ステークホルダーとのエンゲージメント」カテゴリーアーカイブ

社会課題を身近に ーバーチャル・リアリティの力

Screen Shot 2017-01-06 at 11.02.54 AM
Photo by Knight Center for Journalism in the America

ニュースで見るさまざまな社会・環境問題ー
深刻そうなのはわかるが、いま自分に影響がないし、
実際に何が起きているか想像しにくく
中々行動を起こすことにはつながらないという人が多いのではないかと思います。

他人のことや、遠い国・未来のことを「自分ごと化」するのは難しいことですが
問題についてより具体的にイメージできれば
何かしたいと考える人は増えるのではないでしょうか?

2016年、海外では五感に訴えかける「バーチャルリアリティ(VR)」の技術が
サステナビリティやコーズマーケティングの分野で
活用される事例が多く見られました。
VRは、データや統計を使った情報とは違うレベルのインパクトを人々に与え
人々の感情により強く働きかけることが期待されています。

いくつか事例をご紹介します。

靴が1足売れる度に途上国の子どもに靴を届けるTOMS shoesは、
これまでに6,000万足以上の靴を寄付してきました。
もっと多くの人に支援の必要性を理解してもらうため、
2016年にVRを活用した告知キャンペーンを開始。


左上の矢印で動画をコントロールすることができます。

この映像では、TOMs shoesで靴を購入した消費者が
コロンビアに靴を届けにいく様子と
靴を受け取った子どもの生活が変化する様子を
視聴者が360度自由にコントロールすることが可能な動画を通して伝えています。
360度動画は消費者と子どものナレーションとともに展開していくので
登場人物の動きや感情をリアルに追体験することができます。

また、国際的な人権団体Terre des Hommesが作成したのが
ケニアの児童奴隷が暴力や性的虐待を受ける様子を子どもの視点から伝えるアプリ。

iphoneを動かすことで映像を360度動かすことができるので
まるで自分がこの現場にいて、この映像を撮影しているような気分になります。
撮影には5つのマイクをつけたカメラを14台も使用しているので
音にも臨場感があります。

このショッキングでリアルな映像を見たら、
「なぜこのような事が起きているのか知りたい」
「何かできることはないのか」
と考える人も少なくないのではないでしょうか?

アプリの内容は以下の360度動画としても発信されています。

英国の自閉症協会では
音や光などに対する感覚が過敏な自閉症の子どもにとって、
外を歩くのがどんなに恐ろしいかを
体験できるシュミレーター(ヘッドセット)をつくりました。
自閉症協会では、人間は他人の体験を実際に経験することで共感しやすくなることから
シュミレーターを通して自閉症に対する理解を少しでも高め、
差別をなくしていくことをめざしています。

シュミレーターで体験できる内容は以下の動画で確認できます。

※大きな音や激しい光が含まれるので気をつけてください。

VRは、環境破壊の現状を人々に実感してもらう上でも
効果が期待されています。

スタンフォード大学の研究所では、
CO2が海を酸性化させている現状とこのまま気候変動が進むと海がどうなるかを
VRを通じて人々に体験してもらうことで
人々が環境保護のために行動を起こすよう働きかけることをめざしています。

2017年も、VRがサステナビリティ分野でどのように進化していくかウォッチしたいと思います。

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栄養へのグローバルアクセス指数2016

nutrition index
写真:Global Access to Nutrition Indexウェブサイト

世界では8億人が十分な食事をとれず、20億人が栄養不足の状態にありますが
60億人が太り過ぎで、肥満による経済損失は、医療費や生産性損失によって
世界のGDP総額の約2.8%にあたる2兆ドル(約12兆円)に上ります。(*1)

オランダのGlobal Access to Nutrition Foundation
栄養問題解決には企業が果たす役割が大きいとして
世界の22の食品・飲料メーカーを対象とし
肥満撲滅や栄養改善への取り組みをランキング化した
Global Access to Nutrition Index2016を発行しました。

