックスです)

WWFジャパン「世界の「脱炭素化」への流れの中で、石炭への支援を続ける日本」より

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IoTがもたらすサステナビリティの未来

"Activate the world" (or: what "mobile" really means)
photo by Mike

IoT = Internet of Things
モノのインターネット化。

最近あちこちで耳にするようになったキーワードです。

物体(モノ)をインターネットに接続し
相互に通信・制御させることで、
モノ同士のダイナミックで自律したやりとりが可能になります。

IoTはライフスタイルやビジネスモデルに大きな
インパクトがもたらされると期待されていますが、
この動きはサステナビリティとも大きな関わりがあります。

ではどのような関係があるのでしょうか。

IoT関連の主要キーワードである
「インダストリアル・インターネット」と
「インダストリー4.0」
について調べてみました。

まずは「インダストリアル・インターネット(Industrial Internet)」。

GEが2012年に発表したコンセプトで
モノから生まれるデータを収集・分析、
活用することで新たな価値を生み出す、としています。

GEのアニュアルレポートをみると、
インダストリー・インターネットが顧客にとっての価値につながることが
事例とともに紹介されており、「1%の力」として
1%の燃費改善により航空業界で300億ドル、電力業界で660億ドル、
1%のシステム効率改善により鉄道業界で270億ドル、
ヘルスケア業界で630億ドルの
コスト削減につながるといいます。

ge
GE Annual Report 2014 P16-17

もう1つのコンセプトが「インダストリー4.0」。
ドイツが産官学で取り組む新しい製造業のコンセプトです。

国際競争力を高めるため、
地域ごとの産業クラスターをデジタル化・ネットワーク化し、
「省エネと資源の効率化」「生産の柔軟性とオーダーメイド化」
「低コスト化とスピード化」に取り組みます。

ドイツ科学エンジニアリングアカデミー(acatech)の
インダストリー4.0に対する見方は興味深いです。

・サステナブル経済の新たな可能性の幕開け
・需要分だけ製品が製造され、資源利用が最適化される
・生産ラインの機器が自動でスタンバイ状態になることで約12%の省エネになる
・機器のデジタル化が進み、不良品発生率が減少する
・シミュレーション技術が進み、試作品製作の時間と資源が短縮される

そのなかでも私が特に関心を持ったのが、
ドイツ製造業の地位をたしかなものにするために――インダストリー4.0の活用案
インダストリー4.0ワーキンググループ最終報告書)
」(原文ドイツ語)のP111にある
「所有/使用」の概念の変化に関する部分です。

今後、製造、組み立て、使用、リサイクルなどの情報は
すべて製品内に保存されるようになります。

また、製品は「使用の権利」として販売されることになります。
リースに近い扱いとなり、製品そのものの所有権、
さらには原材料の所有権は販売後も製造元が保有することになります。

するとどうなるかというと、
電子回路のレアアースなどの所有権が製造元にあることがわかり、
再利用がより適切にできるようになります。
使用状況が分析できると、回収された部品の状態がすぐにわかり、
再利用化が効率化されます。

これはある意味では、生産者が廃棄・リサイクル段階まで責任を負う
拡大生産者責任の考え方が部品レベルで徹底されるようになるということでもあります。

私もこれから理解を深めていく段階ですが、
こうしたインダストリー4.0とサステナビリティの関連性を
研究している科学者チームがポツダムにあるようなので、
ドイツ在住のメンバーと一緒に最新動向をウォッチしていきます。

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クローン家畜の安全性評価

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Photo by Peter O’Connor aka anemoneprojectors

世界では、人口増加や新興国の経済発展にともなって
肉の需要が急激に伸びており、
米国農務省のデータによると 2012年の世界の食肉消費量は249万トンと
2000年比で3割近く増えています。*1

そんな中、中国のバイオテク企業Boyalifeが、
肉の需要量増加に対応するため、2016年の稼働に向けて動物クローン工場の建設を進めており
最初は年間10万頭分から、その後、年間100万頭まで生産を増やす計画です。*2

食用クローン動物、各国の安全性評価はどうなっているのでしょう?

