世界の社会課題を現地からレポート!〜 弱者に優しい国、中国

2016 / 9 / 5 | 執筆者:EcoNetworks

上海の地下鉄は、現在1号線~13号線と16号線の計14本が開通しています。
(厳密には地下鉄のほか、ライトレールと呼ばれる地上路線も含みます)
今後も路線が増える予定とのことで、
私が暮らしていた10年前は5本しかなかったのに、
10年一昔どころか二昔、三昔といった感があります。

ところでこの地下鉄、ラッシュ時は東京の都心をはるかにしのぐ混雑状況。
今は路線が増えて混雑も緩和されたかと思って調べてみましたが、
人口が増えているせいか、相変わらずの盛況ぶりのようです。

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Photo by Ray_LAC

私も当時、毎日押すな押すなの大混雑の中
大変な思いをして通勤していましたが、
妊娠してお腹が少し目立ってくると
驚いたことに通勤の際、皆が我先にと席を譲ってくれるのです。
あれほどの争奪戦を勝ち抜いてようやく手に入れたはずの席を、
いとも簡単に、そしてスマートに。

中国では基本的に共働きのため、妊娠しても出産ぎりぎりまで働く女性がたくさんいます。
もちろん彼女たちの通勤手段は地下鉄やバス。
そして多くの乗客が妊婦さんに優しい。
もちろん、下を向いて知らないふりをする人もいるのですが、
見知らぬおせっかい、いや親切な人が
「この人妊婦さんだからあなた譲ってあげてよ!」と席を立たせてしまうことも。
譲っていただける確率としては、私の感覚で80%ぐらいでしょうか。

妊婦さんだけでなく、高齢者や子供に対しても同様です。
日本では車内でのベビーカーの扱いが議論されていますが、
中国では問題にもなりません。

バリアフリーに関してはまだまだなので、
ベビーカーと荷物と赤ちゃんを抱えて階段を上り下りしていると
近くの男性がさっと手伝ってくれたりします。
また、席を譲られると老人扱いされたといって不機嫌になる高齢者もいません。

ただし、席を譲ってもらいたいがために
「妊婦に見せかけるパッド」なんていう商品もあるようですが…。

時代とともに次々と姿を変えてゆく中国。
特に上海の変化はめまぐるしく、
訪れるたびに違う様相を見せてくれます。
しかし時代が変わっても、
この「弱者に優しい文化」はぜひ変わらずにいてほしいと思います。

執筆:中国語通訳・翻訳者 陰山有加

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