Global Access to Nutrition Indexイニシアチブの投資家声明に署名している
投資家の総資産は3兆ドル(約355兆円)になります。

本指標では「ガバナンス、製品、アクセシビリティー(提供する健康的な食品が入手しやすいか)、
マーケティング、ライフスタイル(従業員と消費者の健康)、
ラベリング(充実した情報提供によって消費者の商品選択に影響を与える)、
エンゲージメント」の7つの視点から
栄養価の改善や肥満撲滅につながる
「コミットメント、取り組み、情報の開示状況」を評価します。

トップ3には、栄養分野の社会課題解決を事業活動のコアに位置付けている
ユニリーバ、ネスレ、ダノン、
日本企業からは、ガーナでの取り組みが評価された味の素が15位となっています。

トップ3の主な評価ポイントは
ユニリーバ:栄養分野のリスク・機会分析を行うための
ガバナンスシステムが確立されている。
独自の栄養素分析・記録システムを世界中の全ブランドで使用し
外部・内部専門家が定期的にレビューを行っている。
ネスレ:最高ガバナンス機関が承認した明確な戦略をもとに
「健康的な食品へのアクセス向上」「商品の成分見直し」「責任あるマーケティング
に取り組んでいる。
ダノン:手ごろな価格で提供できる健康的な食品の開発と
積極的なステークホルダーエンゲージメントを行っている。

日本企業で唯一対象になっている味の素は
途上国での活動が高評価を受け、
出産適齢期の女性や産後1000日後の子どもに焦点をあて
大学や政府、NPOとともに行っている「ガーナ栄養改善プロジェクト」が
栄養不足解消の先進事例として取り上げられています。

特に、現地での生産や現地に適した流通ネットワークをつくると同時に
消費者への栄養教育を行うなど
包括的な取り組みを行っている点が評価されました。

味の素の栄養関連取り組み全体への改善案としては、
・会社としての”健康な食品”の定義が不明確
・責任あるマーケティングと栄養表示へのコミットメントが不十分
・ステークホルダーエンゲージメントの事例は公開されているが
フィードバックの反映度やステークホルダーエンゲージメントの構造が不明瞭
・ラベリング、マーケティング、流通など主要分野の戦略における経営陣の意見が見えない
などが挙げられています。

財団の代表は、「消費者の健康意識が世界中で向上している中で、
栄養課題への取り組みは企業責任を果たすだけでなくビジネスチャンスでもある」と述べています。

ーーーー
※1: 世界人口の約3割、過体重か肥満 報告書 http://www.afpbb.com/articles/-/3032306

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干ばつで苦しむカリフォルニアがオーストラリアから学べること


photo by Don DeBold

サケの稚魚3000万匹を海に搬送

カリフォルニア州では干ばつによってサクラメント川の水位が低下。
サケが川を下れないため、トラックで3000万匹の稚魚を搬送して
海に放流をしました。

カリフォルニア州は現在、過去最悪の干ばつに見舞われています。

3月中旬、長年にわたって干ばつに苦しんできた
オーストラリアにおける取り組みから学ぼうと、
Circle of Blueが豪・米の水専門家をつないでオンラインセッションを開催しました。

‘Transformational’ Water Reforms, Though Wrenching, Helped Australia Endure Historic Drought, Experts Say
http://www.circleofblue.org/waternews/2014/world/transformational-water-reforms-though-wrenching-helped-australia-endure-historic-drought-experts-say/

Circle of Blueは
世界経済フォーラムの水保障検討チームに所属するメンバーをはじめ、
ジャーナリストや写真家、研究者によって
世界の資源危機に対して警鐘をならすことを目的に設立された団体で、
特に水問題に重点をおいて活動しています。

