どう超える 意識の奥底に潜むステレオタイプ

2018 / 10 / 2 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

「私作る人、僕食べる人」

1975年に放送された、ハウス食品のラーメンのCM。
日本でジェンダーの問題が大きく注目されるきっかけとなりました。

あれから40年。
今の時代にそんなCMが流れたら、ほとんどの人が違和感を感じるでしょう。
(実態はともかくとして)

では、こんな悩み相談に、あなたならどう答えますか。

「私は保育園の先生をしています。

パートナーは長距離トラックの運転手。
家事・育児を2人で協力してやっていこうと約束して結婚しましたが、
現実は私がほぼ一人でやっています。

何度か話をしましたが、もう別れようと考えています。」

いいアドバイスが浮かんだでしょうか。

ちなみに、この相談、保育園の先生が夫で、
トラック運転手が妻という家族です。

参考:実際にある高校で行われている授業です。
「男らしさ、女らしさって何?」高校生、1年かけて学ぶ

長い年月をかけて、無意識のうちに固定化されてきた
私たちの奥底に潜む「ステレオタイプ」は、
そんなに簡単には変えることができません。

そしてそのステレオタイプを強化するのが、
私たちの周囲を囲むメディアや広告です。

そうした状況を変えていこうと、
ベルギーやフランス、フィンランドなどでは広告における
ジェンダー差別を規制する法律が整備され、
業界による自主規制も広がっています。

広告業界ではユニリーバやAT&Tを筆頭に、P&G、マーズ、ディアジオ、
グーグル、フェイスブックなどの企業が参加してUN Womenと連携した
「アンステレオタイプ・アライアンス」が立ち上がり、
有害なステレオタイプの撤廃に取り組んでいます。

アライアンスのパートナーであるWFA(世界広告主連盟)も、
ステレオタイプに囚われないジェンダーの描き方に関するガイドを発表しています。

A guide to progressive gender portrayals in advertising
The case for unstereotyping ads
https://www.wfanet.org/app/uploads/2018/05/WFA-Gender-guide_final.pdf

ステレオタイプを打破するための一番の対策は、
メッセージを発信する過程において、
企業の内外に多様性を確保すること。

例えばゼネラルミルズでは具体的に、
制作部門に半数以上の女性と20%以上の非白人系の人々がいることを
発注先の要件としています。

こうした議論をしていると、よく出てくるのが
「規制を増やすことでクリエイティブなことができなくなる」
という意見。

しかし、ステレオタイプはむしろ、創造性を狭めます。

ステレオタイプを戒める規制も含めた一定の制約の中で、
既成の概念を突破することこそが、
真に創造的なことなのではないでしょうか。

先日も、「多様性と人権」をテーマにある企業さんで社内勉強会を行いました。
少しずつですが、現状を変えていく一助に私たちも取り組んでいきます。

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