米国食品医薬品局(FDA)では、輸入量には制限をかけているものの
「体細胞クローン技術を用いて生産された動物と
従来の繁殖方法で産出した家畜は安全性において同等」としています。*3
しかし、米国ではクローン家畜は、家畜の品種改良のための種畜として使われることが多く
食用として売られることは少ないため、
現在、販売の際に特別なラベル表示の義務はなく、*4
大量生産が始まれば、消費者から対応を求める声が大きくなることが予測されます。

欧州食品安全機関(EFSA)も、
クローン動物と、従来の家畜に違いは見つかっていないとしながらも、
クローン動物の生存率はどの生育段階でも通常より低く
クローンによって作成した卵子が移植された牛には妊娠・出産の際により多くの問題が起きることから*5
動物の健康や福祉の観点での懸念を繰り返し表明しています。*6
輸入に関しては2013年から、クローン動物の食品利用および輸入の禁止法案を検討中です。*7

日本の厚生省も、米国、欧州同様、クローン家畜は安全としており、
輸入に関しての規制は特にないようで
「引き続き国民に対する情報提供と必要な情報の収集を行う」としています。*8

中国政府は、クローン動物の生産量に制限は設けないとしていますが、
Boyalifeが安全性評価の実施や倫理性への懸念に対する説明など
課題にどう対応していくのか注目したいと思います。

——
参照
1: 世界の食肉需要の動向と飼料用穀物
http://mitsui.mgssi.com/issues/report/r1405x_matsuura.pdf
2: Boyalife プレスリリース”Animal cloning center to be built in Tianjin”
http://www.boyalife.com/english/new.asp?nlt=44&None=2
3: FDA, Animal Cloning
http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/SafetyHealth/AnimalCloning/default.htm
4: China Will Start Cloning Cattle to Meet Rising Beef Demands
http://fortune.com/2015/12/01/china-cloning-cattle/
5:年間100頭の食用クローン牛を生産する米企業
http://www.afpbb.com/articles/-/3019254
6:EP wants animal cloning ban extended to offspring and imports
http://www.europarl.europa.eu/news/en/news-room/20150903IPR91517/EP-wants-animal-cloning-ban-extended-to-offspring-and-imports
7:Largest animal cloning factory can save species, says Chinese founder
http://www.theguardian.com/world/2015/nov/24/worlds-largest-animal-cloning-factory-can-save-species-says-chinese-founder
8:体細胞クローン家畜由来食品に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/clone_kachiku.html

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マンガに風刺に靴に天気予報 COP21に注目

#SilentClimateParade / #PeopleClimateMarch 2014 in Berlin
photo by mw238

11月30日から12月11日の期間、フランス・パリで
開催中の気候変動枠組条約の第21回締約国会合(COP21)。

新聞記事やニュース報道で会議の様子が伝わってきますが、
フランス大使館のウェブサイトにも
現場からのレポートがアップされています。

マンガ特派員ミカエル・プリジャン氏の現場レポート
http://www.ambafrance-jp.org/article9503#t11-30

所々フランスならではのシャレがきいていて意外と面白いです。
(サイトでは日本語訳付き)

今回のCOPにあわせては、国連期間やNGOが主体となり
様々なキャンペーンが展開されています。

国連気象機関WMOでは、世界各局の気象キャスターを対象に
ビデオ・キャンペーンを展開。
2050年の天気予報を想像したビデオを制作することなどを呼びかけ、
日本からは日テレの木原さん&空ジローやNKKの井田さんが参加しています。
http://www.unic.or.jp/news_press/info/16424/

COPに先立って開催されたグローバル気候マーチでは
全世界で57万人以上が参加しました。

直前にテロがありデモが禁止されていたパリでは、
2万足以上の靴がズラリ。

参加するはずだった40万人以上の人々の代わりに靴が並べられ、
中にはローマ法王からの靴も見られました。

一方、政府の姿勢やスポンサーとなっているグローバル企業を
ターゲットにしたキャンペーンも展開されています。

環境アクティビスト団体のBrandalismは、
政府首脳や大手企業の姿勢を批判するポスター600枚を
パリ市内のあちこちに貼り出しました。
http://www.bbc.com/news/world-europe-34958282

「温暖化対策に消極的な国」を表彰する「化石賞」を
毎年のように受賞している日本政府は、今年はどうなるでしょうか。

閉幕まで残り1週間。
交渉の進展を見守りたいと思います。

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欧州難民問題 世界の企業の対応は?

Welcome asylum seekers and refugees - Refugee Action protest 27 July 2013 Melbourne
photo by Takver

すでに今年に入って60万人以上が地中海経由で
欧州に入ったとされるシリアをはじめとした国々からの
難民・移民の数は、現在も依然増え続けています。

こうした危機的な状況に対し、
欧州政府は混乱を抱えながらも対策の強化を進めています。

それでは、企業はどうでしょうか?

