遠隔医療で子育て支援

2017 / 7 / 7 | 執筆者:Yurie Sato 佐藤百合枝


Photo by jfcherry

2016年の日本の保険医療支出(対GDP)はOECD加盟35カ国中、3位
これからも経済成長のペースを超えて増加していく見込みです。

国が保険医療サービスを提供し続けていくためには、
無駄な診療・投薬や減らし、医療費の適正化を図る必要があります。

医療支出増加の主な原因には高齢化がありますが、
その他に注目すべき点として
軽症の子どもの救急外来受診の増加があります。
(夜18時に0歳児が受診すると、約5000円が医療費として発生)
救急外来を受診する子どもの9割は救急対応の必要がない状態だそうです。

背景には多くの自治体による未就学児の医療費無料化がありますが
それよりも、ネットで心配になる記事を目にしたり、
家族構成の変化で子育ての知識が不足する人が増えていることにより、
親が不安な状況におかれ、それを解消する仕組みがないことが原因として考えられます。

先日、そんな親の不安を解消し
医療費削減への貢献もめざすKids publicさんにお話を伺いました。

Kids Publicさんは、チャットや電話、ビデオ通話で
小児科医に医療相談ができるサービスを提供しています。

病院にいくべきか迷ったときに相談できるので不要な受診を防ぎ、
夜間に対応することで、緊急医療の利用削減に貢献します。

さまざまなコミュニケーションツールが利用できるのも特徴で、
たとえばチャットや写真だと、子育ての合間にも送ることができ、
動画通話を使うと、子どもの顔色や呼吸で症状をより詳しく確認できます。

今まで重症の見逃しは0人で、
サービスを利用したその日に病院に行った人は0人、
病院でのケアが必要と診断されたのは100人に1人ほどだそうです。

また、興味深いのが「ヴァーチャルのコミュニケーション」による副次的効果です。
非対面で話せることで、今まで誰にも相談できず抱え込んでいた子育ての悩みや
DVに関する相談ができる方もいるそうです。

LINEなど今の子育て世代に親和性の高いツールを活用して子育て中の人々に寄り添い、
かぜや身体的な症状だけでなく、産後うつや虐待の予防も含め
子どもと親のウェルビーイングを守っています。

個人向けの料金は月額3,980円(利用回数無制限)ですが
困っている人にサービスを広げられるよう
健康保険組合との提携を進め、医療費の削減をめざす行政との協力もめざしています。

政府が、6月に遠隔医療を活用した予防医療に診療報酬をつける方針を決めるなど
医療分野での遠隔サービスの拡大が予測されますが
現在支援が足りていない子育て分野でもICTが活躍する可能性を感じました。

このエントリーをはてなブックマークに追加

Sustainability Frontline もっと学びたい方へ

この記事で取り上げたテーマについてより詳しく知りたいという方は下記よりご連絡ください。より詳しい内容理解 / 勉強会でのライトニングトーク / 社内セミナーでの話題提供など、一緒に学びを深める機会を作っていきたいと思います。

お名前
メールアドレス
企業名、団体名
詳しく知りたい内容など

プライバシーポリシーに同意する