オーストラリアでは2009年までの8年間、
長期にわたる干ばつに苦しんできました。

中でも、主要な産業であり、
全国の水使用量の3分の2を占める
農業における対策が重要な課題でした。

オーストラリアでは80年代より、
水不足に対して利用の効率化を図るため、
水利権を取引できる水取引制度が設けられていました。

しかし従来水利権は土地の所有権とセットで付与されていたため、
あまり柔軟性のある形で運用がなされていないという問題がありました。

そこで土地所有権と水利権を切り離し、
水の使用に際して市場原理が適切に機能し
水の有効利用を最大化されるようするシステムを見直しました。

同時に100億ドルを灌漑設備の改善に投資。
結果として、干ばつが最悪レベルを記録し
農業で利用できる水の最大量が1/3になった年でも、
収穫量は70%を維持することができました。

また都市では、節水教育と料金の値上げにより、
水使用量を35~50%削減できたそうです。

一方で100億ドルを投資して建設した6機の
海水淡水化プラントは、現在稼働しているのは2機のみ。
高価な設備に頼るのではなく、
まずは安価で有効な代替手段に取り組むべきという教訓です。

カリフォルニアでも、新たな地下水規制や
水管理計画への数十億ドルの投資など、
新たな対策への動きが見られており、
干ばつに強い水管理システムを構築できるかが問われています。

今回のオンラインセッションには、世界から400人が参加したそうです。
国境を越えたベストプラクティスの共有が簡単にできるようになった時代。
バーチャルでやっている私たちエコネットワークスも、
普段のノウハウを生かして貢献できることがあるのではないかと思っています。

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増える企業の人権特集 遅れる政府の人権対応 


photo by University of Essex

2013年度の企業のCSRレポートを眺めてみると、
人権に対する記述が充実してきていることが
特徴の1つに挙げられます。

たとえば三菱重工業では、
人権デューデリジェンス・ワークショップや
ステークホルダーダイアログを通じた
人権に関する課題の把握・特定のプロセスについて紹介。

・健康および安全
・労働時間
・賄賂と腐敗
・児童労働
・武装勢力への支払い
の5つを製造業において重要と考える
人権課題として特定しています。

東芝では「サプライチェーンでのCSR推進」の特集で、
サプライヤーへの取組みついて報告しています。
紛争鉱物問題では、会社としての対応方針を定め、
2012年度にはのべ約1万社に対して理解度および取組み状況の
調査を実施しました。

カシオも同様に特集で人権について取り上げ
継続した外部有識者との対話を通じて
取組みを進めている様子を報告しています。

こうした有識者をはじめとするステークホルダーとの対話を通じて、
人権に関する外部の動向を把握し、取り組みを進める企業が
少しずつ増えてきています。

以前飲料メーカーの人事担当の方と話をする機会がありましたが、
「日本企業はこれまで人権といえば同和問題で、
組織の中に対してしか目がいっていなかった。
これからは外に広く目を向けていくことが本当に大事だと思う。」
というようなことを言われていました。

とても大事なことだと思います。
一方で、外(海外)だけでなく、
足元(国内)に目を向けることも大切です。

先月25日、民族差別や性的マイノリティ、従軍慰安婦などに
取り組む団体により、日本政府に国連の人権勧告を受け入れ、
対応することを求めるデモ
が行われました。

昨年末に日本が遅れて加盟した障がい者権利条約をはじめ、
国連の人権理事会や各種の人権条約は締約国の順守状況をチェックして、
評価や懸念を政府に勧告し、対応を促しています。

慰安婦を否定する公的発言。婚外子の相続差別。
朝鮮学校の無償化除外。男女の賃金格差。
いずれも勧告で対応を促されている項目ですが、
日本政府の動きは鈍く消極的です。

