ウナギは何色? ヒントはIUU

2016 / 12 / 6 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

カツオ(太平洋産)・・・緑
ホタテ・・・黄
クロマグロ ・・・ 赤

ではウナギは何色でしょう?

答えは、赤。

資源保全に積極的に取り組んでいる米国モントレー・ベイ水族館が
発行している「Seafood Watch」では、
緑・黄・赤の3段階で水産資源の状況を評価していて、
赤は「避けるべき」を意味します。

(福島にある「アクアマリンふくしま」では、水槽の前にお寿司屋があり、
そこでは緑(推奨)と黄(改善されている)のネタが提供されています)

先日、衆議院第一議員会館で違法漁業に関するシンポジウムがあり、
参加してきました。

海はいま、様々な危機にさらされています。

気候変動による海洋の酸性化。
マイクロビーズなどのプラスチックごみによる汚染。
そして水産資源の減少。

世界の海の90%が、資源利用が限界・過剰または崩壊しているといいます。
その原因の1つが、IUUと呼ばれる違法(Illegal)・無報告(Unreported)・無規制(Unregulated)な漁業。

社会に流通している海産物の20%が、IUUと推計されています。

違法な操業のため、漁船で働く労働者の環境も劣悪です。

昨年、New York Timesが違法漁業の実態を暴く連載を行い、
大きな反響がありました。

The Outlaw Ocean
http://www.nytimes.com/interactive/2015/07/24/world/the-outlaw-ocean.html?_r=0

記事は英語ですが、映像を見ると漁業現場の様子を垣間見ることができます。
なかには海上で殺人が行われている様子を映したものもあり、衝撃的です。

対策が進まない理由の1つに、プレイヤーの複雑さがあります。

旗国・・・船の登録国
沿岸国・・・漁を行なう沿岸の国
寄港国・・・陸揚げされる国
市場国・・・流通する国
漁業従事者の居住国

と、様々な国が関わっていて、国際的な協調が必要不可欠。
それでも近年、EUと米国を中心に規制の強化が行われ、
また大手の流通や食品企業を中心に取り組みが進んできています。

日本ではイオンや味の素などががんばっていますが、
政府による規制もなく、相変わらずトレーサビリティの分野では
木材と共に大きく遅れているのが実情です。

赤色だったウナギ。
その70%は違法に捕獲されたシラスであり、
現在の日本では違法でないウナギを食べる術はない、
という研究結果も発表されていました。

世界に誇る「寿司」を、安心して、いつまで食べ続けられるよう、
すぐにでも対策が進められることを望みます。

(そして寿司を提供するお店やスーパーには、是非とも率先して取り組んでいただきたいです。
好きな寿司ネタの資源状況をチェックしたい方はこちら

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