クラスター爆弾 高まる日本と東アジアへの注目

2017 / 6 / 17 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

「クラスター爆弾製造 日本4社が投融資」

5月末、クラスター爆弾の製造企業に金融機関4社が投融資していることが
新聞の見出しを飾りました。

名前が挙がったのが、以下の4社。
・三菱UFJフィナンシャル・グループ
・三井住友フィナンシャルグループ
・オリックス
・第一生命

クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)の締結国の中で、
製造企業に投融資している金融機関の数は日本が最多です。

メーカー6社(米中韓各2社)に一定以上の投融資をしている金融機関は166社。
条約を締結していない米国(80)、中国(30)、韓国(27)、台湾(5)に日本が続きます。

今年で第8版となる報告書「クラスター爆弾への世界の投資――共通する責任」を
発表したのは、オランダに拠点を置くPAXというNGO。


2017 Explosive Investment report released in Tokyo

日本では20年以上前から地雷などの非人道的兵器の廃絶を目指す
JCBL(地雷廃絶日本キャンペーン)がクラスター爆弾の問題に取り組んでいます。

先日、JCBL代表理事の目加田さんのお話を聞く機会がありました。

親爆弾に無数の子爆弾が仕込まれたクラスター爆弾は
ターゲットをピンポイントで攻撃する最新兵器に比べると「古い兵器」です。

・広範囲に被害が広がり、犠牲者の70%が子ども
・最大30%程度が不発のまま地上に放置され「地雷」化する
・除去を担う専門的な作業員にとっても危険

といった非人道性が指摘され、古くはベトナム戦争、
最近ではサウジアラビアによるイエメン攻撃で使用されてきました。

ノルウェーでは2004年に年金基金が倫理ガイドラインで製造企業の除外を決定。
ベルギーでは2007年に爆弾製造企業への投融資を禁止する法律が制定されました。
その後、2008年にオスロ条約が成立。

日本でも、2010年に大和証券投資信託が製造企業への一部投融資を禁止し、
全国銀行協会も製造に係る投融資の禁止を発表しています。

国内では三井住友信託銀行が近年最も力を入れていて、投資対象から除外し、
製造企業に停止を働きかけるエンゲージメントの取り組みを行っています。
(残念ながら調査では方針がグループ企業に及んでいないとして次点の評価)

国際的にはクラスター爆弾廃止に向けた流れは広まっており、投資撤退の動きの他、
メーカー側も米テキストロンが製造を中止することを発表しています(おそらく今年中)。

すると、これまで以上に東アジアに偏ることになり、
次回の調査では、日本に対する注目がさらに高まりそうです。

今年4月には、日本の年金基金GPIFがテキストロンの株を
192万株保有していることも明らかになりました。

多くの場合、積極的に保有しているわけではなく、
グループ企業が行っているものであったり、
市場全体に投資するインデックスファンドに含まれていて
結果的に保有していたケースであると思われます。

しかしその「結果的に」が、許されなくなってきています。

今回、調査の責任者が来日していましたが、
残念ながら金融機関との対話は1回も行われなかったそうです。
私たちにできることの一つとして、国際社会の流れを把握する貴重な機会が生かされるよう、
両者の間に入り、つなぐ役割を担っていけないかということを考えています。

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