一筋縄ではいかないミャンマーの児童労働 携帯会社の取り組み

2018 / 1 / 8 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Burmese Teashop
photo by Shannon Holman

年末に1週間ほどミャンマーを訪れていました。

児童労働というと農園や工場で働く子どもをイメージするかもしれませんが、
ここミャンマーではティーショップと呼ばれる現地のお茶屋さんに入れば
当たり前のように子どもが働いています。

国勢調査によると、この国の10〜17歳の子どもの
5人に1人が学校に行かず働いているといいます。

そんなミャンマーでサプライチェーンにおける児童労働の問題に
積極的に取り組んでいるのが、ノルウェーの通信会社Telenor(テレノール)です。

児童労働の定義は国際的には下記の通りですが、

何歳からOK? 子どもの結婚と児童労働

ミャンマーでは2016年の改正でようやく工場や店での労働可能年齢が
13歳から14歳に引き上げられたばかりという状況で、
子どもの権利を保護する網羅的・体系的な法律は整備されていません。

テレノールではサプライヤーに対し14歳以下の子どもを雇用しないこと、
危険が伴う基地局の建設作業には18歳以下を雇わないことを
調達方針として明示し、教育と監査を通じてサプライチェーンの
児童労働・強制労働ゼロ化に向けて取り組んでいます。

取り組み例:Round table discussion on tackling child labor in Myanmar

しかし社会の体制や人々の意識が十分でないなかでは課題も多く、
これまで12歳で学校を終えたらすぐ働き始めることができたのに、
なぜ17歳の子どもを働かせてはダメなのか、
特に地方では説明しても理解してもらうことが難しくなり、
事業が農村部へと拡大すればするほどリスクも高まるという問題意識を持っています。

またテレノールは自社のサプライチェーンで問題のある労働を減らすだけではなく、
働く子どもたちの教育環境を高めることにも取り組んでいます。

ティーショップはテレノールにとって戦略的に重要なビジネスパートナーです。
人々が集まるティーショップを、携帯のSIMカードなどを販売する
販売店・ブランドショップとして位置付けているのです。

ティーショップは契約にあたって、
14歳以下の子どもを雇ってはいけないこと、予告なしの監査を受け入れること、
さらに16歳までの子どもについては週6時間の勉強機会を提供することが求められます。

勉強機会の提供には、働く子どもたちに移動教室を提供する
Myanmar Mobile Educationプロジェクト(MyME) という団体と提携しています。

日本企業では昨年、ミキハウスとワコールのミャンマー製造工場における
労働問題が人権NGO ヒューマンライツ・ナウ(HRN)により指摘されました。

HRN声明:ミキハウス及びワコールはミャンマー委託先縫製工場における労働環境の改善に向けて実効的な対応をとるべき
ミキハウスの対応
【活動報告】ミキハウストレードの委託先工場における労働環境の改善に向けた対話のご報告

単純にはいかない問題だからこそ、現地の状況をしっかりと理解し、
ステークホルダーとも対話をしながら取り組みを進めていくことが求められます。

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