全体としての動きは鈍いながらも、
欧州企業を中心に支援に向けて動き始めています

グローバル・コンパクトとUNHCRの呼びかけに対し、
公にコミットメントを発表しているのは10/27時点で13社・組織。

BayerやGlaxoSmithKline、Novartis、Novo Nordisk、
Sanofiなどの企業が名を連ねています。

Business & Human Rights Resource Centreには、
10/16日時点でAudiやAviva、Bosch、Daimler、E.ONなど
15社から声明が寄せられています。

主な支援の方法は、金銭や物資の寄付。

IKEA財団が3.5億スウェーデンクローナ、H&Mが50万ドルをUNHCRに寄付したほか、
Novartisは50万スイスフランと5万ユーロ相当の医薬品を赤十字に、
Bayerは今後5年をかけて難民の子どもたちの教育に
40万ユーロを寄付するなどの動きが見られます。

そのほかにも、企業には本業を通じた支援が期待されています。

FacebookやVodafoneは難民キャンプでWifiを提供。
SAPは移民登録を簡易に行えるアプリを開発し、
スカンジナビア航空は規定を変更して難民移送に協力しています。

雇用や就業支援につながる動きを見せる企業もいます。

Deutsche TelekomやBMWはスキルを持った難民に
インターンや就業トレーニングの機会を提供し、
ユニリーバは声明のなかで、
「多様性が成長をもたらすという観点からも、
難民に対する雇用機会を創出することが社会の負担を減らし、
経済へのプラスと統合につながる」としています。

難民問題に対する否定的な動きに対し、
自らのスタンスを明示する企業もいます。

ドイツのフェンス製造企業のMutanoxは、
難民の流入阻止に鉄条網が使われたことを受け、
ハンガリー政府からの購入要請を拒否したと語っています。

欧州企業を中心に事例をみてきましたが、
日本でもファーストリテイリングが
UNHCRと協力して行っている古着回収による難民支援を拡大し、
1000万着のHELP」としてユニクロとGUで
着なくなった衣類の寄付を呼びかけています。

難民問題も、人権問題の1つです。

距離や政策の問題から遠い国のできごとと感じてしまいがちですが、
「人権」に対する意識を高めていきたいと考える企業の方は、
企業ができることをまとめたリストを見ながら
自社でどのような支援ができるかを
考える機会を一度もってみてはいかがでしょうか。

Illustrative Examples to Inspire Action
https://business.un.org/documents/business_action_pledge_refugee_crisis_illustrative_examples.pdf

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米国高校教育を改革 故ジョブズ氏の妻が5000万ドルを投じて展開するXQ Project

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米国ではこの100年で、
T型フォードはテスラに、
電話交換台はスマートフォンに進化した。

でも公立高校教育は何も変化していない。

今の米国の公立高校の仕組みは100年前のシステムのままであり、
時代遅れで改革が必要との問題意識のもと、
故スティーブ・ジョブス氏の妻である
ローレン・パウエル・ジョブズ氏が動き出しました。

その名も「XQ: The Super School Project」。
http://xqsuperschool.org/

プログラムに沿った型にはまった教育からは抜け出すべき。
知能のIQ、心のEQだけでなく、情報化され変化する社会に適応する
「XQ」を伸ばす教育を。

という考えのもと、新しい公立高校のアイデアを広く募集し、
選ばれた5つ以上の案を来秋から実際のモデル校として展開。

各校に毎年200万ドルを予算配分し、5年をかけて
広く普及可能な「新しい高校」をつくりだすことを目指します。

サイト上には、応募者の問題意識を深める
教育に関する様々なデータが提供されているほか、
アイデアを形にしていくためのツールも用意されています。

ちょうど先日、「教育イノベーションが未来を変える」というセミナーに参加し、

・教育への投資と変革が社会を変えていく好循環を生み出す

・IT活用により高品質な教育コンテンツを低コストで提供できるようになり、
所得による学ぶ機会の格差が縮小される

・「分かりやすく教える」役割が代替(アウトソース)できるようになり
授業のありかたが変化していく

そんなお話を聞いたところだったので、変化を促す動きに関心を持ちました。

時代環境が変わり、生徒も変わり、学ぶべき内容もツールも変わるなか、
教師や学校に求められる役割も変わってきます。

「英語強化」「文系廃止」という単純な発想ではなく、
教育への投資効果が表れる50年先を見据えて、いま
何に取り組むべきかを考えていくことが求められます。

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社会課題解決へのイノベーションを目指して 〜英国で進化するソーシャルインパクトボンド(SIB)〜