人権の概念が日本人にはわかりにくいと言われますが、
こうした国内の状況に目を向けていくことが、
人権に対する意識を高める第一歩になります。

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バングラデシュのビル崩壊事故から2ヶ月 各社の対応は今

May Day
photo by Pagla Dashu পাগলা দাশু

今年4月に発生したバングラデシュの衣料品工場の崩壊事故。

日本ではもう関連報道がほとんど見られませんが、
背景にある問題解決に向けた動きはまだ始まったばかりです。

今回の事故を受け、グローバルブランドは様々な反応を見せています。

欧州企業を中心とした約50社は
バングラデシュ政府と5年間の安全対策協定を締結。

H&MやInditex(Zaraを展開)、
PVH(Calvan KleinやTommy Hilfigerを展開)などのアパレルブランドや
Tesco、Primarkなどの小売メーカーが参加を表明しています。

協定では、労使代表や専門家を交えたパネルの設置や、
独立機関による工場への立ち入り検査と結果の公表、
従業員向けの教育の実施、
最大年間50万ドルの対策への資金拠出などを求めています。

一方、すでに行っている対策で十分であり、
協定が法的拘束力を持つことに反対して署名を拒否した、
GAPやWal-mart、Macy’s、Sears、J.C. Penneyなどの米国企業は、
独自にガイドライン策定するとしています。

報道によれば今月にも協定の締結にいたるとされ、
対策に5000万ドルを拠出すると言われていますが、
「自主的な」ガイドラインにどこまでの有効性があるのか、
人権団体などからは疑問の声があがっています。

今回、市民団体は事故を受け、
最大手のH&MとGapを対象としたキャンペーンを展開しました。
120万筆以上のオンライン署名が集まり、
両社の動きを後押ししたといえます。

H&Mは以前からバングラデシュの労働環境改善に向け、
独自での対策のほか、政府への働きかけも行ってきました。
しかし結果的に今回の事故が起きてしまい、
1社での取組みには限界があったことや、
協定の締結に及び腰であったなどが一部で批判されています。

一方、ユニクロを展開するファーストリテイリングは、
生産工場が70社と他社に比べて少ないことなどから、
パートナー工場との協力を通じて
監査などの予防対策を強化するとし、
協定には署名しないと語っています。

対策の進め方と情報開示のあり方。
法的拘束力のあるイニシアチブへの参加か、自主的な取組みか。
自主的な取組みの場合、客観性をどのように担保するのか。
1社できない部分に対して、どう対処し、責任を果たして行くのか。
何かが起きたときにどのように対応し、批判に応えていくのか。

カンボジアやベトナムでも、同様の事故は頻発しています。

従業員の待遇や労働環境という、
ファストファッションのビジネスモデルそのものが持っている、
避けては通れない業界の本質的な問題に対し、
どのように取り組んでいくのか。
各社の姿勢が問われています。

最後に、事故の悲惨さを訴える1枚の写真と
スペインで行われた抗議アートをご紹介します。

・Time社の男性が女性を守ろうとしながら亡くなっている写真。
(ショッキングな内容です。閲覧にご注意ください。)

A Final Embrace: The Most Haunting Photograph from Bangladesh

・スペイン人アーティストによる事故の再現「Fashion Victims」

私自身、一消費者として、過ぎたこととして忘れてしまわずに、
何ができるか、何をすべきかを考え行動していきたいと思います。

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サプライチェーンのグリーン化に向けて 中国NGOと日本企業による対話 

Enviornmental Roundtable Discussion
photo by MDGovpics

先月、北京でサプライチェーンのグリーン化をテーマに
中国NGOと日本企業による対話フォーラム
「グリーン・サプライチェーン円卓会議/第6回東アジア環境市民会議」
が開催されました。

開催報告:
グリーン・サプライチェーン円卓会議を北京で開催
http://www.enviroasia.info/news/news_detail.php3/J13030601J

日本の東アジア環境情報発伝所と中国の環友科学技術研究センターが主催、
緑色選択連盟(GCA)共催の下、
中国NGO関係者を中心に80名以上の参加があったそうです。

共催に名を連ねている緑色選択連盟(Green Choice Alliance、GCA)は、
サプライチェーンのグリーン化に取り組む
40以上の現地環境NGOによるネットワークです。

