「“絶望職場”の担い手たち」をめぐる動き

2017 / 10 / 29 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Sewing machine
photo by Steffen Zahn

「追跡!“絶望職場”の担い手たち」

今年8月に放送されたガイアの夜明けのタイトル。
この“絶望職場”は、決して途上国の労働現場を指すものではありません。

日本国内で、外国人技能実習生として働く人たちの状況を指しています。

現在、20万人以上の実習生が国内各地の職場で、
日本の進んだ技能・技術・知識を習得し
出身国での経済発展を担う人材となるべく、働いています。

しかし実態は、制度の様々な不備が指摘されて久しく、
国内外で批判の声があがっています。
最近では、英国の専門機関「人権とビジネス研究所(IHRB)」から、
対策を求める報告書が発表されました。

Learning Experience? Japan’s Technical Intern Training Programme and the
Challenge of Protecting the Rights of Migrant Workers
https://www.ihrb.org/focus-areas/mega-sporting-events/japan-migrant-workers-titp

近年、オリンピックをはじめとする国際的なスポーツ大会(Mega-Sporting Event)
における人権問題への注目が高まっており、
2020年の東京大会をにらんだ動きでもあります。

実際に、外国人技能実習生にまつわる労働環境は、
監査に入った施設の7割が違反状況にあったというような状況です。
違反の内訳は労働時間、安全基準、割増賃金の支払いの順。

労働時間や割増賃金は実習生だけが特別ではない、という声があるかもしれませんが、
1日15時間労働休みなし、月額6.5万円、残業代300円
といったケースも実際にあるほか、

・制度期間中の2年間、職場を変える自由がない
・出国時に派遣元に借金をしており逃げ出せない

といういわゆる強制労働の状況にあったり、
またそもそもの問題として、制度の本来の目的である
進んだ技能・技術・知識を習得ができる職務内容になっているのか、
という点もあります。

強制労働、移民労働者というと海外の問題と思われ
日本の状況は見過ごされがちですが、
実際に国内のサプライチェーンをさかのぼったところ
問題があるケースが発覚した、という企業の例もあります。

実態としては、技能実習生が働いているかどうかすら、
把握できていないことがほとんどと思われ、
CSR調達に取り組む企業は関心を向けることが必要です。

そうしたなか、コンビニの店舗運営でも実習生の受け入れを申請する動きがあります。

問題の多い制度の利用を拡大するのではなく、
本来の趣旨に立ち返り、国際貢献の一環としての
制度になるべく抜本的な改善が求められます。

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