By G8 Taskforce on Social Impact Investment

社会的活動の成果の定量化(SROI:社会的投資収益率)への関心が高まる中、
いま世界でソーシャルインパクトボンド(SIB)という
新しい投資の仕組みが注目されています。

先日、日本と英国の社会的投資の動向や事例を紹介するフォーラムに参加し、
SIBの仕組みや課題についても学んできました。

通常、行政では、すでに起こっている社会問題を優先して政策を行いますが
多くの問題は、予防措置や早期介入を行うことで
結果的に解決に必要なコスト(税金)を大幅に減らすことができるといいます。

SIBはそこに着目し、ある社会課題に対して、
予防的プログラムの実施によって使わずに済んだ行政コストを
そのプロジェクトに資金提供した投資家へのリターンとして支払うという仕組み。

SIB
Photo by CSG justice center

SIBの基本的な流れとしては、

行政が対象となるプロジェクトを選び、その実施によって削減された政府予算のうち何割をリターンとするかについて、中間支援組織と契約を結ぶ。

中間支援組織は、投資家を募集し、プロジェクトを行うサービス提供者(社会的企業やNPOなどさまざまな主体が対象ですが、本文では以下NPOとします)を選出。

NPOが受益者に対してプロジェクトを行い、第三者評価機関が成果を算出。(サービスを実施した結果として定量目標(例えば犯罪件数や失業者の減少)が達成できたかどうかによって、行政が支出すべき経費がいくら削減されたのか?をもとに算出)

政府支出の予算削減の度合いに応じて、リターンがあれば投資家には配当、NPOには成功報酬が支払われる。

関係者それぞれへの利点を整理すると・・・

・投資家は、社会貢献ができる+成果目標に達すれば財務的リターンがある。
・NPOは、寄付や助成金ではなく、投資という形で安定した資金を調達できる。
・Payment by Results(PbR)と呼ばれる成果主義が導入されていて、プロジェクトが失敗した際のリスクは投資家に移転されるため、行政府と納税者は結果的に効果のない行政サービスへの投資(税金の無駄遣い)から開放される。

このように投資家・行政・NPOの「トリプル・ウイン」が期待されるSIBですが
まだ新しい取り組みであるため課題も多くあります。

今回、英国の政策担当者、評価組織、実践者が課題として共有していたのが

・公的サービスの手が届かない人へ援助をするのがNPOの重要な役割であるのに、SIBでは目にみえる結果が求められるため、NPOは、本当に支援を必要としている人たちではなく、成果が出やすい層への支援を優先してしまう恐れがある。
・事業に対して細かいモニタリング、データが要求されるため、キャパシティのない小さなNPOには参加が難しい。
・社会的な問題を数値化しようとすると、「人の命」に値段をつける必要もでてくる。英国では、これについて倫理的な問題が議論されることも。
・全てを数字で評価すると、社会的活動の人間的な側面が埋もれてしまう。
・介入が早ければ早いほど効果は期待できるが、対象プロジェクトに対してSIBモデルが有効かどうかを判断するのには時間がかかる。(2010年に開始された最初のSIB事例では、判断に6年かかる見込み)

また、英国におけるSIBの近年の動向として紹介されていたのが

・投資家がNPOへ、資金投資だけでなく、モニタリングやデータ蓄積の段階でプロボノ支援する事例が見られているため、技術援助も考慮したリターンの仕組み作りも考えられている。
・ある社会問題で、SIBのプロジェクトによって一部地域での成果が証明されたため、政府がそこからプロジェクトを引き取り、全国的な政策につながった例も。
・SIBが始まったばかりの頃は、プロジェクトの計画も政府主体で行われることが基本だったが、最近では問題を一番熟知しているNPOがプロジェクト計画や成果目標を作り、政府はそれを選ぶだけというNPO主体のプロジェクトも現れている。
・ホームレス支援をするBig IssueやSt Mungoなど大型NPOが、プロジェクトへのコミットメントを見せるために、投資にも参加して、プロジェクトを成功させる例も出てきた。

SIBの評価を行う調査機関OPMによると
2014年の時点で世界で26件のSIBプロジェクトが認識されており、
さらに100件以上が開発中で、国や地域によって多様な形で進化しているそうです。

