年別アーカイブ: 2017

SDGsへの貢献を語る上でインパクト評価はなぜ不可欠か

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photo by SKR_RGR

「ソーシャルインパクト」
「インパクト評価」
「SROI」

ここ1〜2年くらいでしょうか。
企業やNGOなどあちこちでよく耳にするようになったワードです。

先日、社会的インパクト評価の最前線で活動する
Social Value InternationalのJeremy Nicholls氏の
講演を聞く機会がありました。

「インパクトは評価することが目的ではない。
評価の結果を踏まえ、変化を最大化させる判断をすることが真の目的」

そのなかで一番印象に残った内容です。
(そのままの言葉ではなく、私の理解です)

インパクトをマネジメントするための
インパクト評価である。

よく考えると当たり前のことですが、
評価・測定を行うのはPDCAを回すためです。

説明責任を果たすため、という反論もありそうですが、
それについてはアカウンタビリティを日本語で
「説明責任」と訳していることに問題があるという指摘にはなるほどと思いました。

説明責任は、説明をすれば(ができれば)それでOK、
責任を果たした、という印象です。

しかし本来、責任はどこにあるかというと、
何かの行動を行い、その結果としてよりよい成果を導くことに対して責任があります。

行動の結果に対する責任が問われないのが、現在の「説明責任」。
説明すること、評価することそのものは責任の履行ではありません。

では説明責任を果たすためのCSR情報開示/サステナビリティ・レポーティングと
インパクト評価はどう違うのか。

UNDPによる包摂的な開発のためのイニシアチブBCtA(ビジネス行動要請)と
とサステナビリティ・レポーティングのガイドラインを発行するGRIが
協働で出したレポートでの整理が参考になります。

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MEASURING IMPACT: How

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家畜の動物福祉のいま 〜世界と日本の視点

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Photo by United Soybean Board

アメリカでは、
2016年の11月から現在までに
StarbucksChipotleなど米国の大手食品関連企業の約10社が続けて
自社とサプライチェーンのニワトリの扱いに関する方針を打ち出しました。

各社とも
非営利団体Global Animal Partnership(GAP)のプログラムへの準拠を目指し
2024年までに
身動きができないほど狭いケージの使用をやめ、
輸送中や屠殺の痛みを軽減することや
ホルモン剤などを使用して体を無理やり大きくしない
ことなどにコミットしています。

狭いケージの使用については
アメリカのNGO Humane Societyのよびかけに対して
すでに100以上の食品メーカー、レストラン、ホテルなど
早い企業では2016年
遅い企業でも2026年までにやめる目標を打ち出しています。
家畜動物の福祉全体に関する動きをみてみると
2017年1月に発行された
世界の99企業が対象の畜産動物福祉に関するベンチマーク(BBFAW)2016年版では
2016年の投資家宣言を受けて
より真剣に取り組む企業が増えているようです。…

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海洋プラスチック問題への挑戦 P&G、アディダス、ユニリーバ

Marine litter. Most often found: Plastic pieces, bottles, rope, floats and buoys.

太平洋に浮かぶごみの島。
その広さは日本の2倍以上。

レジ袋やペットボトルなどが流れ着くこうした
「ごみベルト」が世界の海には複数あります。
分解されず、波に洗われて細かな破片となったマイクロプラスチックも
生態系やヒトへの影響が懸念されています。

2050年には魚の量より多くなると言われる、海に漂う廃プラスチック。

今年の世界経済フォーラムにあわせて、
P&Gは海洋プラスチックを原料とした
再生プラスチックを25%含んだ商品を発表しました。

P&G’s Head & Shoulders Creates World’s First Recyclable Shampoo Bottle Made with Beach Plastic
Virginie_Press_Conference_2

Head & Shouldersのシャンプーブランドで使用され、
当面はフランスのカルフールで販売されます。

今後は2018年末までに欧州で年間5億本以上の容器を
再生プラスチックを最大25%含んだものにすると宣言しています。

原料となる海洋プラスチックは、市民やNGOがビーチクリーンなどで集めたもの。
つまりサプライチェーンの上流がボランティア活動になるということです。

他にも、日用品メーカーやアパレルを中心に海洋プラスチックへの
取り組みが始まっています。

アディダスは海洋プラスチックを原料としたウェア(100%)やシューズ(一部)を開発。
シューズは2017年には100万足を販売する計画です。

ユニリーバは、2025年までにすべてのプラスチック容器を
リユース・リサイクル・生分解可能なものにすると発表しています。

現在は14%しか回収されていないプラスチックですが、
戦略的な行動を起こすことで70%まで回収率を高められるとのレポートが…

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社会課題を身近に ーバーチャル・リアリティの力

Screen Shot 2017-01-06 at 11.02.54 AM
Photo by Knight Center for Journalism in the America

