ポケモンGOでの歩きスマホ事故は誰の責任? CSRの新領域を考える

2016 / 8 / 3 | 執筆者:野澤 健 Takeshi Nozawa

Augmented Reality
photo by Tom

一大ブームとなっているポケモンGO。
この前もスタバで仕事をしていたら、
隣の高校生グループがスタバを拠点に
対戦→負けたら外に出てハンティング→対戦
を繰り返していました。

ところで、ポケモンGOをプレイ中に事故が発生したら
その責任はだれにあるのでしょうか?

現状では、ダウンロード時の利用規約には
ユーザーの自己責任でプレイすることが書かれています。
しかし提供側にも、危険性の高い場所ではプレイできないよう設定しておくなど、
一定の配慮をすることも責任として求められるはずです。

こうした位置情報連動型やARを利用したゲームは今後も増えていくことは確実です。

現状、歩きスマホの危険性周知・啓発は各キャリアが中心となって行っており、
ドコモからはポケモンGOの日本発売にあわせ、
位置情報連携型スマホゲーム利用時の歩きスマホ等に関する注意喚起
のリリースが出されていました。

しかし本来であれば、アプリやゲームを提供する企業も
もっと役割を担っていてもおかしくありません。

責任の所在に関する考察は、今後裁判所での判断か、
行列のできる法律相談所に任せたいと思いますが、
ここではこうした新しい領域での「企業の責任」を考える上で、
いくつかの事例を紹介します。

●車の自動運転技術による影響

事故を起こした場合、誰の責任?ということはよく話題にのぼりますが、
再保険会社のスイス・リーはCSRレポートのなかで、
事業への影響を含めた保険会社にとってのリスクについて
コラムで取り上げていて興味深いです。

参考:「スイス・リーにみる「リスク」の情報開示

●口コミサイトと登録側のフェアな関係とは?

世界最大の旅行口コミサイトのTripAdvisor。
旅行先でもよくフクロウのマークを見るようになりました。

昨年、顧客に直接予約を働きかけた英国のカンブリア地方の宿泊施設に対し
トリップアドバイザーから圧力があったことが批判されました。

こうしたサイトはオンライントラベルエージェント(OTAs: Online Travel Agents)と呼ばれ、
ユーザーが利用すると事業者側に手数料が発生します。

地域の観光局は圧力に反発し、独自の宿泊施設予約サイトを立ち上げ、
OTAsを介さず直接予約をすることを旅行客に勧めています。

ビジネスパートナーとの公正・健全な関係性が問題になった事例です。

参考:Online hotel booking agents accused of ‘bullying’ practices

●Airbnbの利用者が差別されたら?

民泊トラブルも色々ありますが、ここでは人種差別に関する事例です。

米国で、アフリカ系の利用者が、予約を断られた上に、
貸し手からひどい中傷を受けました。

中傷の文面がTwitterに公開されたことから問題が発覚。
ツイートを見つけたAirbnbは被害にあった利用者とやり取りし、
その貸し手を特定し、利用を禁止しました。

こうした人種差別による予約キャンセルは頻繁に発生しており、
明らかにアフリカ系の名前とわかる人は
白人系の名前の人に比べ16%も予約率が下がるという調査
ハーバード大から発表されています。

参考:民泊「Airbnb」を悩ます人種差別問題

新しいサービスを提供する企業では、
まだまだCSRに関する体制も整備されておらず、
担当者もいない場合も多いです。

しかし、急速に拡大する事業のスピードに比例して、
果たすべき責任も高まっていきます。

簡単には結論が出ない問題ばかりですが、何か起きた際にどのようなスタンスをとるか。
まずは起きうるリスクと及ぼす影響をしっかりと認識するところから
いくことが重要です。

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