英国では、上記のように社会問題解決へのイノベーションを目指し
さまざまな取り組みが試される一方、
米国ではリスクを避ける傾向にあり、
元本を保証した、より債権に近い形が主流になってきているといいます。
プロジェクト例の紹介はこちら

日本では、日本財団が「中間支援組織」
SROIネットワークジャパンが「評価機関」
地方自治体が「サービス提供者」になり、
2015年にモデルケースを発表予定のようです。

また、国際開発の文脈でも注目されており、
公的サービスへの予算が特に不足する途上国で民間資金を集める手段として、
いま世界で Development Impact Bond (DIB)モデルの開発が進んでいます。

国や地域、またプロジェクトに関わる主体によって
多様なイノベーションが期待されるSIB。
これから国内外でどのように進化していくのかウォッチしていきたいと思います。

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ついにアジアにも?広がる持続可能な企業認証B Corp

企業が持続可能なビジネスを行っていることを
証明するB Corp認証が、欧州や南米をはじめ
世界中に広がりを見せ、アジアへの進出もささやかれています。

B Corp movement eyeing expansion in Asia
https://www.edb.gov.sg/content/edb/en/news-and-events/news/singapore-business-news/Feature/b-corp-movement-eyeing-expansion-in-asia.html

過去に何度かご紹介した、米国発のこの動き。

NPO B Labsが、独自に発行しているガイドライン
「B Impact Assessment」を元に
企業の経済・社会・環境側面のパフォーマンスを評価し、
認証を付与する仕組みです。

以前このガイドラインを読み込む勉強会を行ったのですが、
社員間の給与格差や地域で調達している原材料の比率など、
独自の項目が設けられており、参考になります。

(このガイドラインは2年ごとに改定され、
第4版が2014年1月に出ていますので、
どこが更新されたか、また見てみたいと思います。)

小規模な企業を中心に1200社以上が取得しているB Corp認証ですが、
これまでもPatagoniaやEtsy、Ben&Jerry’sなど大手企業も取得し
注目を集めてきました。
2014年。さらに動きは広がっています。

フランスやドイツなど欧州で初めて認証取得企業が現れたほか、
12月には、ブラジル最大の自然派化粧品会社Naturaが
株式上場企業として初めて認証を取得。
サステナビリティ推進で世界をリードするユニリーバも
取得を検討しているといいます。

Natura joins B Corps: will other big business embrace sustainability certification?
http://www.theguardian.com/sustainable-business/2014/dec/12/b-corps-certification-sustainability-natura
Will Unilever become the world’s largest publicly traded B corp?
http://www.theguardian.com/sustainable-business/2015/jan/23/benefit-corporations-bcorps-business-social-responsibility

アジアでは、すでにベトナム、台湾、香港、インド、韓国に
取得企業がいて、今後はシンガポールを拠点として
普及を進めていくとのこと。

日本でも、B Corpの展開を検討しているという話もちらほら耳にします。
今後の展開が益々楽しみです。

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シェル ナイジェリア原油流出で100億円の支払いに合意


photo by Microwave Chef

国際石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルは、
2008年にナイジェリアで発生した石油流出事故に関し、
住民とコミュニティに5500万ポンド(約100億円)を
支払うことで和解に合意しました。

Royal Dutch Shell agrees £55m Nigeria oil spill settlement
http://www.ft.com/cms/s/0/06463b86-95c1-11e4-a390-00144feabdc0.html#axzz3OmVRuQiY

これはナイジェリアのニジェールデルタ地帯の
ボドで発生した2回の原油流出事故を巡り、
2011年より住民側と裁判で争っていたもの。

流出した原油は50万バレルに及び、
60万haのマングローブ林が汚染され、
35の村に住む45000人を越える人々が影響を受けています。
多くが生業としていた漁業は壊滅状態となり、
飲料水の汚染も深刻です。

今回、シェルは操業に過失があったことを認め、
住民15600人に一人あたり平均2000ポンド、
残りをコミュニティに支払うことを了承しました。

ボドのあるオゴニランドは、長年にわたり
広範囲に原油流出による汚染が起きている地域です。
UNEPが2011年に発表した報告書によると、
修復までには30年以上が必要としています。

