中国の固形廃棄物輸入禁止によるアジア諸国への影響

2018 / 12 / 1 | 執筆者:Yurie Sato 佐藤百合枝


Photo by Hong Kong Free Press

2017年に中国が固形廃棄物の輸入を禁止して以降、廃棄物が他の国に送られるようになり、
アジア諸国では規制を厳しくする動きが強まっています。

今回は、プラスチックごみに焦点をおき、事例とともに課題の現状についてお伝えします。

●タイ
中国が固形廃棄物の輸入を禁止して以降、
米国、英国や日本はプラスチック廃棄物の輸出先としてタイへの依存度を高めています。
2018年、12万トンのプラスチックごみと3万7,000トンの電子廃棄物が輸入されました。
これを受け、政府は10月にプラスチックごみと電子廃棄物輸入の一時的な差止めを実施。
11月には、2021年までに全てのプラスチックごみの輸入を禁止することを発表しました。

●マレーシア
マレーシアはアジアの中で米国のプラスチックごみの最大の輸出先です。
急増する輸入プラスチックを適切に管理するために
ごみ1トンに対し15リンギット(約405円)の課税を開始しましたが、
専門家によると、課税額が低すぎるため輸出国の意思決定には影響しないとのこと。
マレーシアのNGOは完全な輸入禁止を求めています。

●ベトナム
米国、欧州、豪州などから輸入した固形廃棄物は
2017年末から2018年5月までに20フィートコンテナ*8,000個以上に達しました。
(※20フィードコンテナの最大積荷荷重は21,600キロ)
ある国際港ではプラスチックごみの受入れ容量を超過し、
6月から11月にかけて輸入を一時的に停止しています。
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年間900万トンのプラスチックごみが発生している日本にとっても他人事ではありません。
以下の表は、プラスチックごみの輸出量が多い国のランキング。
1位が香港、2位が米国、3位が日本、4位がドイツ、5位が英国となっています。


表:Raconteur、2016年

2016年時点で、日本は世界第3位のプラスチックごみ輸出国でした。
中国の輸入規制開始後、他のアジア諸国に輸出をしていますが、
それらの国でも規制が進んだらどうなるのでしょう?

日本には使い捨てプラスチック製品に対する規制はなく、
2018年のG7サミットでも、日本と米国が「海洋プラスチック憲章」*に署名しなかったことが、国際社会から強く批判されています。
(※2030年までに使い捨てプラスチック製品を禁止し、
2040年までにプラスチック容器の再利用・リサイクル率を100%にすることを目指す)

植物由来の原料を使ったペットボトルの開発等に取り組む企業も増えていますが、
この取り組みのペースでは、米国や韓国で起きているように
行き場のなくなったごみが街に溢れ出すような事態が日本でも起きるかもしれません。

使い捨てプラスチックから脱却するための急速な仕組みづくりが求められます。

ーーー
参照
●タイ
https://www.waste360.com/legislation-regulation/thailand-ban-foreign-scrap-plastic-imports

●マレーシア
https://www.eco-business.com/news/malaysia-to-ban-single-use-plastic/

●ベトナム
http://www.waste360.com/business/vietnam-temporarily-suspends-scrap-plastic-imports
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