子どもとマーケティングのベストな距離感

2018 / 2 / 4 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Warning Sign "Children" between Braşov and Sânpetru
photo by Alexandru Panoiu

15年ぶりに「学者・博士」が男の子が将来なりたい職業の第1位になりました。
トップ常連の野球選手とサッカー選手を抜いての快挙です。
一部ではその背景に仮面ライダーの影響があるのでは?という議論が盛り上がっています。
(最新シリーズは天才物理学者が主人公)

子どもの行動に絶大な影響をもたらすメディア。
曖昧さを伴う言葉ではありますが、
子どもたちの健全な育成のためにメディアはどうあるべきか、常に議論が求められるテーマです。

そしてそれは、現在の、そして未来の消費者として
子どもたちをターゲットにする企業のマーケティングにおいても同様です。

あるいは直接のターゲットではなくとも、
商品・サービスの提供においてこうした子どもたちへの配慮は欠かせません。

国内であった最近の顕著な動きは、コンビニでの成人誌の取り扱い中止です。
撤去を求める長年の声に応え、また市場ニーズの変化に伴い、
ついにミニストップが今年1月から他社に先駆けて全国で販売を取りやめる方針を発表しました。

海外で注目が高まっているのが、デジタルやソーシャルメディアとの接触です。

フェイスブックの子ども向けチャットアプリ「メッセンジャー・キッズ」に対しては、
健全な発達に影響を及ぼす恐れがあるとして、子どもたちを
広告から守ることに取り組むCampaign for a Commercial-Free Childhood と
健康や医療の専門家約100名から提供中止の要請が寄せられました。

アップルには大株主のジャナ・パートナーズと
カリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)から
機能制限のための保護者のオプションを増やすこと、
スマートフォンの子どもたちのメンタルヘルスへの影響について
調査を行うことを求める公開書簡が届きました。

欧米に比べて、日本では企業に対するこうした規制の取り組みは遅れています。

しかしそのような中でも少しずつ議論が盛り上がってきており、
2017年2月には内閣府主催で子ども向けの広告をテーマにしたシンポジウムが行われました。
子ども向け広告の在り方について考えるシンポジウム報告書

具体的な指針として参考になるのが、
2016年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが事務局となり発表した
子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」です。

市民団体や研究者、企業によるマルチステークホルダーの委員会により策定されたもので、
何にどう注意すべきかの指針が具体的に示されています。

上記で紹介した動きは主に低年齢の子どもたちに対する部分での話ですが、
今年予定されている成人年齢の18歳への引き下げへの本格的な検討を踏まえ、
青少年に対してどう向き合うかという視点も重要になってきます。

簡単に答えが出ない部分ももちろんありますが、
子どもたちの一生に影響を与えかねないこのテーマは
まさに企業の「社会的な責任」が問われる、真剣に向き合うべき問題です。

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