テレワークの労務管理ガイドライン なぜ労働時間を考えることが重要か

2018 / 4 / 9 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

テレワーク。リモートワーク。在宅ワーク。
呼び方は様々ですが、オフィスへの出社を前提としない働き方が
少しずつ広がっています。

テレワークにおける課題の一つが、
労働時間をはじめとする労務管理について。

今年3月、厚生労働省からテレワークを行う際の労務管理に関する
新しいガイドラインが発表されました。

「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html

対象となる働き方は以下の3種類。

1.在宅勤務:通勤の必要なし、家で
2.サテライトオフィス勤務:通勤時間の短縮、用意された環境で
3.モバイル勤務:労働者が自由に働く場所を選択、好きなところで

これまでも在宅勤務に関するガイドラインはありましたが、
新たに2つの種類をテレワークの対象とし、長時間労働を招かないよう、
適切な労務管理を行うためのポイントについてまとめられています。

テレワークを行う上で、難しいことの一つが労働時間の管理。

これはオフィスに出社する働き方においてもそうなのですが、
何を持って「労働時間」と判断するか、ご存知でしょうか。

たとえば出張時の移動や研修への参加。
自主的な改善活動や明日の打ち合わせの準備の時間。
着替えや通勤。

基準となるのは、
使用者の明示又は黙示の指揮命令下で行われているか」どうか。

業務の具体的な指示をしているかだけでなく、
情報通信機器を常時、通信可能な状態にしておくことなど、
即応の義務が課されているかどうかも基準となります。

そうした指揮命令が明示的なものであればよいのですが、
その多くはより曖昧なもの。
特にお客様対応というシチュエーションでは、
対応して当たり前という黙示の度合いがさらに強くなります。

これは会社だけではなく、労働者側も含めた問題として、
考えていく必要があるものです。

難しさの一つは、空気を読むという日本独特の文化の存在。
ただそれだけではなく、一個人として
私たちが「働くこと」に対する教育をしっかり受けておらず、
知識や経験が不足し、主体的に判断・決断できていないという点も大いにあります。
(もちろん上司や顧客との絶対的な力関係があり
従わざるを得ないという問題はありますが)

これから社会の変化がますます加速し、働き方は一層多様化し、
雇用もさらに流動化していきます。

自社のビジネス自体が今後も続いていくか不透明な状況の中で、
企業にとっても将来の仕事を一方的に保証し続けることは難しくなっていきます。
と同時に、従業員の力を信じて活かすことが、多くの企業が生き残っていく唯一の道でもあります。

働く側にとっても、雇う側にとっても、お互いがこれからの時代を生き抜くために、
自ら柔軟に意欲的に学び、自立して考え、
生産性高く働くことができる人をどう増やしていくか。

そのための基礎要件として、働くことに関する権利とルールを
学ぶことが重要です。

それは、労働に関する権利や法律に関する基本的な知識が対象となるだけでなく、
用意された環境ではなく自ら働く時間と場所を選ぶ経験や
一定の時間制約の中で働くトレーニングも含まれます。

雇用側に適正な労働時間管理を行う責務がある、
という点はもっと周知・徹底されるべきですが、
さらにその先に、なぜ労務管理を行うことが重要なのかを
雇用側だけでなく労働者側も考え、双方が問題意識を持って
取り組んでいくような動きがもっと広まっていくといいなと思います。

エコネットワークスでリモートワークに関する経験をまとめたのも、
そうした思いから。
暮らしと仕事の質を高めるためのリモートワーク実践BOOK

どのように双方の意識を高めていくか、
その方法についてもまた経験を整理してみたいと思います。

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