英 ジェンダーステレオタイプな広告規制はじまる

2019 / 3 / 29 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

ジェンダーステレオタイプを強化する広告を
禁止するという英国での動きを以前紹介しました。

炎上事例からどう学ぶ? ジェンダーと、多様性と、人権と

その後具体的な検討が進み、昨年、広告コードを設定している
広告実践委員会(CAP:Committee of Advertising)が新たな指針を発表しました。

Advertising Guidance on depicting gender stereotypes
https://www.asa.org.uk/resource/advertising-guidance-on-depicting-gender-stereotypes.html

2019年6月より適用される新たなコードには、
「広告は、有害な影響がある、または深刻な
あるいは広範な攻撃性を持つジェンダーステレオタイプを含んではならない」
と明記されることになります。

具体的なガイダンスも発表されており、
そこでは例えば以下のような項目を問題があるものとして提示しています。

・男性は何もせず、女性だけが家族が散らかした家の中を
片付ける責任があるように描く

・性別が原因でうまくできない様子を描く
例:男性が紙おむつを替えられない、女性が車を駐車できない

・恋愛や社会生活がうまくいかない原因が、
ジェンダーと結びついた理想像と異なる体形や身体的特徴に
よるものであると示唆する

・新しく母親になる人に、魅力的であることや家をきれいに保つことが
本人の精神的な安定といったその他の要素よりも優先すべき
といった観念を促すようなもの

・ステレオタイプな「女性」の役割や仕事を演じる男性を小ばかにする表現

一方で、必ずしも以下を禁止するものではないとしています。

・魅力的な、人を惹きつける、あこがれる、健康的な人々やライフスタイル
・広告や商品開発において1つのジェンダーのみを対象とすること
・負の影響に挑戦する手段としてジェンダーステレオタイプを描くこと

こうした問題提起をすると必ず、
「何もかも規制されてはクリエイティブな表現ができなくなる」
といった意見がでます。

表現やメッセージのあり方は多様であっていいと思います。
しかしだからといって、それは誰かを傷つけていい理由にはなりません。

社会的な影響力のある企業として発信をする際には、直接的な影響だけでなく、
既存の構造を間接的に固定化することに加担していないか、
と問う視点も大切です。

表現の問題は、正解があるわけでなく、
OK・NGのボーダーも時代と共に変化します。

一人一人が人権や多様性に対する感度を高めることが大切であり、
そうした意識を養うためには、具体的な事例を元に学ぶことが一番です。
例えば下記のような記事も参考になります。

英国で2017年に問題提起が多く寄せられた広告のトップ10
Top 10 most complained about ads from 2017
https://www.asa.org.uk/news/top-10-most-complained-about-ads-from-2017.html

このエントリーをはてなブックマークに追加

Sustainability Frontline もっと学びたい方へ

この記事で取り上げたテーマについてより詳しく知りたいという方は下記よりご連絡ください。より詳しい内容理解 / 勉強会でのライトニングトーク / 社内セミナーでの話題提供など、一緒に学びを深める機会を作っていきたいと思います。

お名前
メールアドレス
企業名、団体名
詳しく知りたい内容など

プライバシーポリシーに同意する