以前私たちもGCAの取組みと成果に関する分析をご支援したことがありますが、
複数のNGOが連携して組織的・戦略的にキャンペーンを展開して
市民やメディアを巻き込み、影響力を発揮している団体です。

2010年にはグローバルIT/電機メーカーをターゲットに、
サプライチェーンにおける重金属汚染のキャンペーンを展開し、
その中でも改善の動きが見られなかったアップルに対して
集中的にキャンペーンを行うことで、改善に対する取組みを約束させました。

詳しくはこちら

日本企業からは、パナソニックとキヤノンの現地環境担当者が
招待に応じて参加しています。

先日キヤノンの環境担当者が来日した際に、
「日本企業は内向きで、積極的に外部とのコミュニケーションを図っていない。
もっと外に出て行って、対話をすることが求められる」
と言われていたのが印象的でしたが、
有言実行、対話の場に参加をしたことで、
GCAから受けていた低い評価が一気に高まったそうです。

マルチステークホルダーでの対話の重要性は高まるばかりです。

中国でのダイアログを開催した際の経験などを活かし、
私たちも少しでも貢献していきたいと思います。

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ユニクロと資生堂 市民運動の成果による2つの「廃止宣言」

Ban Symbol
photo by uvw916a

今年に入って、業界大手から
2つの「廃止宣言」が出されました。

いずれも市民運動の成果とも言える内容で、
注目を集めています。

1つはユニクロを展開するファーストリテーリングによる
2020年までの危険化学物質廃止」宣言。

すべての製品において、
生産プロセス及び製品ライフサイクルにおける
危険化学物質を2020年までにゼロにするとしています。

国際環境NGOグリーンピースが
世界の大手アパレルブランドを対象に展開している
デトックス・キャンペーン」を受けたもので、
PumaやNike、H&MやZaraに続き12社目、
日本企業では初めての合意となります。

もう1つは資生堂による
化粧品・医薬部外品における動物実験廃止」宣言。

動物実験の廃止を求める会(JAVA)などの市民団体が、
2009年から業界最大手の資生堂を対象にした
キャンペーンに着手。

資生堂側も、ステークホルダーとの円卓会議を毎年開催するなど、
徐々に対応をはじめ、2010年に
「動物愛護の観点から化粧品における動物実験の廃止を目指す」と発表。

動物実験代替法に基づく安全性保証体系を確立したとして、
今回の宣言に至りました。

市民運動による大きな成果といえるこれらの動きですが、
課題もあります。
いずれもまだ、業界トップ1社のみの取り組みにとどまっていること。

海外の大手企業を見ると、自らイニシアチブをとって
その取り組み自体を業界標準とすべく、
業界全体を巻き込む活動を展開しています。

他社を巻き込んでいく部分は、なかなか1社だけではできません。
NGO/NPOとも連携しながらどのようにその動きを作っていくのか。
今後注目していきたいポイントです。

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ゼネラルミルズのFacebookページが炎上! 盛り上がる反GMOキャンペーン

ハーゲンダッツなどのブランドを展開する
米国食品大手のゼネラルミルズの
シリアルCherriosのFacebookページが、
反GMO(遺伝子組み換え作物)キャンペーンの
ターゲットとなっています。

Cherriosのページに行くと、

Cherrios
https://www.facebook.com/Cheerios

ファンからの投稿にはずらっとGMO反対のコメントが。

また最近までCherriosのイメージについて
2~3ワードでファンがコメントできるアプリがあったのですが、
GMO反対のメッセージで埋め尽くされたため、
アプリが削除されてしまいました。

きっかけとなったのは、カリフォルニア州で審議されていた
GMOのラべル表示を義務付ける法案
California Proposition 37」です。

反対51.5%、賛成48.5%の僅差で否決となったのですが、
法案反対へのロビイングにゼネラルミルズが
100万ドルを投じていたとして、
今回のキャンペーンが企画されました。