同地域で長年にわたり操業をしていた
シェルの責任が問われていますが、
同じ2008年にメキシコ湾で起きた流出事故に対する
対応との温度差が問題視されています。

同社は今回認めた内容以外の流出については、
主な原因は違法なパイプラインからの抜き取りにあるとしています。

The UNEP Environmental Assessment of Ogoniland – Our Response
http://www.shell.com.ng/environment-society/our-response.html

同種の問題では、エクアドルで起きている
シェブロンと先住民との争いがあります。

こちらは2011年にエクアドル裁判所がシェブロンに補償の支払いを命じましたが、
同社が拒否・控訴したことにより、裁判は米国やカナダ、ブラジルに広がり、
2014年11月には原告が国際司法裁判所(ICC)に提訴しています。

今回の和解を機に、少しでも状況が改善していくことを願います。

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ソニーのカメラがガザ空爆に「加担」?


photo by Julian Stallabrass

停戦合意が成立し、イスラエルのガザ地区への攻撃が停止して1ヶ月。

無人飛行機や空爆によるパレスチナ側の
市民を含む民間の犠牲者は2000人以上に上りました。

イスラエルのガザ攻撃に関連して、
インターネット上で話題になっていたのが、
ソニーがイスラエルの攻撃を支援していたというニュース。

Evidence shows Sony helps Israel in Gaza war
http://www.presstv.ir/detail/2014/08/11/374934/sony-helps-israel-in-gaza-offensive/

イランの報道機関PressTVが発表したこちらの映像では、
レポーターが破壊された瓦礫の中から
「SONY」「Made in Japan」と記された
兵器の一部と思われる部品が見つかったと報じています。

ジャーナリストの土井敏邦さんによるより詳しい報告はこちら。

部品は民生品として輸出されたCCDカメラの一部が
軍事転用され、誘導ミサイルに搭載されていたのではないか、
ということのようです。

民生品の軍事転用は、その恐れのある製品や技術については
法律によって輸出が規制されていますが、
CCDカメラもしかり、それですべてがカバーされるわけではありません。

今回のことが、自社の知らないところで起きていたことでも、
製品が戦争に「加担」してしまっている
事実をどう受け止めるのか。

ビジネスと人権のキーワードに出てくる「加担」という言葉の重みが
よりリアルに迫ってきます。

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Amazonの挑戦:仏で反Amazon法成立、米では無人飛行機配送を計画

prime-air_high-resolution01

今年5月、Googleに対し自分の名前で検索される
表示結果の削除を求めていたスペイン人男性の請求に対し、
EU裁判所が下した「忘れられる権利」を認め、
リンクの削除を求める判決
が話題になりました。

GoogleやFacebookなど、
革新的な技術やビジネスモデルによって
急速に市場を拡大している企業は、
生活者にこれまでになかった価値や利便性を提供する一方、
裏表の部分として常に既存の枠組みとの摩擦や
新たな社会課題を生み出します。

そうした企業の1つ、Amazonに関連して
先日フランスでインターネットの書籍販売に関して、
配送を無料にするサービスを禁止する法案が
上院で可決されました。

French senators pass ‘anti-Amazon’ law to protect small retailers
http://www.france24.com/en/20140109-french-senators-pass-anti-amazon-law-protect-small-retailers/

「反Amazon法」とも称されるこの法案は、
人口当たりの書店比率が世界一とされるフランスの
全土約3500(うち個人店主が約800)の「町の本屋」を
保護するための政策です。

フランスでは書籍のネット販売の比率は
過去10年で10%ほど伸び、現在全体の17%を占めていますが、
法律で定められている新書の値引き上限幅である5%の値引きと
無料配送によりシェアを急拡大させてきたAmazonが
そのうちの70%を占めています。

そのため政府は言論・出版の多様性を保障するものとして、
法による規制とともに小規模書店の振興策も打ち出しています。

また米国では、昨年末、荷物を顧客の手に
30分以内に届けることをコンセプトに開発された、
無人飛行機を利用した配送システムAmazon Prime Airの動画が公開されました。

実はこれ、遠い未来の話ではありません。

技術的には商業利用も実現可能な領域に入ってきており、
現在は米国政府に対し、無人飛行機に関する規制緩和を
働きかけている段階ということです。

早ければ2015年前半には規制の問題が決着し、
顧客の選択肢の1つとして登場するとしていますが、
安全性をどう担保するかという点は依然大きな課題です。

Amazonは他にも配送工場での過酷な労働の実態が
BBCなどの潜入取材によって暴露され
問題になっています。

指摘されるこうした負の部分にどのように応えていくか、
今後の対応が注目されます。

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