すべての「親」にとって働きやすい企業を目指すダノンのポリシー

2017 / 12 / 9 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Parent and Child
photo by mistahbloo

海外企業のCSR・サステナビリティの取り組みを調べるために
日頃から海外企業のCSRページを見ることが多いのですが、
本来のリサーチテーマとは別に
「へー、こんなこともやってるんだ」と気になるものに出くわすことがあります。

その中でも最近特に興味を持ったのが、ダノンの「Global Parental Policy」。

直訳すれば、親のための方針。
一瞬、親学のような価値観の多様化と逆行する方針?
と思ったのですが、まったく逆の内容でした。

ダノンは乳製品や乳児向け食品の事業を展開し、
食を通じて健康を届けることをミッションとしています。

そんな企業が、従業員とその子どもや家族が健康に過ごすことを
妨げていては問題がある。そこで、特に親となる従業員に寄り添い、
新しい命が健康的な人生をスタートできるように、
働く親が充実した生活を送り職場にも復帰できるようにと、
今年3月に発表されたのがこの方針です。

具体的には、妊娠から子どもが満2歳になる最初の1000日に対する
会社の方針と従業員に提供するサポートがまとめられています。

たとえば妊娠中の期間。
フレックスな勤務形態の導入や
体に負担のかからないよう座ってできる業務への転換のほか、
できるだけ入口近くの駐車場スペースを確保する、
エレベーターがない場合は地上階へのデスク移動を検討する、
といった配慮項目が挙げられています。

産前産後の休暇は、基本期間が18週間。
この間給与は全額支給され、通常得られる権利や福利はすべて対象となります。
さらに希望すれば追加で8週間の無給休暇が利用できます。

復帰にあたっては、休職前の職場に復帰する権利を保障し、
柔軟な勤務形態を認めています。
さらに50人以上女性がいる作業所には授乳室および必要備品の設置を義務付け、
小さな職場も要望があれば対応するとしています。

他にも色々興味深い点があるのですが、私が特にいいなと思ったのが、
母親に限定せず、すべての「親」を対象としていることです。
それは母親だけでなく父親もということではありません。

ここでの「親」とは、育児における役割としての親を指します。

「ダノンは家庭の形はそれぞれに多様であることを理解しています。
1次従事者は必ずしも赤ちゃんにとっての生物学上の母親を意味しません」

そのため方針の中では、「母親(Mother)」「父親(Father)」ではなく、
「(産前産後ケアの)1次従事者(Primary Caregiver)」
「2次従事者(Secondary Caregiver)」
といった表現が使われています。

上述した産前産後休暇も、実は4種類に分かれています。

生みの親としての1次従事者 18週間
生みの親としての2次従事者 10営業日(出産から半年以内)
育ての親としての1次従事者 16週間
育ての親に関わる2次従事者 10営業日(養子に迎える日から半年以内)

ダノンは2020年代までに、
すべての従業員が親としてとの日々を迎えることができる環境を整え、
子育てをする親に優しい企業カルチャーとして認識されることをゴールとしています。

戸籍の壁が高すぎる日本でも、法律を超えて、
企業が先行してできることがもっとあるはず。
サイボウズ青野社長の夫婦別姓訴訟も応援しています。

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