New “GMO Inside” Campaign denounces corporate disinformation campaign that defeated California’s Prop 37
http://www.greenamerica.org/about/newsroom/releases/2012-11-08-New-Green-America-GMO-Inside-Campaign-Denounces-Corporate-Disinformation-campaign-that-defeated-Californias-Prop-37.cfm

特に子どもの健康への影響を懸念する
お母さんたちからのコメントが目立ちます。

このような生活者からの声にどのように対応するか、
今後の同社の対応を注視しています。

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ネスレのチョコレートが児童労働で作られている、のニュース裏側を見てみると

「ネスレのチョコレートが児童労働によって作られている
(Nestle chocolate is produced from child labor)」

こんなニュースのヘッドラインを目にし、
気になって背景を調べてみました。

というのも以前、ネスレがカカオ豆の持続可能な調達を目指す
NESTLÉ COCOA PLANの一環として、
グローバル食品企業で初めて、
人権・労働問題に取り組む米国NGO Fair Labor Association(FLA)と
パートナーシップを結び児童労働に取り組んでいく、
というニュースを耳にしていたからです。

よくよく調べてみると、
グローバル企業がNGOに批判されている、
という単純なものではありませんでした。

同社がFLAにサプライヤー監査を依頼し、
問題点が多数見つかったので、ネスレはアクションプランを発表し、
今後協力して取り組んでいく、という一連の動きのようです。

ネスレが児童労働に対する取り組みを強化、
としてCNNでもその様子が取り上げられています。

FLAがネスレのカカオの主な調達地であるコートジボワールを訪問。
30のカカオ協働組合、87の農場、460人以上のインタビューを行った結果、
同社のこれまでの取り組みにも関わらず、長時間労働や安全違反など
サプライヤー基準に対する違反が多数見つかり、依然
児童労働が存在している実態を明らかにしました。

FLAはネスレに対して11の勧告を行い、
同社はそれらを踏まえたアクションプランを発表。
政府や地元コミュニティと協力し、
農家の教育や児童労働問題の改善に数年かけて取り組んでいき、
FLAが経過をモニタリングしていきます。

Nestlé sets out actions to address child labour in response to Fair Labor Association report on the company’s cocoa supply chain


一連の結果をまとめたインフォグラフィック

ネスレは、今回の監査により、これまで把握しきれていなかった
サプライチェーンの実態と問題点が明らかにされ、
取り組むべき課題が明確になったとしています。

不安定な国の情勢など、児童労働問題の背景には複雑な要因があり、
1社だけでは解決できない問題ですが、
ネスレは同国で生産されるカカオの10%を購入する一大バイヤーであり、
影響力を活かして変革のリーダーシップを取っていくことが期待されています。

具体的なアクションはこれからですが、
ステークホルダーと協力して課題解決に取り組んでいく、
ステークホルダー・エンゲージメントの好事例といえます。

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ユニリーバがイノベーションのWantsを発表

HELP
photo by marc falardeau

「1リットルあたり1セント以下で貧困層に安全な水を提供する技術。」
「漂白剤や強酸、アルコールを使わずにウィルスを不活性化する掃除用原料。」
「重量、体積、廃棄量をへらす包装資材。」
「低温かつ少ない水で洗濯ができる洗濯用品。」
「味を損なわずにナトリウム含油量を減らす技術。」

実はこれ、ユニリーバが現在募集している
イノベーションのテーマです。

同社は「環境負荷を半減しながら売り上げを倍増する」という
目標を掲げ、様々な取り組みを展開しています。

目標達成に向けた取り組みを加速するため、
先月、オープン・イノベーションをコンセプトに
外部の専門家からイノベーションとなる技術を募集する
プロジェクトを開始しました。

Challenges and wants
http://www.unilever.com/innovation/collaborating-with-unilever/challenging-and-wants/index.aspx

これまでも外部との連携により、
インドで展開する浄水器Pureitなどを開発してきましたが、
同社が求める”Wants(ウォンツ)”をより積極的に公開することで、
解決する技術を募っています。