ニュースで見るさまざまな社会・環境問題ー
深刻そうなのはわかるが、いま自分に影響がないし、
実際に何が起きているか想像しにくく
中々行動を起こすことにはつながらないという人が多いのではないかと思います。

他人のことや、遠い国・未来のことを「自分ごと化」するのは難しいことですが
問題についてより具体的にイメージできれば
何かしたいと考える人は増えるのではないでしょうか?

2016年、海外では五感に訴えかける「バーチャルリアリティ(VR)」の技術が
サステナビリティやコーズマーケティングの分野で
活用される事例が多く見られました。
VRは、データや統計を使った情報とは違うレベルのインパクトを人々に与え
人々の感情により強く働きかけることが期待されています。

いくつか事例をご紹介します。

靴が1足売れる度に途上国の子どもに靴を届けるTOMS shoesは、
これまでに6,000万足以上の靴を寄付してきました。
もっと多くの人に支援の必要性を理解してもらうため、
2016年にVRを活用した告知キャンペーンを開始。

左上の矢印で動画をコントロールすることができます。

この映像では、TOMs shoesで靴を購入した消費者が
コロンビアに靴を届けにいく様子と
靴を受け取った子どもの生活が変化する様子を
視聴者が360度自由にコントロールすることが可能な動画を通して伝えています。
360度動画は消費者と子どものナレーションとともに展開していくので
登場人物の動きや感情をリアルに追体験することができます。

また、国際的な人権団体Terre des

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本当に必要な次世代育成とは? VISAの金融教育から考えたこと

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クレジットカード最大手のVISAと
経済教育に取り組むNPOジュニアアチーブメント(JA)が協同で、
2016年3月に欧州で若者の金融教育に関する調査を行いました。

その結果、若者側のスキルと雇用側のニーズには
大きなギャップがあることが判明。
特に「財務計画」と「予算管理」のスキルが、
雇用者側の求めるレベルに対して大きく不足していることがわかりました。

Business confirms young people are not equipped with key financial skills they need to start their working lives
http://jaeurope.org/medias/news/251-business-confirms-young-people-are-not-equipped-with-key-financial-skills-they-need-to-start-their-working-lives.html

そうした状況に対し、VISAはJAとのパートナーシップのもと、若者に対して
金融リテラシーと雇用される能力(エンプロイアビリティ)を高める
様々なプログラムを世代別に展開し、
また同社の従業員も専門的な知識を活かしてボランティアで講師として活動しています。

Visa supports financial education for youth
http://www.ethicalperformance.com/bestpractice/article/205

このような取り組みだけ見れば、日本でも色々な事例がありますが、
私が特に関心を持ったのが、こうした分析や活動のなかに、
雇用される能力といった現実社会で役立つ実務的な視点があること、…

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日本で、世界で、高まる「非正規雇用」への注目

Shaking hands
photo by Melissa Wiese

12月20日、政府から同一労働同一賃金ガイドラインの案が示されました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html

将来的に「非正規」という言葉をなくすことを目指し、
基本給や賞与他手当、福利厚生、教育訓練・安全管理の4項目について、
問題になる例、ならない例を整理しています。

女性活躍や働き方改革の推進と共に
やっと本格的な議論がスタートした感がありますが、
実は「非正規雇用」は国際的にも注目が高まっているテーマです。

昨年11月、国際労働機関(ILO)から
「非正規雇用(non-standard forms of employment、NSFE)」
に関する報告書が発表されました。

Non-standard employment around the world: Understanding challenges, shaping prospects
http://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/—dgreports/—dcomm/—publ/documents/publication/wcms_534326.pdf

実はこれ、非正規雇用をテーマとした初めての包括的な報告書になります。

背景にあるのは、非正規雇用の世界的な高まり。

非正規という働き方の形態は以前からあったものですが、
近年その割合が世界で増加しています。

背景には、国内の議論で出てくる雇用崩壊や規制緩和といった点に加え、
経済危機による若者の失業率の増加、
国際的な移民の増大、さらにはクラウドソーシングの発達など、
様々な要因があります。

ILOの報告書における「非正規」の4分類(報告書P8)
-一時雇用(季節労働や日雇いなど契約期間の定め)…

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