テーマは多岐にわたります。
それぞれに「募集する理由」「考えていること」「求めていること」がまとめられており、
解決する技術を持っているよという人はウェブ上でそれを投稿することができます。

<募集中のWants>
・安全な水
・ウィルス
・包装
・洗濯
・減塩
・歯磨き粉
・食品保存
・蓄エネ
・シャワー
・消費者行動の変容

外部との連携により技術開発を進める
「オープン・イノベーション」のコンセプト、
色々なところにで目にするようになっており、
サステナビリティの文脈では欠かせない要素です。

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NPO、企業、市役所 多様な人が交わるポートランド市の情報発信基地

近鉄百貨店が2014年に増床オープンする阿倍野本店で、
NPO向けに低料金で活動スペースを提供するそうです。

近鉄百貨店、阿倍野新本店にNPOに活動スペース提供へ
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120325/biz12032500440000-n1.htm

店内8カ所・約500㎡を、近隣の公共施設の価格を参考に
低料金で貸し出します。

開業までに100団体を目標に呼びかけ、
幅広い層が活動するNPO関係者に百貨店に親しんでもらい、
新しい顧客層の開拓につなげていくとのこと。

このようなスペース提供のより発展的な形としては、
米国ポートランド市のJean Vollum Natural Capital Centerが参考になります。


Jean Vollum Natural Capital Center
http://www.ecotrust.org/ncc/

環境NGO EcoTrustが運営するこちらの施設。

市の中心部にある古倉庫を改築し、
市民団体や企業、行政などの様々な主体が
テナントとして入っています。

森林保護や生物多様性保全に取り組むNGO。
アウトドアブランドのパタゴニアやサステナブル投資を行う投資会社。
オーガニックフードのカフェ。
ポートランド市の開発・サステナブル局。

施設がサステナビリティに取り組む
多様な主体からなるコミュニティとなっており、
最前線の情報発信基地・触媒としての機能を果たしています。

提供する側・利用する側の双方にとって
初の試みとなる百貨店での活動スペース提供。

顧客層の開拓にとどまらない新たな価値の創出が期待されます。

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2つのインプット案を提出 リオ+20に向けた日本の動き

Rio +20 Reunião Sociedade Civil com  Ban-ki-Moon ONU
photo by Cintia Barenho

先日、GEOCで開催された「第1会NGO×政府意見交換会」に
参加してきました。

来年6月にブラジルのリオデジャネイロにおいて、
国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催されます。

主要テーマとして議題に挙がっているのは、以下の2点。
「グリーン・エコノミー(持続可能な開発及び貧困緩和の意味でのグリーン・エコノミー)」
「持続可能な開発の組織的フレームワーク」

11月1日までに、世界各国の政府やNGOなどのステークホルダーが
事前のインプット文書を提出することになっており、
事務局には現在、合計644のインプット文書が集まっています。


事務局ウェブサイトより

日本からは、政府と、リオ+20国内準備委員会による
2つのインプット案が提出されています。

■政府案
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/10/1031_05.html

■リオ+20国内準備委員会案
http://www.mri.co.jp/SERVICE/thinktank/kankyou/2030913_1458.html

リオ+20国内準備委員会には、
NGO、科学技術コミュニティ、企業・産業、
子ども・若者、労働者・労働組合、地方自治体、女性、
農業者、先住民の9つのステークホルダーが参加しています。

数ヶ月にわたるマルチ・ステークホルダーによる議論を経て、
今回のインプット案を取りまとめました。

本番まで残り200日あまり。
今後は国内各地で勉強会や意見交換会が予定されています。

私たちエコネットワークスでも、
これまでに培ったブラジルのネットワークを活かし、
日本からの発信に何かしらの形で貢献していきたいと考えています。

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海洋のグルネルが発足-仏

先月末、フランスの環境グルネル会議に
「海洋」をテーマにした新しいグループが発足しました。

「海洋のグルネル発足!(”Le Grenelle de la Mer est lancé !”)」
http://www.developpement-durable.gouv.fr/article.php3?id_article=4406

~~~~~~~~~~~

「環境グルネル」とは・・・

「環境問題に関する国民会議(環境グルネル会議、Grenelle de l’environnement)」のことです。
2007年にサルコジ大統領の主導で発足した、
持続可能性に関する様々なテーマを話し合うための作業グループです。
国・地方自治体・NGO・企業・労働者の5分野の代表が6つのグループに分かれて活動しています。

~~~~~~~~~~~

海洋のグルネルでは、以下の4つのテーマについて議論し、
5月までに提言をまとめることになっています。

1、大陸と海洋の双方に配慮した海岸の開発
2、競争力があり、環境にも負荷を与えない海洋活動の推進
3、海洋に関係する職業の価値を認識し、海洋活動を活性化させる
4、世界レベル、欧州レベル、国レベル、地方レベルでの新しいガバナンスの確立

一見、フランスがなぜ海?と思うかもしれませんが、
カリブ海などに海外県などがあり、海を挟んで約30の国と
国境を接しています。
そのためEEZ(排他的経済水域)の面積もアメリカに次いで世界で2番目となっています。

海洋を重要なテーマとして認識し、
積極的にイニシアチブをとっていこうとする姿勢がうかがえます。

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最先端技術を活かしての地雷探索機開発

<NGOとの連携②>

日本の最先端技術が生かされたNGOとの協働事例といえば、
地雷探知機の「マイン・アイ」の開発製作ではないでしょうか。

NPO法人JAHDSと技術協力して地雷探知機が開発され、
タイ・カンボジアでの地雷除去に役立たれています。
(JAHDSは活動をタイの現地法人に引き継ぎ、2006年に解散)

株式会社ジオ・サーチは、道路の陥没を防ぐため、
事前に地中の空洞を発見する技術を持っていました。

その技術を活かして開発されたのが、
地雷探索機「マイン・アイ」です。
従来の金属探知機と比べ、精度・効率ともに各段にアップし、
地雷発見に大きな役割を果たしています。

加えて興味深い点は、
いくつもの企業がそれぞれの強みを活かして開発に協力している点です。

電波センサーの部分でオムロン、
コンピュータ・ソフトウェアの部分でIBM、
液晶部分でシャープ、、
現地の輸送車両の部分ではトヨタやホンダ、など。

このつながりも、企業人間の声かけによって出来上がったといいます。
こうしたより生身の部分があって初めて
新しい活動が生まれていくのかもしれません。

【参考】B-LIFE21 2002年度寄付講座
第19回: 「地雷汚染に苦しむ人々のために」

http://www.zeroemission.co.jp/B-LIFE/SFC/speech02/sp0219b.html

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積水ハウス×シェアリングアース協会

<NGOとの連携①>

「3本は鳥のために、2本は蝶のために」

積水ハウスが2001年からスタートした「5本の樹」は、
里山をお手本に住まいの一部に自然を再現しようという試みです。
http://www.sekisuihouse.co.jp/sustainable/2007/highlight/high04.html

住宅の庭の植栽として、
その地域に自生する在来種の樹を5本植えます。
そうすることで、庭は地域の自然と調和し、
鳥や虫が集まってきて、森・里山をつなぐ自然の一部となります。

2006年のグッドデザイン賞を受賞した同社の取り組みですが、
このプロジェクトを実施するにあたって
シェアリングアース協会の力を借りています。
http://www.sharing-earth.com/index.html

同プロジェクトの初期の段階から
アドバイザーとして計画に携わり、
庭木と生物の関係を図鑑にした「庭木セレクトガイドブック」
の編集にも協力しています。

今年で7年目となるこの取り組み。
2006年度の実績は75万本だそうです。

単発の取り組みで終わってしまうのではなく、
長期的に1つのプロジェクトに共同で取り組んでいる
この事例はとても参考になると思います。

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